この記事では令和2年分の確定申告で配偶者控除または配偶者特別控除をしたい方へ
- 必要書類
- 確定申告書の具体的な書き方
- 税務署への申請方法
をご紹介します。
確定申告書は国税庁の「確定申告書等作成コーナー」で無料で作成することができます。
この記事ではパソコン画面での操作方法をご紹介しています。
令和2年分の所得税の確定申告書の提出期限は令和3年3月15日(月)までです。
ただし、令和元年分はコロナの影響で4月中旬まで延長されたので、今年もどうなるかはわかりません。
なお、申告書の提出は「郵送」による提出も可能です。
税務署に行かなくてもOKなので活用しましょう。
また、確定申告をするとふるさと納税のワンストップ特例申請が「なかったこと」にされるので要注意です。
ふるさと納税も含めてこの記事では解説します(ふるさと納税をしていない場合はその部分だけ読み飛ばしてください)。
※そもそも配偶者控除がよくわからないという方や配偶者特別控除とどう違うの?という方は、下記の記事も合わせてお読みください。
関連 共働きでも配偶者控除は使えるの?産休・育児休業中は節税のチャンス!
※還付を受ける申告は原則5年間有効ですが、住民税の計算を考えると3月中に申告を終わらせることをおすすめします。
関連 還付を受けるなら1月1日から5年間還付申告が可能!でも3月15日までがおすすめな理由
もくじ
もくじ(読みたいところへ飛べます)
配偶者控除の必要書類
必要書類一覧
確定申告書を作成する前にまずは必要書類を用意しましょう。
配偶者控除・配偶者特別控除、どちらも同じです。
- 給与所得者の源泉徴収票(勤め先)※提出不要
- 配偶者の給与所得者の源泉徴収票 ※提出不要
- (ふるさと納税をする場合)寄附金の受領証明書(各自治体)
- 個人番号カード(マイナンバーカード)または通知カード
他に必要なもの
このほか
- 還付金を受け取る銀行口座の通帳
- 印鑑(シャチハタ以外。認印も可)
も用意しましょう。
ネットバンキングの一部には利用できないものもあるのでご注意ください。
- 利用OK:新生銀行、楽天銀行、ソニー銀行、住信SBIネット銀行、ジャパンネット銀行
- 利用不可:セブン銀行、じぶん銀行、大和ネクスト銀行
郵送で提出する場合
税務署に郵送で提出する場合は、さらに
- 提出用の封筒と切手(レターパックがおすすめ!)
- 返信用封筒(A4が横三つ折りで入る長3封筒など)
- 84円切手(返信用封筒に貼る)
もご用意ください。
個人的には郵便局やコンビニで買えるレターパックライトがおすすめです。
確定申告書の作成準備
国税庁の「確定申告書等作成コーナー」のページを開き、「作成開始」を選びます。
▼税務署への提出方法の選択
- e-Taxで提出(マイナンバーカード方式)
- e-Taxで提出(ID・パスワード方式)
- 印刷して提出
の3種類が選べますが、今回は紙で提出する「印刷して提出」を前提に進めます。
▼推奨環境の確認
次のページでOS、ブラウザ、PDF閲覧ソフトの確認をします。
- OS:Windows 8.1、Windows 10
- ブラウザ:Internet Explorer 11、Microsoft Edge 86、Firefox 82、Google Chrome 86
- PDF閲覧ソフト:Adobe Acrobat Reader DC
最新版を利用していれば特に問題ありません。
良ければ右下の「利用規約に同意して次へ」を選びます。
▼作成する申告書等の選択
まず「令和2年分の申告書等の作成」を選んで、その下に出てくる「所得税」をクリックします。
次の画面で「作成開始」を選びます。
▼申告される方の生年月日
自分の生年月日を入力します。
▼申告内容に関する質問
今回の確定申告についていくつか質問に答えていきます。
今回は「給料のみ(年末調整済み)」で「配偶者控除」と「ふるさと納税」を受ける場合を想定しています。
念のため1つ1つの質問を確認して、違う部分がある場合は違う回答を選びましょう。
(例)
これで事前準備は完了です。
給料情報の入力
