2017/03/230 Shares

療育手帳で障害者控除を受けるための扶養控除等申告書の書き方

我が家が手帳を取得した理由

子ども

お子さんが療育手帳をもらった場合、「年末調整で障害者控除が受けられますよ」と説明を受けたものの、どうしたらいいかわからない方のために、具体的な制度と書き方を説明しています。

「療育手帳」の交付を受けるかどうかは、親にとって非常に難しい選択です。

手帳を取得することは障がいを認めること、とためらう方も多いでしょう。

そんな中、我が家では、手帳を取得しました。

そのメリットの1つとしては、例えば税金でいえば、「障害者控除」が受けられるということです。

もちろん、療育手帳がなければ障害者控除が受けられないというわけではありません。

障害者控除は手帳の有無ではなく、医師の診断等によって、障がいがあると判断される場合に控除を受けることができる制度です。

しかし、療育手帳があれば、その条件を満たしていることがハッキリしているので、スムーズに受けられるようになります。

これは障害者控除に限らず、手当てなどの他の制度でも同じです。

そのため、我が家では、いろいろな制度を受ける結果、子どものために少しでも貯金できるようにと思って、手帳を取得しました。

児童手当も子どものためにともらったお金も、産まれてから一切使わずに、すべて貯金しています。

将来、使いたいことに使えるといいな、と思っています。

療育手帳と障害者控除の関係

さて、前置きが長くなってすみません。

「療育手帳」は、一般的には、その保護者の申請によって、児童相談所や知的障害者更生相談所の判定結果に基づいて、都道府県知事や政令指定都市の長が交付します。

その名前は、「療育手帳」と呼んでいるところもあれば、「愛の手帳(例:東京都、横浜市)」や「みどりの手帳(例:さいたま市)」、「愛護手帳(例:青森県、名古屋市)」など、別の名前で呼んでいるところもあります。

そして、ここがポイントなのですが、療育手帳には、

  1. 障害の程度が重度:「A」
  2. その他の場合:「B」

などと、障がいの程度に応じて2つにランク分けがされています。

ランク分けなんてされたくもないのですが、税金の世界では非常に重要です。

というのも、所得税も住民税も、障がいの程度が重いかそうでないかで2種類に分けているからです。

【障害者控除】

(1)一般の障害者=療育手帳B・C

 所得税:27万円

 住民税:26万円

(2)特別障害者=療育手帳A

 所得税:40万円

 住民税:30万円

さらに、特別障害者のうち「同居」している場合には、加算があります。

お子さんの場合は、ほとんど同居していると思いますので、実際には、

同居特別障害者=療育手帳Aかつ同居

 所得税:75万円(=40万円+35万円)

 住民税:53万円(=30万円+23万円)

の方が多いと思われます。

これって、人によっては年間で数万円~20万円くらい税金が安くなりますので、結構大きいです。

なお、東京都の愛の手帳(東京都療育手帳)では、1度~4度の4段階になっており、

1度と2度:特別障害者

3度と4度:一般の障害者

に相当するため、自治体ごとに、確認をしましょう。

おそらく自治体の福祉課などで制度の説明をしていたパンフレットなどが手に入ると思いますので、それを読むか、直接相談するのが良いでしょう。

私たちが住んでいる自治体では、分厚い本が配布されていて、すみずみまで読みました。

年末調整をするか? 確定申告をするか?

よく、「療育手帳のコピー」が必要ですか?と質問されますが、法律上は「不要」です。

しかし、自己申告とはいえ、確認のためにコピーをつけるように言われることが多いです。

勤め先からコピーを出すように言われて、それに抵抗がなければ、年末調整で障害者控除をやってしまうのが楽です。

一方、勤め先に提出したくないと言っても、受け付けてくれない場合や、そもそも抵抗があるのであれば、年末調整では障害者控除はやらずに、確定申告をするという手もあります。

