2017/03/261 Shares

徹底解説!源泉徴収票(27年分)の見方と損しないための12のチェックポイント


あなたの源泉徴収票、何か間違ってませんか?

年末調整が終わると勤め先から「平成27年分 給与所得の源泉徴収票」という小さな書類をもらいます。
源泉徴収票

しかし、独特のルールで書かれているため、いったい何を言っているかわかりづらいと思います。

・自分の「年収」はどこを見たらいいの?
・配偶者がいるのに「無」ってどういうこと?
・住宅ローン控除ってどこを見るの? これで合ってるの?

それどころか、「計算が間違っている」場合が意外と多いのに、気づかないで損をしていることもあるのが源泉徴収票の怖いところです。

・まさか!配偶者控除がやってない!?
・生命保険料がなんかおかしい!
・寡婦控除がない!

といったことも、経験上何度もありましたので、その経験を踏まえて源泉徴収票の見方とチェックすべきポイントを徹底解説します。

給料をもらう人なら知っておきたい源泉徴収票の見方です。

1.これが年収!(支払金額)

平成27年1月から12月までの間に、勤め先があなたに対して支払った毎月の給料、賞与の合計額です。税金や社会保険料が差し引かれる前のいわゆる年収(税込みの年収)ですね。
支払金額
今回は、
鈴木太郎:年収400万円(社会保険料56万円)
鈴木花子:年収120万円
※子どもはいない

という前提条件で計算していますが、独身の場合、子どもがいる場合、シングルマザー・シングルファザーの場合もフォローしています。

【チェック!】
(1)もし、1年分の給料明細を持っている方は、合計してみてください。合計したら合わない・・・なんてことはありませんか?

(2)中途入社の場合、前職分の年収も含まれていますか?

【合わない原因の例】
(1)通勤手当
一般的な通勤手当は、所得税の非課税となります。この金額は「支払金額」から除かれるので、1年分の通勤手当だけ合わないかもしれませんね。

(2)給料以外に税金がかかるもの
例えば表彰などの賞金がある場合も、税金がかかる場合があります。給料明細の金額を拾うときに、給料以外に税金がかかるものも含めてみましょう。

給料明細に、「課税対象金額」などと書いてあることもあります。

 

2.サラリーマンの必要経費(給与所得控除と給与所得控除後の金額)

自営業の場合、事業に必要な経費を収入から差し引きます。

では、給料をもらう人には必要経費は認められていないのでしょうか?

実は、給料をもらう人にも必要経費が認められていて、それを給与所得控除と呼びます。

これは、実際に使った金額ではなく、概算で一定の計算式によって機械的に決められています。

したがって、スーツ代やくつ代、カバン代なども、ある意味ではこの給与所得控除という形で必要経費になっているともいえます(しかも実際に使った金額より多くなる人の方が圧倒的に多いです)。

そして、「支払金額」から「給与所得控除」を差し引いた金額が、「給与所得控除後の金額」となります。
給与所得控除後の金額

【チェック!】
「給与所得控除後の金額」が合っているか、確認しましょう。

なお、給与所得控除については、計算式があります。

年収65万円以下
一律65万円

年収180万円以下
年収×40%

年収360万円以下
年収×30%+18万円

年収660万円以下
年収×20%+54万円

年収1,000万円以下
年収×10%+120万円

年収1,000万円超
年収×5%+170万円

こんな計算式を見たことがある方もいるかもしれません。

・・・しかし実は、年末調整の時には、年収660万円未満の人は、これは使いません。

特殊な表を使うため、この計算式に当てはめて計算した金額と違う金額が出るはずです。

詳しく根拠を知りたい方は「年末調整等のための給与所得控除後の給与等の金額の表」を見ていただければいいのですが、こんな感じで表になってます。
給与所得控除後の金額
年収(給与等の金額)を見て、ダイレクトに「給与所得控除後の金額」を出すようになってるんですね。

でも、ハッキリいって探すのが面倒なので、今回は、「税金計算機」という勝手に計算してくれるサイトがあったのでこれをご紹介します。

「給与収入」に源泉徴収票の「支払金額」を入力すると、次のようになりました。おお、簡単ですね。
チェック 給与所得控除後の金額
源泉徴収票と同じ「266万円」ですね。

【合わない理由】
普通の給与計算ソフトならありえないので、勤め先が「Excel」や「手書き」で作成している場合に起こります。

機械的に計算されるはずなのに、この金額が合っていない源泉徴収票を見たことがあって、愕然としたことがあります。

3.妻のパート収入はちゃんと65万円引いて書いた?(配偶者控除・配偶者特別控除関係)