ここから給料に関する情報を入力していきます。
「給与所得の源泉徴収票」を用意しましょう。
▼源泉徴収票の入力
「入力する」を選びます。
「源泉徴収票」を見ながら
- 支払金額
- 源泉徴収税額
の2つの金額を入力します。
今回は年末調整で配偶者控除も配偶者特別控除も受けていない前提のため、「(源泉)控除対象配偶者の有無等」、「配偶者(特別)控除の額」の欄は何も記載されていないかと思います(「なし」を選ぶ)。
※下記の入力はあくまで例です。ご自身の源泉徴収票をよくご確認ください。
それ以外の欄も順番に入力します。
※所得金額調整控除は年収850万円超で扶養している子どもや障害者がいる場合に該当することがあります。
▼給与所得の入力内容確認
念のため、「源泉徴収票」と合っているか確認してから「次へ進む」を選びましょう。
▼扶養控除の入力
配偶者以外の家族(例:子ども、親)を扶養している場合に入力します。
氏名・続柄・生年月日を入力します。
障害者に該当する場合は選択します。
16歳未満の子どもを入力する場合は次のように「確認」が出るので「はい」を選びます。
入力内容を確認しましょう。
▼収入・所得金額の入力
今回は「給料のみ」を想定しているため、次のようになります。
右下の「入力終了(次へ)」を選びます。
これで給料に関する情報の入力は終了です。
※ほかにも収入・所得がある場合は入力します。
ふるさと納税情報の入力
ある場合のみ、ふるさと納税の情報を入力します。
ない場合は飛ばして次へ行ってください。
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ふるさと納税の「寄附金の受領証明書」をすべて用意してください。
▼寄附金控除等の入力
「入力する」を選びます。
別画面が出てくるので、各項目を1か所ずつ入力していきます。
- 寄附年月日
- 寄附金の種類(「都道府県、市区町村に対する寄附金(ふるさと納税など)」を選ぶ)
- 都道府県・市区町村の選択と名称
- 支出した寄附金の金額
※「寄附先の所在地」と「寄附先の名称」は自動表示されます。
入力内容の一覧を見て、内容を確認します。誤りがあれば「訂正」をしましょう。重複している時は「削除」です。
※同じ自治体に何度も寄付している場合は下の「同じ寄附先をもう1件入力する」を選んで手間を省きましょう。
入力内容がよければ次に進みます。
▼計算結果確認
原則として「寄附金額-2,000円」が「所得控除」として表示されます。
今回は30,000円-2,000円=28,000円となっています。
「次へ進む」を選んで、ふるさと納税は終わりです。
配偶者情報の入力
配偶者控除・配偶者特別控除について情報を入力します。
配偶者控除・配偶者特別控除の隣にある「入力する」を選びます。
▼配偶者(特別)控除の入力
配偶者に関する入力画面が出てくるので、順番に入力していきます。
- 配偶者の氏名:全角で入力
- 配偶者の生年月日:入力
- 配偶者の障害者の該当:該当する場合のみ選択
- 国外居住親族:配偶者が海外に住んでいるのみチェック
- 別居の該当:該当する場合のみ選択
- 配偶者の給与の収入金額:配偶者の「給与所得の源泉徴収票」の「支払金額」を入力
- 配偶者の公的年金等の雑所得の収入金額:配偶者の「公的年金等の源泉徴収票」の「支払金額」を入力
- 配偶者の上記以外の所得金額:「収入金額(いわゆる売上)」から「必要経費」を差し引いた後の利益を入力
▼所得控除の入力
「配偶者(特別)控除」に控除額が記載されています。
本人と配偶者の所得に応じて1万円~最大38万円のいずれかの金額になります。
※医療費控除をする場合もこの画面の「医療費控除」から入力しましょう。
入力方法は下記の記事を参考にしてみてください。
税額控除情報の入力
「政党等寄附金等特別控除」がありますが、ふるさと納税とは関係がないので右下の「入力終了(次へ)」を選びます。
▼計算結果の確認
「還付される金額」が表示されます。
その下の金額も念のため確認しましょう。
(1) 還付される金額が少ない場合はなぜか?
