2017/02/190 Shares

借換えしても住宅ローン控除はできる?年末調整の手続きに注意!

うそ!? 借換えすると住宅ローン控除ができないの?

借換えと住宅ローン1

国税庁の「タックスアンサーNo.1233 住宅ローン等の借換えをしたとき」では、ショッキングなことが書いてあります。

住宅ローン控除の対象となる住宅ローン等は、住宅の新築、取得または増改築等のために直接必要な借入金または債務でなければならないため、住宅ローン等の借り換えによる新しい住宅ローン等は原則として住宅借入金等特別控除の対象とはなりません

な、なんだって!?

この超低金利で借換えしたのに住宅ローン控除ができないなんて!

だまされた!!

・・・と思われたかもしれませんが、安心してくさい。

続きがあります。

2つの条件を満たせば、引き続き住宅ローン控除OK

借換えと住宅ローン2
先ほどの国税庁の文章には続きがあって、次の2つの条件を満たせば、借換え後も住宅ローン控除の対象として取り扱われます。

【条件1】
借換え後の新しい住宅ローンが、当初の住宅ローンの返済のためのものであること

【条件2】

借換え後の新しい住宅ローンが、住宅ローン控除を受けるための条件に当てはまること

つまり、借換え前と借換え後で、実質的に状況が変わっていないなら、住宅ローン控除を認めても問題ないよね、ってことです。

なお、また確定申告が必要になるのではなくて、年末調整で可能です。よかったですね。

ただし、場合によっては少し変わった調整をしなければならない場合もあるので、最後に年末調整の注意点もご説明します。

【条件1】

「借換え後の新しい住宅ローンが、当初の住宅ローンの返済のためのものであること」とは?

条件1は、借換えをする人ならたいてい満たす条件です。

原則として、新しい住宅ローンを借りて当初の住宅ローンを返済するのは、家を購入するためではなく、「借金返済目的」となるので、住宅ローン控除の対象にならないのです。

しかし、そもそも私たちが借換えをするのは、「借金返済目的」ではなくて、「金利条件の見直しが目的」ですよね。

一方、借換えをせずに、今借りている金融機関に相談することで、金利条件の見直ししてくれることだってあるじゃないですか。

その場合と比較してみると、同じ目的にもかかわらず、借換えの方は住宅ローン控除ができなくなり、金利条件の見直しの方は住宅ローン控除が続けられるなんて、不公平ですよね。
比較1
借換えの手数料まで支払ってがんばってやったのに、ひどいじゃないですか!!

これだと、住宅ローン控除ができないのを嫌って、借換えがまったく進みません。

そこで、借換え後の新しい住宅ローンが、当初の住宅ローンの返済のためであるものなら、実質的には同じ住宅ローンの金利条件を見直したのと同じ状態なので、住宅ローン控除をしてもいいよ、となっているのです。
比較2

そういえば、借換えをすると「住宅ローン控除の期間」がのびるんじゃないかと思う方もいるかもしれませんが、のびません!

現在の住宅ローン控除は最長10年間です。

例えば、住宅ローン控除を3年間受けて、借換えをしたらどうなるでしょうか?

「お!新しい住宅ローンを組んだから、もしかして、また10年間できるんじゃないか?(合計13年間)」

なんてことができたら、下手すると、みんな期間を伸ばすために借換えやりますよね・・・。

あくまで、当初の住宅ローンが続いていると考えて借換えをしても住宅ローン控除を認めているので、カウントは当初の住宅ローンで住宅ローン控除を受けたときから「10年間」です。

【条件2】

「借換え後の新しい住宅ローンが、住宅ローン控除を受けるための条件に当てはまること」とは?