年末調整:扶養控除等申告書の書き方

では、年末調整をする場合です。

所得税では、扶養控除は16歳以上(平成13年1月1日以前生まれ)だけが対象となっています。

しかし、障害者控除については例外で、16歳未満(平成13年1月2日以後生まれ)であっても対象となります。

平成28年分の給与所得者の扶養控除等(異動)申告書の左下に「16歳未満の扶養親族」に関する欄があります。
マルフ1

ここにお子さんの名前・続柄(子、長男・長女など)、生年月日を記載します。住所は同居の場合は、「同上」と省略していただいて結構です。

マルフ2

平成28年中の所得の見積額も「0円」と念のため書いておきます。それ以外は空欄でも結構です。

マルフ3

(1)一般の障害者の場合

真ん中にある欄を使います。

マルフ4
ここでは、「右の該当する番号及び欄に〇を付け」とあるため、「1 障害者」の「1」に「〇」をつけます。

続けて、「()内には該当する扶養親族の人数を記入してください。」とあるので、1人なら「1」と書きます。

そして、右の方に「左記の内容」という欄があります。
マルフ5
ここには、

  1. 手帳の種類(療育手帳)
  2. A~Cなどの等級
  3. 交付年月日
  4. 子どもの名前

を記載します。

一般の障害者の場合は、療育手帳BやCと書いたり、東京都なら愛の手帳3度や4度と書きます。

ここに詳細を書くので、療育手帳のコピーを提出する必要はないのですが、年末調整をする側としても間違えてはいけないので、確認のためにコピーをくださいということは多いです。

(2)同居特別障害者の場合

特別障害者で、かつ、同居している場合には、下記のように「同居特別障害者」の欄に書きます。
マルフ7

「同居」が重要な情報なので、「左記の内容」に「同居」あるいは「同居あり」などと書いておくとよいでしょう。
マルフ6

特別障害者の場合は、療育手帳Aと書いたり、東京都なら愛の手帳1度や2度と書きます。

障がいの有無と程度は12月31日で判断

障害者控除は、平成28年12月31日時点の状況で判断されます。

そのため、手帳を取得する予定の場合は、できれば12月までに取得することをおススメします。

あくまで手帳がないとできないわけではないのですが、あった方が証明しやすいためです。

また、一般の障害者と同居特別障害者では、

【障害者控除】
一般の障害者(療育手帳B・C)
所得税:27万円

同居特別障害者(療育手帳A)
所得税:75万円(=40万円+35万円)

と、所得税だけ見ても48万円の差(所得税率が10%なら約5万円、20%なら約10万円の影響)があるので、全然違います。

(参考)翌年1月に特別障害者と判定されたのに、12月も同程度として同居特別障害者として障害者控除ができた話

ちょっと特殊なケースですが、我が家の話です。

うちの子は、最初、療育手帳Bだったのですが、途中でAに変わりました。

ただ、タイミングが悪く、検査が12月だったのですが、入院して受けられず、翌年1月初めに検査をしてAと診断されました。

そうすると、12月31日現在では、療育手帳の上では「B」だったんですね。

最初、住んでいる市から「療育手帳は12月時点でBなので、同居特別障害者はできません」と、住民税の増額になりました。

しかし、翌年1月に診断されたものがちょっと前の12月と障がいの程度が大きく変わるわけがないと思って、市の担当者に電話で交渉しました。

少しケースは違うのですが、次のような取扱いがあるため、これを根拠に交渉しました。

国税庁|No.1186 身体障害者手帳等の交付を申請中である場合の障害者控除の適用について

しかし、これは身体障害者の方向けの話だということで、あんまり役に立たなかったのですが、話をしているうちに、障害者控除自体は12月31日時点の「実態」がどうかであり、検査ができずに手帳が書き変わっていないことをもって受けられないのは確かにおかしいと、担当者の方も非常に人間的な判断をしていただいたからでした。

そもそも療育手帳を取得していることが条件ではないのですからね。

本当にこういう制度の世界は、知っているかどうか、そして、ダメ元だとしても、子どものために行動するかどうかで変わるものだとつくづく思います。

この記事が多少なりともお役に立てたら幸いです。

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