「思ったより節税額が少ない・・・」
と思われるかもしれません。
配偶者控除やふるさと納税は所得税だけでなく「住民税」も節税になります。
しかし「住民税で節税される金額」はこのサイトではわかりません。
住民税は市町村が計算するので「6月頃」にわかります。
(2) 還付される金額が「0円」の場合はなぜか?
また、還付金額が「0円」になる場合もあります。
もともと住宅ローン控除などで源泉徴収税額(天引きされる所得税)が0円になっている場合です。
ただし、所得税は還付されないものの住民税が節税になっている場合があります。
関連記事も合わせてお読みください。
関連 ふるさと納税で住民税が還付されるのはいつから?税額控除を確認する簡単な方法
基本情報の入力
最後に確定申告に必要な基本情報を入力します。
▼住民税等に関する事項の入力
次のいずれかに該当するものがあれば「住民税に関する事項」をクリックして入力します。なければ「入力終了(次へ)」を選びます。
- 給与・公的年金等に係る所得以外の所得がある方の住民税の徴収方法の選択
- 16歳未満の扶養親族がいる方の入力項目
- 別居の配偶者・親族がいる方の入力項目
※今回はすでに16歳未満の扶養親族の入力をしているのでそのまま進めます。
▼住所・氏名等の入力
還付口座の情報を入力します。
例えば「ゆうちょ銀行以外の銀行等へ振込み」をする場合は下記の画面が出ます。
郵便番号・住所を入力します。
申告書を提出する税務署は、住所から自動的に入力されます。
※「提出年月日」「整理番号」は空欄でも構いません。
氏名・性別・電話番号・世帯主の氏名と続柄を入力します。
次に進みます。
▼マイナンバーの入力
個人番号カード(マイナンバーカード)または通知カードにある12桁の数字を入力します。
※最低でも「本人」と「配偶者」が表示されます。今回は16歳未満の子どもも入力しているので3人います。
※「生年月日」も念のためご確認ください。
これで基本情報の入力は完了です。
確定申告書の印刷方法
いよいよ確定申告書の印刷です。
「帳票表示・印刷」を選ぶとPDFファイルが出力されます。
※「確定申告書等作成コーナー」で作成すると、すべて「申告書B」で作成されますが、気にせず進めてください。
「帳票表示・印刷」を選ぶとPDFファイルが出力されます。
(1) 確定申告書B 第一表
【税務署に提出】
これがいわゆる確定申告書として有名な書類です。
右上に「印」と印鑑を押す欄があるので、シャチハタ以外で押印しましょう(実印ではなく認印でもOK)。
左下の「配偶者(特別)控除」、「寄附金控除(※ふるさと納税をする場合)」と右真ん中の「還付される税金」に金額が記載されているか確認しましょう。
(2) 添付書類台紙
【税務署に提出】
次に「添付書類台紙」があり、ここに
- マイナンバーに関する書類(コピー)
を貼ります。
マイナンバーに関する書類については、書いてある指示に従いましょう。
※源泉徴収票の原本は平成31年4月1日から提出不要になりました。
(3) 確定申告書B 第二表
第二表は「配偶者(特別)控除」の詳細について書かれている書類です。
【税務署に提出】
「配偶者(特別)控除」の欄に配偶者の情報が記載されているか確認しましょう。
ふるさと納税を受ける場合は
- 「寄附金控除に関する事項」
- 「住民税・事業税に関する事項」の「都道府県、市区町村分への寄附(特例控除対象))
も確認しましょう。
(4) 確定申告書B 第一表 控
「第一表」がもう一度出てきますが、これは「控用」です。
【税務署で押印】
これを提出すると、税務署から「収受印(しゅうじゅいん)」という受け取ったことを明らかにする印鑑を押してもらえます。
収受印は本来内容を証明するものではありませんが、多くの場合に内容を確認するものとして使われています。
(例)
- 児童手当の現況確認の証明書類
- 保育料の計算
- 住宅ローンの借換えの審査の際に「所得が証明できるもののコピーをください」と言われたとき
源泉徴収票の内容は、確定申告で内容が変わってしまうので利用できません。
必ず税務署には第一表の「控用」も提出しましょう。
なお、税務署に直接確定申告書を持参する場合には、その場で印鑑を押してもらえます。