さて、独身の場合は飛ばしてください。

寄り道をして次に「控除対象配偶者の有無等」と「配偶者特別控除の額」を見ます。
配偶者(特別)控除
まず、「控除対象配偶者の有無等」は、次を確認してください。

【チェック!】
(1)配偶者控除(年収103万円以下)の対象になる配偶者がいる。
→1番左の「有」に「*」などのマークがついている。さらに、「(摘要)」のところに配偶者の名前が書かれています。
摘要欄

(2)配偶者はいるが、年収103万円を超えていて、配偶者控除の対象にならない。
→「無」に「*」などのマークがついている。年収103万円超141万円以下の場合は、その隣の「配偶者特別控除の額」に金額が記載されています。

(3)配偶者はいない
→「無」に「*」などのマークがついている

(4)12月に結婚(入籍)していませんか?
平成27年12月31日現在で年収141万円以下の人がいれば「有」です。そうでなければ「無」です。

(5)12月に離婚していませんか?
平成27年12月31日現在でいなければ「無」です。前年のまま「有」になって引き過ぎになっている場合をよく見ます。

【要注意】
「所得の見積額」を「収入」で書いてしまうと、配偶者控除・配偶者特別控除の対象外になってしまう場合があります。「所得」は、パート収入程度の場合、収入から65万円を引いた金額となります。

例えば、妻がいて年収141万円以下なのに「有」に「*」などのマークがついていない人は、配偶者控除・配偶者特別控除の対象外として誤って計算されていまいます。

また、「従有」や「従無」に「*」などのマークがくる場合はほとんどありえません。

税金計算機」にも「配偶者控除計算」という場所があるので、ここに、「配偶者の収入」から「65万円」を引いた金額を入力してみましょう。年収103万円以下なら、2行目の「配偶者控除額(所得税)」は38万円と出るはずです。
チェック 配偶者控除

次に、年収103万円超141万円以下の場合、「配偶者特別控除の額」も確認してください。

【チェック!】
次の計算結果と「配偶者特別控除の額」は合っていますか?
チェック 配偶者特別控除
65万円を引いた金額を「配偶者の所得額」に入力します。

今回の例では、妻(鈴木花子)の年収が120万円なので、55万円が所得になります。

4.扶養している16歳以上の子どもや親(扶養控除関係)

続けて「控除対象扶養親族の数」にいきます。わざわざカッコ書きで「配偶者を除く。」とあるように、配偶者は含まれません(チェック3で出てきたからです)。ふつうは扶養控除の対象になる16歳以上の子どもや親の人数が入ります。
扶養控除
【チェック!】
(1)16歳以上の子どもなので、16歳未満の子どもの数は入りません。

(2)「特定」とは、19歳以上23歳未満の子ども(自分が扶養している子ども)の数が入ります。

(3)「老人」とは、70歳以上の人(同居や仕送りしている親や祖父母など)の数が入ります。

(4)「その他」には、扶養している16歳以上19歳未満、23歳以上70歳未満の人の数が入ります。

(5)「(摘要)」のところに扶養控除の対象となる16歳以上の親族の名前が記載されていますか?
摘要欄

税金計算機」にも入力してみましょう。

例えば、
17歳(高校2年生)の子1人→「一般」
20歳(大学2年生)の子1人→「特定」
同居している75歳の親1人→「同居老親」
がいると、次のようになります(いずれも扶養控除の対象になることが前提です)。
チェック 扶養親族

16歳未満の子どもはいませんか?

このブログの読者の方は、どちらかというと、16歳未満の子どもをお持ちの方が多いようですが、その場合は、左下の16歳未満扶養親族に人数が書かれています。
16歳未満扶養親族

また、真ん中の「(摘要)」とあるところに、子どもの名前に「(年少)」とカッコ書きがあるはずです。
摘要欄
これがないと、住民税の方に影響が出る場合があるので、必ず確認しましょう。

年末に生まれた子どももちゃんと入っていますか?

なお、残念ながら「税金計算機」では、16歳未満の人を入力する箇所はありません。

【要注意】
年齢は、平成27年12月31日時点で判断します。

例えば、16歳未満といっていますが、具体的には、平成12年1月2日以降に生まれた人が該当します。

逆に言えば、平成12年1月1日以前に生まれた人は、16歳以上なので、扶養控除の対象になります。

1月1日とか1月2日に生まれた人は、注意してください。

5.障害者手帳をもらったら(障害者控除関係)

真ん中には「障害者の数(本人を除く。)」とあり、障害の程度によって、「特別」か「その他」に人数が入ります。
障害者控除
【チェック!】
(1)16歳未満でも障害があれば障害者控除が受けられるので、ここに人数が入っている必要があります。

