2017/10/052 Shares

ビットコインの利益に税金はかかる?仮想通貨の確定申告の注意点

この記事では、ビットコインなどの仮想通貨(暗号通貨)に対する利益にどんな税金がかかるのか、そして確定申告の注意点をご紹介します。


ビットコインで儲かったら所得税と住民税が課税!

国税庁は、公式ホームページ(タックスアンサー)の「ビットコインを使用することにより利益が生じた場合の課税関係」の中で、所得税に関する取扱いを公表しました。

 ビットコインは、物品の購入等に使用できるものですが、このビットコインを使用することで生じた利益は、所得税の課税対象となります。

このビットコインを使用することにより生じる損益(邦貨又は外貨との相対的な関係により認識される損益)は、事業所得等の各種所得の基因となる行為に付随して生じる場合を除き、原則として、雑所得に区分されます。

所得税が課税されれば、ふつうは「住民税」も同時に課税の対象となるので、ビットコインを使用することで生じた利益があれば、それは所得税と住民税の課税対象になります。

ビットコインの利益は何所得?

ビットコインの税金

ビットコインは最悪の「雑所得」に!

さて、今まで明らかになっていなかったのは、所得税がかかるだろうけど、一体「何所得?」という点でした。

ビットコインを使用することにより利益が生じた場合の課税関係」では、原則、雑所得に該当することを明らかにしたわけですね。

そしてこれは、「最悪の所得区分」です。

雑所得は、「総合課税」といって、他の総合所得(配当所得、不動産所得、事業所得、給与所得、総合譲渡所得、一時所得)と合算されて、所得税では超過累進税率(5%~45%)が適用されます。

だから、会社員なら給料とビットコインの利益を合算して考えます。

住民税の税率10%(一律)を合わせると15%~55%です(あと復興特別所得税も少しあります)。

儲かれば儲かるほど税金が高くなる仕組みですね。

ビットコインで「億(おく)り人(びと)」も誕生しているようですが、半分は税金でしょうね。

一方、損をしたときも、ビットコイン同士の損益や他の総合課税の雑所得(太陽光発電の売電収入はいけそうだ)でしか相殺(=内部通算)ができません。

「申告分離課税」になるFX(外国為替証拠金取引)や株式と相殺(=損益通算)はできないのです。給料と相殺することもできません。

また、損失が出ても翌年以降に繰越して翌年以降の利益との相殺(=繰越控除)もできません

つまり、利益が出たら出ただけじゃんじゃん取ろうとするのに、損失が出ても知らんぷりなのです。

これが最悪の課税方法、「雑所得」です。

だから税金に詳しい人は「会社」で仮想通貨をやって不利にならないようにしていたりします。

ビットコインの利益は譲渡所得にはならないの?

ビットコインは株式投資とかと同様に、「譲渡所得になって余地もあるんじゃないの?」と言っていた人もいました。

損失は損益通算や繰越控除に使えるし、50万円の控除もあるし、というものでした。

・・・残念ながら、国税庁の公式見解は「雑所得」または「事業所得」でした。

 ビットコインは、物品の購入等に使用できるものですが、このビットコインを使用することで生じた利益は、所得税の課税対象となります。

このビットコインを使用することにより生じる損益(邦貨又は外貨との相対的な関係により認識される損益)は、事業所得等の各種所得の基因となる行為に付随して生じる場合を除き、原則として、雑所得に区分されます。

ちなみに国税庁の公式見解といっても法律ではないので、守る義務はないのですが、守らないということは、国税庁とケンカする(最後は裁判へGO)ことになるので、よほど理論武装しないと余計な税金を払って終わりです・・・。

確かにビットコインの価格は上がったり下がったりと投資というより投機的な感じで、FXっぽいですよね。

実はFXも昔は今回のビットコインと同様に、雑所得の総合課税・超過累進税率、損失の損益通算と繰越控除がなかった時代がありました。

そのため、今後、法律が改正されて、ビットコインがFXと同じ区分になる可能性はあるかもしれません。

ビットコインの利益が事業所得になる場合とは?