郵送で送る場合、必ず自分の氏名・住所を書いた返信用封筒と切手(1枚なので定型郵便物なら84円で十分)も一緒に同封してください。
(5) 確定申告書B 第二表 控
「第二表」も「控用」が出てきますが、こちらは提出不要です。
手元に保管しておいてください。
(6) 提出書類等のご案内
「提出書類等のご案内」ではこれまで説明したことも含めて注意点が書かれています。
この用紙の提出も不要です。
ふるさと納税をする場合は「寄附金の受領証明書」の原本と一緒に提出しましょう。
郵送する場合は、右下に郵送先の税務署名・住所も印刷されるので、これを切り取って封筒に貼るだけでOKです。
「**税務署 行」の「行」は横に2重線を引いて「御中」とします。
なお、提出する税務署を間違えないようにしましょう。
近所だからといって、自分の住所を担当する税務署とは違う税務署に提出しても受け取ってもらえません。
郵送する場合は、右下に郵送先の税務署名・住所も印刷されるので、これを切り取って封筒に貼るだけでOKです。
「**税務署 行」の「行」は横に2重線を引いて「御中」とします。
申告書一式自体を郵送する場合は、マイナンバーがある関係からレターパックがおすすめです。
関連 レターパックライト・プラスならコンビニで!購入・支払方法の注意点まとめ
入力データの保存
印刷が終わったら、下記の画面に戻って「次へ進む」をクリックします。
「入力データを保存する」を選ぶと来年の確定申告用にデータを保存できます。
「入力したデータをダウンロード」すると「~.data」という名前のファイルがダウンロードされます。
こで全部終了です。
お疲れさまでした。
以上、配偶者控除・配偶者特別控除の確定申告書の作成方法について徹底解説しました。
所得税の還付は、早ければ数週間~1か月以内で銀行口座に還付されるかと思います。
まとめ
配偶者控除・配偶者特別控除に関する記事は、配偶者控除のカテゴリに整理していますので、あわせてご確認ください。
あなたの確定申告のお役に立てたら幸いです。
また、お得な節税方法として次の記事もご覧ください。
9 件のコメント
教えてください。
年金生活の夫婦です。奥さんの年金から天引きされている介護保険料は反映する項目はあるのでしょうか?
>けんさん
こんばんは。neronaです。
残念ながら反映する項目はありません。
介護保険料を支払った場合は社会保険料控除が
使えるのですが、「支払った本人」に限定されます。
年金から天引きされている場合は奥様が
支払をしているため大変残念ですが控除できるのは
奥様だけになります。むろん、奥様の税金がゼロ円の
場合は奥様でも控除が使えません。
早速のご返事をありがとうございました。
助かります。
こんにちは。
大変参考にさせていただいてます!
記事中に、“次に進むと税額控除等の内容が出てきますが、特に住宅ローン控除の初年度でもない限りは、そのまま特に何もせずに次に進みます。”
とありますが、
初年度というのは、今年住宅ローン控除の確定申告をする年ということでしょうか?
また、初年度だった場合、どういったことが必要となってくるのでしょうか。
ご回答いただけましたら幸いです。
よろしくお願いしますm(__)m
>まきさん
おはようございます!neronaです。
>初年度というのは、今年住宅ローン控除の確定申告をする年ということでしょうか?
その通りです。平成29年中に家を購入・新築して住んでいて住宅ローン控除を初めてする場合です。
>また、初年度だった場合、どういったことが必要となってくるのでしょうか。
住宅ローン控除に関する情報を入力する必要があります。
住宅ローン控除の入力方法はこちらの記事をご確認ください。
https://shokonoaruie.com/loankojo-kakutei/
お返事遅くなり失礼いたしました。
ご丁寧に回答していただきありがとうございます‼
大変参考になりました‼
>まきさん
こちらこそ、わざわざご連絡ありがとうございました^^
ねろなさん、今日はどうやって出勤してますかー!?
東海道線、動きません((((゜д゜;))))
>せんとらるさん
こんにちは。neronaです。
それは禁則事項です(*´-`)