2018/01/240 Shares

太陽光発電の売電収入に関する税金と確定申告まとめ

この記事では太陽光発電設備を自宅の屋根やカーポートの屋根に設置した方へ、確定申告が必要かどうか、どうやって計算するのか、といったことについて、よくある質問をまとめてみました。


1.「売電収入」自体に税金がかかるの?

太陽光発電

答え:太陽光発電の売電収入から「必要経費」を差し引いた金額=雑所得に対して、原則として税金がかかります。

売電収入-必要経費=雑所得

売電収入は「通帳に入ってくる入金額」ですが、雑所得はそこから「必要経費」を差し引きます。

必要経費は、例えば減価償却費や支払利息などが該当します。

したがって、「売電収入 > 雑所得(売電による利益)」となります。




2.売電収入について「確定申告」をしなくていいのはどういう場合?

答え:一般的に、次の場合には会社員の給与は年末調整で所得税の計算が完了し、太陽光発電の売電収入について、「所得税の確定申告」をする必要はありません

つまり、利益が出ていてもその部分だけは税金を払わなくていいので、「所得税」が節税になります。

  1. 給与総額が2,000万円を超えないこと
  2. 住宅ローン控除(初年度)医療費控除等によって確定申告(還付申告)をしないこと
  3. 給与所得・退職所得以外の所得が年間20万円以下であること

代表的なものとして、3つをあげました。

1つでも該当すれば、申告は必要です。

つまり、家を建てたり買ったりして住宅ローン控除をする最初の年は、2番目に該当するので、必ず太陽光発電の売電収入が1円でもあれば、確定申告をすることになります。

なお、所得税の確定申告は不要制度がありますが、「住民税の申告」については市町村ごとに異なりますが、原則として不要制度はありません。最後の8番目の質問(「住民税の申告」はどうなりますか?)で解説します。




3.2番目の質問で「給与所得・退職所得以外の所得」とありますが、具体的にはどういうものがありますか?

答え:次のようなものがあります。

  • 太陽光発電の雑所得(これだけで20万円超えれば申告必要です)
  • 生命保険などの一時所得(支払った保険料を差引き後)
  • 公的年金・企業年金などの雑所得

なお、1番目の質問(「売電収入」自体に税金がかかるの?)に対する答えに書いたように、「雑所得」や「一時所得」など、「所得(=収入-必要経費)」の合計で考えるので、入金額そのものではありません。必要経費を差し引いた後で考えます。




4.必要経費」にはどんなものがありますか?

答え:次のようなものがあります。

  • 太陽光発電システムの減価償却費
  • 太陽光発電システムの購入に対する借入金(ローン)利子

このほか、全量売電(全量買取)の場合には、パワーコンディショナーのための電気代が経費算入できます。ふつうの自宅で利用する電気代とメーターが分かれていて、区分ができる場合はもれなく入れましょう。

また、パワーコンディショナーが壊れた時の交換費用なども対象ですが、それは10年くらい後の話となるので忘れないようにしましょう。

5.「減価償却費」とはなんですか?

答え:太陽光発電のためには、ソーラーパネル(太陽電池モジュール)、パワーコンディショナーなどの設備が必要となりますが、このような設備は、一定期間に少しずつ必要経費(=減価償却費)にしていきます。

法律上は、通常、「17年」で毎年少しずつ減価償却費にすることとされています。

太陽光発電設備は、減価償却費の計算上「機械装置」に分類され、その耐用年数は、減価償却資産の耐用年数等に関する省令別表第二の「55前掲の機械及び装置以外のもの並びに前掲の区分によらないもの」の「その他の設備」の「主として金属製のもの」に該当し、17年となります。減価償却資産の耐用年数が17年の場合、定額法の償却率は「0.059」です。

出典:光市/太陽光発電による売電所得の申告について

例えば、170万円なら1年間で17分の1の「10万円」となりますが、実際には「0.059(定額法)」という割合を掛けて計算します。

170万円×0.059=100,300円

でほぼ同じですね。

初年度は月割計算が必要になりますので、4月から発電を開始したならさらに9/12を、12月なら1/12を掛けます。

170万円×0.059×9/12=75,225円

170万円×0.059×1/12=8,358円

ただし、余剰売電(余剰買取)の場合には、「自家消費(自分で使った分)」と「売電」に同時に使うので、全部を必要経費にすることはできません。次の6番目の項目(余剰売電の時に「自家消費」と「売電」に分ける基準はありますか?)で説明しているように、自家消費分を除く必要があります。

一方、全量売電(全量買取)の場合には、そのままでOKです。

注意:屋根と一体になっているソーラーパネル葺きの場合は、「機械装置」ではなく「建物」と同じものとみて、例えば「木造住宅」なら建物の耐用年数が「22年」と税務署から言われたという情報が寄せられています。税務署に確認するのも1つです。

6.余剰売電の時に「自家消費」と「売電」に分ける基準はありますか?

答え:唯一絶対の基準はありませんが、合理的な基準を使って計算するのが一般的な考え方です。

例えば、

方法1:電力会社からの明細を利用する

方法2:太陽光発電モニターで自家消費分と売電分を1年分集計する

のような方法が考えられます。

他にもあるかもしれませんが、いずれにしても適当な割合で「えいやー」とやるのではなく、「自家消費30%、売電70%」とした場合に、どうしてそんな割合になったのかがちゃんと説明できるようにしましょう。

例えば、売電割合が70%なら、100,300円×70%=70,210円が必要経費となります。

7.ローン返済の元本部分は必要経費になりませんか?

答え:雑所得で必要経費になるのは、利息部分のみです。

「業務用資産(=太陽光発電設備)」の購入のための借入金など、「業務のための借入金の利息」は必要経費となります。

「なぜ元本部分は必要経費にならないの?」と聞かれると、「お金を借りた時に「売上」とか「収入」になりますか?」と逆に質問するようにしています。

つまり、200万円のローンを借りたら200万円の収入があるとは考えないのに、毎年20万円返済したら、20万円の必要経費にしたいと考えるのはおかしいということです。

当然ですが、対象になるのは太陽光発電システムの購入のための借入金利息だけです。

住宅ローンの利息はまた別物です。

ただ、家も太陽光発電設備の分も両方を1本の住宅ローンでまかなっていると計算がややこしくなりそうですね。

住宅ローン控除はどうするのだろうかとか、ややこしくなるので、それ以上は税務署にでもご相談ください。

また、6番目の質問(余剰売電の時に「自家消費」と「売電」に分ける基準はありますか?)と同様に、余剰売電の場合には、自家消費分と売電分は分ける必要があります。

8.「住民税の申告」はどうなりますか?

答え:「給与・退職所得以外の所得の合計が年間20万円以下」の場合には、所得税の確定申告が不要となる制度があります。

しかし、住民税については申告不要制度がないため、住民税の申告が必要となります。

売電所得が黒字の場合は、売電所得以外の所得と併せて、確定申告または市・県民税の申告をする必要があります。売電所得が20万円以下で確定申告が不要な場合(売電所得以外の所得が、「年末調整済の給与」のみ等)についても、市・県民税の申告は必要です。

出典:光市/太陽光発電による売電所得の申告について

手続きについては、お住まいの市町村にご確認ください。

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