(2)障がいの程度に応じて、「特別」と「その他」を選んでいますか? 「特別」に該当するのは、

例えば、次のような方です。
・重度の知的障害者と判定された人
・精神障害者保健福祉手帳1級の人

・身体障害者手帳1級又は2級の人

(3)自分自身に障害がある場合は、下の方に「本人が障害者」の欄に「*」などのマークがついているはずです。やはり障害の程度に応じて、「特別」と「その他」を選びます。

6.年金・健康保険料(社会保険料控除関係)

「社会保険料等の金額」を確認します。
社会保険料控除
【チェック!】
(1)サラリーマンの場合は、自分が1年間に支払った厚生年金保険料、健康保険料、雇用保険料(40歳以上は介護保険料も)の合計額になります。公務員は共済ですね。正直、所得税と住民税を合わせた金額より高いんじゃないですか?? 税金より怖いですね。

(2)勤め先が個人事業の場合は、天引きではなくて、国民年金保険料・国民健康保険料を自分で納付しているという方もいるかもしれせんね。これも年末調整してもらってますか?

(3)中途採用されて、入社前に国民年金・国民健康保険に加入していたときの保険料も年末調整してもらってますか?

(4)20歳以上の子どもの国民年金保険料を払って年末調整した場合もここに合算されていますか?

(5)最近、じわじわひろがっている「確定拠出年金(日本版401k)」の掛金もここに入ります。企業型は給与天引きですが、個人型は控除証明書が送られて年末調整してもらっているはずなので、それが含まれていますか? 「内 ***,***円」と書かれているかと思います。

(6)前職分の社会保険料の金額も合算されていますか?

税金計算機」にも入力しておきましょう。
チェック 社会保険料控除

 

7.生命・医療保険、個人年金保険(生命保険料控除関係)

「生命保険料控除証明書」の金額をよくわからないまま書いたよ!という方が多いかと思いますが、計算が間違いやすいところでもあるので、確認したいところです。
保険料等

【チェック!】
(1)年末調整の書類と一緒に出しているため、もう忘れてしまった、という方も、「昨年」の源泉徴収票と比較して、大きく違うところはないか確認しましょう。ふつうは毎年そんなに大きく変わらないので、同じような金額が入っているはずです。

(2)新しく加入した保険があれば、増えていませんか?

(3)解約して保険料が減っていませんか?

(4)支払った保険料を通帳などから金額を拾ってくるのも1つの手です。

今回の例では生命保険料を払っていない前提ですが、例えば、こんな感じで「税金計算機」にも入力しておきましょう。新とか旧とかありますが、これは契約が平成23年までが旧、平成24年以降が新なので、最近加入したものは全部「新」です。
チェック 生命保険料控除

8.地震保険(地震保険料控除関係)

保険の最後は地震保険です。地震対策で加入しているわけですが、国がみんなにどんどん入ってもらいたくて、税金を安くすることで補助してくれるんですね。
地震保険料控除
【チェック!】
(1)最近加入したものは、「地震保険」なので、払った金額がそのまま「地震保険料の控除額」になります。

(2)家を購入した時には地震保険に加入することが多いので、漏れがないか確認しましょう。

今回の例では地震保険料の支払はないですが、例えば、次のように「税金計算機」にも入力しておきましょう。
チェック 地震保険料控除

9.配偶者と離婚・死別したら?(寡婦・寡夫控除関係)

さて、忘れがちなのが寡婦(かふ)控除と寡夫(かふ)控除です。どちらも同じ読み方をしますが、夫と離婚・死別して一定の条件を満たすと35万円または27万円控除できるのが寡婦控除、妻と離婚・死別して一定の条件を満たすと27万円の控除ができるのが寡夫控除です。
寡婦(寡夫)控除

【チェック!】
(1)「*」などのマークがついてますか?

(2)「寡婦控除」は、子どもがいて年収6,888,889円以下なら「特別」になってますか?

なお、「税金計算機」では残念ながら寡婦控除・寡夫控除に対応していません・・・。

10.いくら控除できた?(所得控除の額の合計額)

さて、3~9までの控除(=所得控除)を合計すると、「所得控除の額の合計額」になります。
所得控除の額の合計額

【チェック!】
税金計算機」の計算結果で確認してみてください。
チェック 所得控除の額の合計額
今回は「115万円」で源泉徴収票と一致しています。

これが違っていたら、

(1)自分の入力に誤りがあるか
(2)勤め先の計算に誤りがあるか
(3)「税金計算機」に誤りがあるか

のどれかです(当たり前ですね)。一致することを祈ってます。

11.がっつり還付された?(2年目以降の住宅ローン控除関係)

