固定資産税で特に多い誤りが「住宅用地の特例」の適用漏れです。
住宅用地の特例とは、家が建っている「土地」に対する特例で固定資産税の負担が最大6分の1まで減ります。
しかし住宅の新築時に「住宅用地の特例」を使っていなくて固定資産税を取り過ぎる誤りが全国の市町村で起こっています。
例えば2014年、埼玉県新座市では、一戸建て住宅に対して27年間にわたって固定資産税の取り過ぎがあったことを明らかにしました。
住宅の所有者は固定資産税の滞納を続けた結果、新座市は住宅を公売にかけました。
すると公売で落札した不動産業者の指摘で住宅用地の特例を利用していないことが発覚しました。
もし住宅用地の特例を使っていれば、固定資産税の負担は少なかったはずです。
住宅の所有者は自宅を取られずに済んだかもしれません。
この記事では、固定資産税の課税明細書が届いたら絶対にチェックすべき「住宅用地の特例」の確認方法についてご紹介します。
もくじ
住宅用地の特例とは?
住宅用地の特例とは、住宅用地の面積のうち
- 200㎡以下の部分(小規模住宅用地)の価格:1/6(都市計画税は1/3)
- 200㎡を超える部分(一般住宅用地。上限あり)の価格:1/3(都市計画税は2/3)
とする特例です。
「家を取り壊すと固定資産税が高くなる」とよく言われます。
これは更地になると家が建っていなくて住宅用地とはいえなくなり、住宅用地の特例が使えないからです。
固定資産税の課税明細書の見方
毎年4~6月頃に市町村(東京23区の場合は東京都)から固定資産税の納付書が届きます。
この中に「固定資産税の課税明細書」という書類が含まれています。
参考 【PDF】固定資産税・都市計画税 課税明細書 – 東京都主税局
この書類で住宅用地の特例が適用されているかどうかがチェックできます。
市町村によって様式は異なりますが、基本的な考え方は同じです。
例えば上記の東京都の課税明細書では、
- 価格:4,500万円
- 地積(土地の面積):150㎡
と書かれています。
「200㎡以下」の範囲内に収まるので、この土地はすべてが「小規模住宅用地」に該当します。
したがって
- 固定資産税:4,500万円×1/6=750万円
- 都市計画税:4,500万円×1/3=1,500万円
が税金を計算するための基準の価格となります。
※東京都では「固定本則課税標準額」と「都計本則課税標準額」と書かれています。
なお、固定資産税には「負担調整措置」という制度もあるので、実際にはさらに調整した金額に対して「税率」をかけます。
税率は固定資産税が1.4%、都市計画税が0.3%ですが、市町村ごとに条例で決めることができるので少し異なる場合があります。
我が家の住宅用地の特例は大丈夫?
「書庫のある家」の我が家の土地についてもちゃんと見ていないとマヌケな話なので、確認しました。
我が家のある土地の面積は141㎡(200㎡以下)です。
すべての土地が「小規模住宅用地」に該当します。
土地の価格は13,308,820円でした。
住宅用地の特例の適用後の金額として固定資産税の課税明細書を見ると、
- 固定資産税:2,217,303円(ほぼ1/6相当)
- 都市計画税:4,434,606円(1/3相当)
となっています。
我が家の土地も住宅用地の特例がちゃんと使われて計算されていました。
まとめ
固定資産税の課税明細書はもらっても、何を見たらいいか分からなくて捨ててしまっているかもしれませんね。
今年は届いたら捨てる前にチェックしてみてください。
もしおかしいと思ったら、各市区町村の固定資産税の担当課に確認しましょう。