2018/09/193 Shares

自営業・フリーランスは国民年金の付加年金の加入がお得?メリットとデメリットを比較

【付加年金】

老後資金として自営業やフリーランスの方は「国民年金」を払うことになります。

でもそれだけでは足らないと不安に思っている方も多いのですが、なかなか知られていないのが「付加年金」です。

昔からあるので裏技でもなんでもないのですが、一般的にあまり知られていない隠れた制度です。

国民年金に毎月400円上乗せするだけで年金額がアップするので自己負担も少ないのに、将来受け取る年金がアップします。

保険料を10年払うごとに年金が月2,000円ずつ増えます。

メリットとデメリットをざっくり言うと次の通りです。

  • メリット:長生きすればするほどお得
  • デメリット:67歳まで生きないなら損

1.国民年金の付加年金とは?

1-1.付加年金の対象者

付加年金は、会社員・公務員(厚生年金加入者)ではない第1号被保険者が加入できる制度です。

一般的に自営業やフリーランスが対象になります。

  • 国民年金第1号被保険者
  • 任意加入被保険者(65歳以上の方を除く)

ただし、「国民年金基金」の加入者は付加年金に加入できません。

1-2.付加保険料の月額

第1号被保険者は、毎月16,340円(平成30年度)の国民年金保険料(定額保険料)を納付します。

希望者はさらに毎月400円の付加保険料を納付することができます。

1-3.付加年金額の計算方法

そして65歳になると、付加年金がもらえます。

付加年金=200円×納付期間の月数

参考 付加保険料の納付のご案内|日本年金機構




2.国民年金の付加年金のメリット

なんだたったの「200円」か、と思うかもしれませんが、実際に計算してみるとバカにできない金額になります。

(例1)付加保険料を10年間納付した場合

支払う付加保険料の総額

400円×120か月=4万8,000円

もらう付加年金

  • 1年間:200円×120か月=2万4,000円
  • 2年間:4万8,0000円(元が取れる)
  • 10年間:24万円(19万2,000円の得)
  • 30年間:72万円(67万2,000円の得)

(例2)付加保険料を40年間納付した場合

支払う付加保険料の総額

400円×480か月=19万2,000円

もらう付加年金

  • 1年間:200円×480か月=9万6,000円
  • 2年間:19万2,0000円(元が取れる)
  • 10年間:96万円(76万8,000円の得)
  • 30年間:288万円(268万8,000円の得)

65歳で付加年金をもらい始めて、2年後の67歳でいきなり元が取れます。

その後は、長生きすればするほど得をするのが付加年金のメリットです。

国民年金だとだいたい8年くらいはかかると言われています。




3.国民年金の付加年金のデメリット

3-1.67歳まで生きないなら損

67歳で元が取れるということは、逆に言えば67歳まで生きなければもらえないということになります。

お金の損得で言えば、自分が67歳を超えて生きるかどうかでの判断になります。

・・・しかし、現在の最大のリスクは「自分が一体何歳まで長生きするかわからない点」にあります。

公的年金の最大のメリットは、「死ぬまで」払ってもらえる点です。

付加年金も死ぬまで年金がもらえる制度の1つなので、有効活用しましょう。

3-2.物価スライドがない

国民年金との違いでよく言われるのが「物価スライドがない」点です。

国民年金の場合、物価や賃金の増減に合わせてもらえる金額が変わるので、インフレになってももらえる金額が増えるので、インフレリスクに対応できます。

例えば、100円の魚がインフレで2倍の200円になったときに、もらう金額も2倍じゃないと生活に困るわけですね(実際の計算はそんな簡単ではありませんが)。

一方、付加年金は「200円×納付期間の月数」と決まっているので、インフレになってももらえる金額は増えません。

とはいえ、2年間もらえば後は利益なので、長生きする可能性が少しでもあればインフレリスクがあったとしてもお得と言えます。

逆に物価が下がった場合は実質増えるので、さらにお得です。




4.国民年金基金より付加年金+確定拠出年金がおすすめ!

国民年金基金」と併用できないのでどうしようという方もいるかと思います。

おすすめなのが「付加年金」と「確定拠出年金(iDeCo)」に入る方法です。

正直なところ、国民年金基金は積立不足を新規加入者に押しつける困った制度で、つぶれると1円ももらえないリスクがあります。

一方、確定拠出年金(iDeCo)は自分の分を自分で積み立てる制度です。

そこで、

  1. まず付加年金に加入する(月額400円)
  2. 確定拠出年金は自分の払える範囲で加入する(月額0円~67,000円※の範囲で)

のがおすすめです。

あるいは、「小規模企業共済」と組み合わせるのも1つの方法ですね(どちらかというと自営業向けの退職年金制度)。

関連 フリーランスの退職金は準備してますか?小規模企業共済の加入シミュレーション

※確定拠出年金は月額68,000円の上限がありますが、満額入っていると付加年金に入れません。月額67,000円までが上限になります。

参考 【iDeCo】国民年金保険料に加え、付加保険料(400円)も支払っていますが、確定拠出年金にも加入することはできますか?|よくある質問|楽天証券

5.国民年金の付加年金の手続

▼申請先

  • 市区役所・町村役場の窓口

▼申請方法

役所の職員さんに付加保険料を納付することを伝えると「国民年金付加保険料納付申出書(例)」がもらえます。

国民年金付加保険料納付申出書

出典:東京都中野区役所「国民年金「付加保険料」納付申出書」

▼持ち物(中野区の場合)

  • 年金手帳
  • (代理人の場合は)印鑑

▼記載項目(中野区の場合)

氏名、フリガナ、住所、生年月日、電話番号、基礎年金番号、届出人の署名(代理人の場合は押印も)

以上のように簡単な書類に記載することになります。

6.付加保険料の納付

付加保険料は申請した月の分から支払うことができます。

さかのぼって過去の分を納付することはできません。

なお、保険料を前払いする前納制度があります。

前納制度の詳細については「市区町村」にご確認ください。

払い方によって数十円~数百円安くなる場合があります。

支払方法は

  • 納付書(銀行・コンビニ)
  • 口座振替
  • クレジットカード決済

が選べます。

まとめ

将来が不安だからと民間の個人年金に入っている自営業の方に「付加年金」の話をすると、「何それ!」と驚かれます。

国もあまり宣伝していないせいかよく知られていません。

一方で、国民年金基金はTVCMもやっているのでそれを見て加入している方もいますが、老後にちゃんともらえるのかなと個人的には不安になるところです。

自分が長生きするかどうかを考えて、検討してみてください。

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