さて、最後に「2年目以降の住宅ローン控除」です(1年目は年末調整ではできないため)。

まずは、「(摘要)」のところある住宅借入金等特別控除可能額を確認しましょう。住宅ローン控除ができる最大の金額をあらわしています。
摘要欄
【チェック!】
(1)ふつうは、「住宅借入金等特別控除可能額」が住宅ローンの年末残高1%相当になっているはずです(100円未満切捨です)。

(2)借りた年によって、「1.2%相当」、「0.5%相当」、「0.4%相当」だったりするので、平成23年より前に住宅ローン控除を受け始めた方は、国税庁の「No.1213 住宅を新築又は新築住宅を取得した場合(住宅借入金等特別控除)」の下の方にある表で確認してください。

(3)「居住開始年月日」がおかしくないかも確認しておきましょう。

「計算された所得税」「住宅借入金等特別控除可能額」を比べて、いずれか小さい方の金額が「住宅借入金等特別控除の額」、つまり所得税から引くことができる住宅ローン控除の金額となります。
住宅ローン控除
【チェック!】
(1)「源泉徴収税額」が0円の場合

「住宅借入金等特別控除可能額」よりも所得税の方が小さかったので、所得税だけでは引ききれず「0円」になりました。まだ住宅ローン控除ができる金額が残っているため、住民税が減額されます(平成28年6月以降に反映)。

例えば、
住宅ローンの年末残高が2,000万円
住宅借入金等特別控除可能額が1%相当で20万円
所得税が8万円だとすると、
所得税の8万円までしか引けないので、住宅ローン控除の金額は8万円になります。

残った12万円は、平成28年6月以降に天引きされる住民税を減らしてくれますが、還付ではないので、わかりづらいですね。

(2)「源泉徴収税額」が1円以上の場合

「住宅借入金等特別控除可能額」に一致するはずです。この場合、所得税だけで全額引くことになります。

例えば、
住宅ローンの年末残高が800万円
住宅借入金等特別控除可能額が1%相当で8万円
所得税が10万円だとすると、
住宅ローン控除の金額は8万円になります。
源泉徴収税額は、大体、10万円-8万円=2万円に近い金額になります。

なお、「税金計算機」では残念ながら住宅ローン控除に対応していません。

12.1年間に払った所得税は?(源泉徴収税額)

いよいよ最後です。これがあなたが平成27年に支払う「所得税」です。
源泉徴収税額

【チェック!】
(1)「税金計算機」の計算結果で確認してみてください。
チェック 源泉徴収税額
今回は源泉徴収票と同じ7万7,000円で一致していますね。

さらに参考までに、平成28年6月ごろ以降に支払う毎月の住民税額も出してくれています。この場合は、月13,200円くらいが住民税となります(住んでいる自治体によって変わります)。

(2)給料明細の「所得税」の合計額から源泉徴収票の「源泉徴収税額」を引いてみてください。それが年末調整の「還付金額(又は徴収金額)」となるはずです。

鈴木太郎さんの年収と税金・社会保険料はいくら?

年収400万円
所得税77,000円(27年中に天引き)
住民税158,500円(28年6月以降に天引き)
社会保険料560,000円(27年中に天引き)

年収400万円の鈴木太郎さんは、税金と社会保険料で約80万円(全体の20%も!)も天引きされることが分かります。

手取りは約320万円です。

年末調整が誤っていた場合

残念なことに、これらのチェックポイントを確認した結果、誤りが発見されるかもしれません。

選択肢は、

(1)1月中なら勤め先に再度、年末調整をしてもらう(結構、嫌がられます)

(2)確定申告(還付申告)をする

の2択です。

確定申告(還付申告)をする場合は、

(1)自分で確定申告書を作成する
国税庁の「平成27年 確定申告書等作成コーナー」が公開されているので、これで行えます。e-Tax(電子申告)は面倒なのでおススメしません。紙で印刷して提出しましょう。

(2)自分には無理!
「給与所得の源泉徴収票」と「印鑑(シャチハタは×、認印はOK)」とその他(漏れていた生命保険料控除証明書など)を税務署や確定申告の無料相談コーナー(自治体に確認してみてください)に行く

の主に2択です。

年末調整後、「源泉徴収票」はどこへ行くのか?

さて、源泉徴収票ですが、実は、あなたが住んでいる市区町村に行きます。

それをもとに、住民税が計算されるのですね。

確定申告をした場合も、税務署から市区町村にその情報が行くことになります。

6月ごろから住民税が変わるのもこのためです。

保育料の計算も住民税ががっつり関係してきますので、誤りがあったら正しいものにしましょう!

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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