2018/03/314 Shares

「医療費の通知」が確定申告で子育て世帯には使いものにならない件


1月4日に公表された国税庁「医療費控除に関する手続について(Q&A)(平成30年1月)」を読むと、真面目に「医療費の通知」を利用しようとするとバカを見るようなことばかりが書かれています。


「医療費の通知」と医療費控除について

平成29年分の医療費控除の変更点の1つとして、医療保険者(健康保険組合等)が発行する「医療費の通知(例:医療費のお知らせ)」を利用することで医療費控除の手間が一部省けるようになった・・・のですが、大変残念ながら、この「医療費の通知」は、特に子育て世帯にとっては事実上使いものにならない場合がでてきそうです。

医療費控除

その最大の原因は、「医療費の通知」が全部良いのではなくて、次の6つの項目が記載されていないとダメだと言っているからです。

  1. 被保険者等の氏名
  2. 療養を受けた年月
  3. 療養を受けた者
  4. 療養を受けた病院・診療所・薬局長の名称
  5. 被保険者等が支払った医療費の額
  6. 保険者等の名称

医療費の通知は全国不統一

そして、全国に3,000団体あると言われている医療保険者が発行する「医療費の通知」は、その様式がバラバラです。

さらにシステム対応の問題もあり、「被保険者等の氏名」などの6項目が網羅されていなかったりします。

この中で特に問題になりそうなのは、5番目の「被保険者が支払った医療費の額」です。

国税庁「医療費控除に関する手続について(Q&A)(平成30年1月)」の中では問7~11がこの「医療費の額」に関する説明となっています。

  • 問7:「医療費通知」に記載のない医療費の支払がある場合
  • 問8:医療機関の窓口で医療費の負担がない場合
  • 問9:補填された金額の「医療費通知」への付記方法
  • 問10:「医療費通知」に記載された負担額と実際の負担額とが異なるとき
  • 問11:記載されている医療費の額がいわゆる10割負担の額である場合

医療機関の窓口で医療費の負担がない場合

特に我が家のような子育て世帯に影響があるのが「問8 医療機関の窓口で医療費の負担がない場合」です。

<問8の問い>

私が住んでいる市では中学生以下である子の医療費について助成を受けることができ、市内の医療機関で診療や医薬品の処方を受けたとしても、窓口でこれらに対する費用の支払が全額免除されています。

一方、医療保険者から送付された「医療費通知」には、この助成により実際には負担していない医療費の額が自己負担額の欄(「被保険者等が支払った医療費の額」欄)に記載されていました

この場合であっても、「医療費通知」に記載のある自己負担額に基づいて医療費控除を受けることができるのでしょうか。

ざっくり言えば、子どもの医療費は市町村の助成によりゼロ円のはずなのに、「医療費の通知」には、実際には負担していない自己負担額もまるで支払ったかのように書いてあるわけです。

例えば我が家の場合は、隔週(多いと毎週)で病院・診療所に行くので、医療費は一切かかっていないにもかかわらず、医療費の通知はすごい明細になってます。

<問8の答え>

ご質問のように、一定の住民の方を対象として、医療機関での診療などに係る医療費の負担について市区町村において独自の制度に基づいて助成(自己負担額の減免)が行われている場合があります。

また、「医療費通知」に記載される「被保険者等が支払った医療費の額」は、医療保険者が作成時点で把握している情報に基づいて記載されているため、公費負担医療制度や市区町村による医療費助成、減額査定、未収金などが「医療費通知」に反映されない(つまり、「被保険者等が支払った医療費の額」から助成分が差し引かれずに記載されている)場合があります。

ところで、医療費控除は、その年中に実際に支払った医療費を対象に控除額を計算することとなりますので、ご質問のように窓口で自己負担額の減免があるにもかかわらず、その金額が「医療費通知」に反映されていない場合は、この減免分を除く実際に負担した医療費の額に基づいて医療費控除の額を計算することになります。

 

要するに、「1円も払ってない分は医療費控除の対象にならないから、それがわかるように自分で計算して書いておいてね」となります。

<問8の答え(続き)>

したがって、具体的には、「医療費控除の明細書」の「1 医療費通知に関する事項」のうち「(2) (1)のうちその年中に実際に支払った医療費の額」欄へ実際に支払った医療費の合計額を記載し、「医療費通知」に減免分がある旨を付記した上で、「医療費控除の明細書」と「医療費通知」を確定申告書に添付してください。

なお、上記のような窓口での医療費の減免のほか、事後的に給付を受ける医療費を補填する保険金などがある場合においても、支払った医療費の額からその医療費を補填する保険金などの額を差し引いて医療費控除の額を計算します。

医療費のお知らせ医療費のお知らせ02

窓口負担ゼロのものが大量にある場合には、計算ミスをしやすくなるので注意しましょう。




まとめ

このように、「医療費の通知」をそのまま使えるわけではなく、むしろ医療費の領収書と照合したうえで、加工しなければなりません。

個人的には平成29年分の確定申告(還付申告)では、従来通り「医療費の領収書」ベースで1つずつ行っていくのが漏れもなければスピードも大した変わらないののはないかと考えます。

関連 【画像あり】平成29年分 医療費控除の確定申告書の書き方と申請方法

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