条件2については、ほとんど満たしているので、借換えで最も重要なのは、住宅ローンの借入期間が「10年以上」かどうかになります。

例えば、住宅を購入した際には、A銀行で借入期間15年の住宅ローンを組んでいたとしましょう。
比較3
3年目に超低金利になって当初よりも1%以上金利が下がったので、B銀行で「借入期間12年」の住宅ローンに借り換えたとします。

比較4

この場合、「12年」は10年以上なので、条件を満たします。

住宅ローン控除も、既に3年間受けていますが、残り7年間を受けることができます。

一方、B銀行で借りる際には、早く返済を終了したかったので、期間を短くして、「借入期間9年」の住宅ローンに借り換えたとします。
比較5
この場合、「9年」は10年未満で条件を満たさないため、住宅ローン控除はできなくなります。

この点、繰上返済の期間短縮型の場合は、同じ住宅ローンなので、残りの借入期間が9年間でも当初からのトータルの借入期間が10年以上あれば控除可能なので、違いますね。

関連 繰上返済で借入期間が10年未満になっても住宅ローン控除はできますか?

・・・ただし、返済期間を短くすることで、支払う利息が減る効果もあります。

そのため、住宅ローン控除よりも支払う利息が減るメリットの方が大きい場合には、このように住宅ローン控除を無視して借入期間を短くすることも考えられます。

このあたりは、シミュレーションソフトを利用しないとなかなかどっちが得かが難しいところなので、シミュレーションソフトだけご紹介するにとどめることにします。

参考 みかローン(高機能住宅ローンシミュレーションサイト)

借換え後の年末調整の注意点

借換え後の住宅ローン控除も、年末調整で行うことができます(確定申告でやってもOKです)。

ただし、借換えをする金額によっては、注意が必要な場合があります。
3つのパターンに分けてみてみましょう。

パターン1:借換前後の残高が同じ場合

借換え前の残高:2,000万円
借換え後の残高:2,000万円

パターン2:借換後の残高が少ない場合

一部繰上返済をする場合です。

借換え前の残高:2,000万円
借換え後の残高:1,800万円

借換えの場合、【条件1】で見たように、新しい住宅ローンが当初の住宅ローンの返済のためのものであることが明らかでなければなりません。

そのため、当初の住宅ローンを引き継いでいる借り入れであることがポイントなので、「借換え前の残高≧借換え後の残高」となれば、問題ありません。

パターン1とパターン2は、特に調整が不要なので、借換え後の年末残高を使って計算することになります。

借換え後の年末残高×1%=住宅ローン控除のMax(最大控除額)

パターン3:借換後の残高が多い場合

しかし、「借換え前の残高<借換え後の残高」となると問題があります。

借換え後の残高の中には、当初の住宅ローンを上回る部分があるため、調整が必要になります。

借換え前の残高:2,000万円
借換え後の残高:2,100万円 
・・・現実には、残高を上回って貸してくれる場合は少ないのですが、しかし実際には、借換えの手数料などを含めて借りることができる金融機関もあり、その分だけ増加することがあります。

この増えた100万円、つまりそもそも当初家を買ったお金とは関係のない部分についても住宅ローン控除を認めてしまうと、おかしな話になってしまうので、次の算式で調整をします。

A × B ÷ C

A:借換えによる新しい住宅ローンの年末残高
B:借換え直前の当初の住宅ローンの残高
C:借換えによる新しい住宅ローンの実行額

例えば、Aが2,050万円、Bが2,000万円、Cが2,100万円だとすると、

2,050万円×2,000万円÷2,100万円=1,952万3,809円

となります。

2,050万円から100万円ほど減りましたね。

住宅ローン控除ができるMax(最大控除額)は、

1,952万3,809円×1%=195,200円(100円未満切捨)

となります。

なお、BとCの金額は毎年固定ですので、Aの残高だけが年々減っていきます。

記載方法は、今までの年末調整の方法と同じで、「給与所得者の(特定増改築等)住宅借入金等特別控除申告書」に必要な事項を書いて勤め先に提出するだけです。
申告書

最後に:11月や12月に借換えをすると年末調整は間に合わない!

住宅ローン控除が年末調整でできるのは、金融機関から10月から11月にかけて、「年末残高の証明書」が届くからです。
年末残高証明書
しかしこれは、あくまで「そのままの条件で返済した場合の予定の金額」です。

11月や12月に借換えをすると、年末残高が変わってしまう可能性が高いです。

そうなると、この証明書が発行されるのに少し時間がかかるので、年末調整に間に合わない可能性があります。

そういうときは、確定申告で受けるしかないですね。

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