ちなみに、「事業所得等の各種所得の基因となる行為に付随して生じる場合」って何?となるわけですが、これは自営業(個人事業主)が接待で寿司屋とかの飲食店に行って、そこでビットコイン決済する場合がメインです。

飲食店でビットコイン決済した時には、それって「あなたの事業をやるついでに出た利益だから、「事業所得」だよね」という意味です。

あとは、ビックカメラで事業用資産(業務用のパソコンとかソフトとか)を買うときとかでしょうか(意外とあるかも)。

したがって、それ以外の会社員、公務員(やっていいのかな?)、パート、アルバイト、学生、主婦・主夫は、原則、雑所得です。

よく考えたら太陽光発電の売電収入も似たところありますね。

確定申告の注意点

ビットコインの税金

確定申告のタイミングは?

原則として、翌年3月15日までに所得税の確定申告が必要です。

平成29年(2017年)中に利益が発生したなら、確定申告は平成30年(2018年)3月15日(木)までです。

もうけが20万円以下なら確定申告不要?

所得税については、会社員などで確定申告しない人については、20万円以下まで確定申告をしなくていいというルールがあります。

これは納税者も税務署もお互いに手間を省きましょうという例外中の例外です。

ビットコインの収入から必要経費を引いた金額(他にも太陽光発電の売電収入など給料以外のもうけがあれば合計)が20万円以下の場合ですね。

しかし、医療費控除や住宅ローン控除の1年目を行うために確定申告をする人にはこの20万円ルールがないので、たとえ1円でも利益が出ていたら行うルールとなっています。

よくこのルールについて「20万円まで控除されます」と書いている人がいますが、そういうことではありません。

そして、住民税については、財源の関係から手間がかかってもお金が欲しいということで、この申告不要制度がないので、会社員などで確定申告しない人だとしても、住民税の申告は必要ですが・・・実際にやっている人はいるんでしょうかね(だからやらなくていいわけでないです。。。)。

「ビットコインを使用することで生じた利益」の「使用」って何?

ビットコインの税金

 ビットコインは、物品の購入等に使用できるものですが、このビットコインを使用することで生じた利益は、所得税の課税対象となります。

このビットコインを使用することにより生じる損益(邦貨又は外貨との相対的な関係により認識される損益)は、事業所得等の各種所得の基因となる行為に付随して生じる場合を除き、原則として、雑所得に区分されます。

そもそも「使用」ってどういうケースなの?ということですが、要するに、「値上がりした利益」が確定する時点ですね。

  1. 売買でビットコインを日本円に換金した場合
  2. ビットコインで商品を購入した場合
  3. ビットコインとアルトコインをトレードした場合
  4. ビットコインをバンドルカードへチャージした場合
  5. ビットコインを採掘した場合

逆に言えば、ただビットコインを「保有」し続ける限りは、値上がりしても確定していないので、課税できないということになります。

1.売買でビットコインを日本円に換金した場合

これは1番わかりやすいですね。

ビットコインを日本円に換金すると、ビットコインを最初に買った時から換金したときまでの値上がり益が確定するので、その段階で課税します。

  • ビットコイン⇒円

例えば、1BTC=10万円で購入したものが、15万円まで値上がりしたので換金したら、

15万円-10万円=5万円=ビットコインの使用による利益=雑所得

となります(手数料なども引いてOK)。

といっても、売買を繰り返してたりしたら、ちゃんと取引所は確定申告用の書類を出せるんでしょうかね。。。

2.ビットコインで商品を購入した場合

2番目は、ビックカメラとかで何か商品を買うとかですね。

「ビットコインで商品を購入すれば課税されないよ!」と思っていた方もいましたが、残念ながら、そうはいきません。

一度日本円に換金してそのお金で商品を買ったのと同じ状態ですから、課税の対象です(実際に換えるわけではないですが、そうしないと課税漏れになります)。

  • ビットコイン⇒パソコン購入
  • ビットコイン⇒円⇒パソコン購入

例えば、1BTCを10万円で購入して、1BTCが15万円になったときにビックカメラに言って15万円のパソコンを購入したら、「あんた15万円-10万円=5万円儲かってるじゃない」と言われて、5万円が課税対象になります。

15万円-10万円=5万円=ビットコインの使用による利益=雑所得

所得税は「円(お金)」でもらっているかは関係ありません。

「儲け」に対してかける税金なのです。

・・・え? モノ買っちゃったから税金払えないって?

