配偶者控除の103万円の壁は生命保険料控除を考慮してはダメ!

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年収104万円を超えたら必ず配偶者控除の対象外!

平成28年12月28日水曜日。

パート先から渡された「源泉徴収票」を見てびっくり!

なんかいつもより大きい!
平成28年分源泉徴収票

これ、なんかの間違いじゃないですか?とパート先の経理の人に聞いたら、「今年からマイナンバーの関係で大きくなったんですよ」とのこと。

へえ~。どこにマイナンバーを書くかわからない(むしろ斜線がいっぱい)けど、そうなんだ。

あ、支払金額が「105万円」だったんだ。

確か、支払金額は交通費を含まない年収のことだった。

そういえば、勤め先の部長さんから12月はどうしても入ってほしいって言われてがんばったから、超えちゃったんだなあ、と思って、ふと考えます。

そういえば、旦那の年末調整で年収103万円以内だと思って配偶者控除したけど、どうなるんだろう?

あ、そっか、生命保険料の控除証明書を出して税金はかかってないから、きっと大丈夫なんだろうな。

・・・そんな間違った思い込みをしているあなたに読んでいただきたいのが、今回の記事です。

「103万円の壁」は、生命保険料控除が関係ない!

生命保険料控除も医療費控除も、もっといえばふるさと納税でも同じですが、配偶者控除の判定の際にこれらを引いて考えることはできません。

配偶者控除とは、年間の所得が38万円以下の配偶者(今回は妻)がいる人が受けられる控除です。

「38万円? 103万円じゃないの?」

と思ったかもしれませんが、この話には続きがあります。

給料をもらっている人は、所得を計算するときに、「給与所得控除」という経費を引くことができます。

この給与所得控除の最低額が65万円です。

したがって、給料収入が103万円なら、

103万円-給与所得控除65万円=所得38万円

で、所得38万円以下の条件を満たします

そのため、「103万円の壁」と呼ばれます。

しかし、今回のように103万円を超えると、

105万円-給与所得控除65万円=所得40万円

となり、所得38万円を超えてしまいます。

この場合は、配偶者控除を旦那様で受けることはできません。

そこで先ほどの源泉徴収票をよく見ると、「給与所得控除後の金額」という欄があり、40万円になっています。

源泉徴収票2

まさにこの「給与所得控除後の金額」の欄こそが、所得38万円以下かどうかの判定に使われる重要な部分なのです。

103万円を超えても配偶者特別控除がある。

ということは、年収103万円以内にするか超えるかどうかで、配偶者控除が旦那様の方で受けられるか受けられないかが決まるわけですから、103万円の壁が出てしまうわけですね。

ただ、税金の世界では、税金の制度が働き方を変えるのはおかしいという発想もあり、年収103万円を超えても旦那様の方で控除ができるように、「配偶者特別控除」が設けられています。

しかし、やはり配偶者特別控除も、生命保険料控除に影響されません。

確定申告をしてもしなくても、下の表は変わらないのです。

パート収入 配偶者控除 配偶者
特別控除
103万円以下 38万円
105万円未満 38万円
110万円未満 36万円
115万円未満 31万円
120万円未満 26万円
125万円未満 21万円
130万円未満 16万円
135万円未満 11万円
140万円未満 6万円
141万円未満 3万円
141万円以上

図にすると、こんな感じです。
配偶者と控除
出典:国税庁

控除額は、階段状に減っていきますが、103万円を超えたらいきなり控除できなくなる、ということではありません。

だから税金の世界に、103万円の壁は、ありません(※)。

上場企業などの配偶者手当なんかは、103万円を超えるとなくなってしまうので、こっちの方が真の103万円の壁です。

※旦那様の所得が1000万円(年収だと約1230万円)を超えると配偶者特別控除は使えませんが、今回は無視しています。

生命保険料控除や医療費控除をしたら所得は減らないの?

さて、ここで納得いかない方もいることでしょう。

「私は生命保険料控除が今回、2万円分できるので、それを40万円から引いたら、38万円にならないの?」

源泉徴収票3

・・・しかし残念ながら、生命保険料控除は配偶者控除の判定では無視されるため、2万円控除できても、4万円控除できても、配偶者控除の判定における所得は、この場合、40万円なのです。

そのため、年収105万円の場合は、配偶者特別控除で「36万円」になってしまうので、旦那様の方で「配偶者控除」を年末調整でしてしまった方は、旦那様の方で確定申告をして、配偶者控除を配偶者特別控除(年収105万円以上110万円未満なので「36万円」控除)に訂正する必要があります。

※年収103万円超105万円未満の場合は、「38万円」控除で、配偶者控除と同じ結果になります。

じゃあ、生命保険料控除をしても意味ないの?

「旦那様における配偶者控除の判定」では、意味がありません。

しかし、生命保険料控除をしても意味がないわけではありません。

生命保険料控除を2万円したことによって、

105万円-給与所得控除65万円=所得40万円

所得40万円-生命保険料控除2万円-基礎控除38万円=0円

よって所得税は0円

もし、生命保険料控除をしていなかったら、

所得40万円基礎控除38万円=2万円

となり、2万円に税率約5%(所得税の最低税率)をかけた約1000円が税金としてかかります。

つまり、「自分の所得税の計算」では意味があるのです。

住民税は、忘れた頃にやってくる。

さらに、翌年になって住民税がかかってきます。

住民税では、基礎控除が38万円ではなく33万円なので、年収98万円~100万円あたりの人は、住民税がかかってくることがあります。

例えば、大垣市の住民税の税額シミュレーションを使うと、次のように年収105万円の人は、住民税が「10500円」と計算されました。
大垣市

住んでいる市区町村によって、多少異なりますが、来年6月くらいに住民税のお知らせが来て、ショックを受けることになるかと思います。

そのため、年収98万円~100万円あたりの人は、所得税が仮に0円になるとしても、念のため、住民税がかからないように、生命保険料控除も年末調整で行っておくことをおすすめします。

住民税は市町村によって取扱いがばらばらなので、自分の住んでいるところの結果が今回と同じ結果になるかどうかはわかりませんが、参考になれば幸いです。

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