あらまあ。

3.ビットコインとアルトコインをトレードした場合

3番目は、別の仮想通貨=アルトコインとトレードしたときですね。

これもまた、「円に換えていないから課税されない」という意見もありますが、一度日本円に換金してそのお金でアルトコインを買った状態と同じです(同様に、実際に換えるわけではないですが、そうしないと課税漏れになります)。

  • ビットコイン⇒リップルにトレード
  • ビットコイン⇒円⇒リップルを購入

※週刊税務通信3474号(平成29年9月18日)でも「トレードについて課税」という取材記事が載ってます。

・・・ただ、3番目については、「理屈ではそうかもしれないが、実務上無理では?」という指摘も多いです。

例えば、ビットコインからリップルに替えてさらにビットコインに戻したときに、その間の計算がちゃんとされているのかというものです。

特に仮想通貨を「複数の取引所」で買っている場合、どうやって計算するのでしょうね。

まあ、昔のFXと同じだと思いますが、平均単価を自分で計算するしかないですね。

こういうのを相談されても税理士泣かせだなと思うところです(税務署も大変ですね)。

4.ビットコインをバンドルカードへチャージした場合

「ビットコイン 節税対策」などで出てくる「バンドルカード(Visaプリペイドカード)」「wirex(ワイレックス)カード」にビットコインをチャージした場合も、同様に課税と考えられます。

これもいまだに節税対策としてサイトやブログで紹介されているのですが、チャージ段階で利益確定ですね。

  • ビットコイン⇒バンドルカードへチャージ
  • ビットコイン⇒円⇒バンドルカードへチャージ

・・・これまた税務署がわかるかどうかはさておき。

5.ビットコインを採掘した場合

最後に独特の制度である「採掘(マイニング)」もそうですね。

採掘によってもらった場合も報酬をもらったわけですが、他に分類できないので、同様に「雑所得」と考えられます。

・・・まあ、採掘が本業の人は事業所得ですが、そう簡単には認めてくれないでしょう。

ビットコインの必要経費は?

ビットコインの換金手数料なんかは必要経費になりそうですが、それ以外は・・・本とかセミナー代?

マイニングの設備投資の費用(あるいは減価償却費)とか電気代とかを経費にするんでしょうかね。誰が計算するのでしょう・・・。

いずれにしても、あんまり必要経費はなさそうです。

仮想通貨は全部同じだと思った方がいい

ビットコインの税金

ビットコインを使用することにより利益が生じた場合の課税関係」はタイトルが「ビットコイン」だから、他については取扱いが出てないんだよね?という意見もあるのですが、単に代表選手のビットコインを取り上げただけですので、税務署では全部同じだと思って取り扱うことになると考えられます。

ビットコインと他の仮想通貨に、何か違いがあるでしょうか?

・・・ないですよね。

まとめ

長々と書いてみましたが、要するに、ビットコインに対する税金は厳しいです。

儲かって税金の心配をしている人は良いですが、損を出している人は救済策は一切ありません。

・・・でも、実務上、何度も取引してたりすると、計算するのはかなり無理があるなあ、と思うところです。

 

ちなみに、国税庁がわざわざ「手の内」を明かしてきたということはどういうことかというと、過去にFXで確定申告をしていなかった人がたくさんして、脱税事件が頻発した反省を踏まえて、「みんな、税務署は雑所得で課税するからちゃんと自分で確定申告するんだよ(ニッコリ)」とやさしくいってるわけですね。

 

計算できるかすら微妙なのに困ったものです。

 

私は、金融商品をもつと絶対に損をするという自信(?)があるので、投資対象としてビットコインを持つつもりはないのですが、大手家電量販店のビックカメラや大手旅行代理店のエイチ・アイ・エスなどがビットコイン決済を導入しているので、「支払手段」としては今後も注目していきたいと思います。

※もっと具体的な計算や相談は、税理士のみが行える独占業務のため、たくさん利益が出た方は、ビットコインに詳しい税理士にご相談ください。

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