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医療費控除を家族合算せずに「夫婦別々」に申請することはできますか?

医療費控除は原則10万円を超えないと利用できないため、なんとか10万円を超えるように「家族の医療費をまとめて合算」して医療費控除をするのが普通だと思います。

しかし、いろいろな事情(還付金は自分が受け取りたいなど)によってあえて夫婦別々に医療費控除を申請したいという方もいるようです。

結論から言えば、夫婦別々に申請することは可能です。

関連 【画像あり】平成29年分 医療費控除の確定申告書の書き方と申請方法

医療費控除は「家族まとめて合算」が有利な理由

例えば、

夫:12万円

妻:18万円

の医療費がかかったとします。

このとき、医療費控除は原則10万円を超えた分が所得控除できるので、

夫:12万円-10万円=2万円の所得控除

妻:18万円-10万円=8万円の所得控除

となります。

所得控除というのは、税率をかける前の金額を減らすためのものです。

実際の節税額は仮に税率を所得税と個人住民税合わせて20%くらいだとすると、

夫:2万円の所得控除×20%=4,000円の節税

妻:8万円の所得控除×20%=16,000円の節税

合計20,000円の節税

となります。

もしこれを家族で合算するとどうなるでしょうか。

ここでは夫が医療費控除をまとめて申請するとします。

12万円+18万円=30万円

30万円-10万円=20万円の所得控除

20万円の所得控除×20%=40,000円の節税

このように、家族で合算すると夫婦別々に申請するよりも明らかに有利です。

その原因は、夫婦別々に申請すると「10万円×2=20万円」を超えた部分にしか所得控除ができないからですね。

また、例えば次のような場合にも、

夫:6万円

妻:6万円

夫婦別々だと10万円を超えないのが、合算すると10万円を超えるため、医療費控除の申請が可能となります。

医療費控除申請の大原則は「誰が支払ったか?」

さて、いろいろな事情によって夫婦別々に申請したいというご夫婦もいるようなので続きを書くと、夫婦別々に医療費控除を申請することは可能です。

国税庁のタックスアンサー「No.1120 医療費を支払ったとき(医療費控除)」では、医療費控除について次のように書かれています。

1 医療費控除の概要

その年の1月1日から12月31日までの間に自己又は自己と生計を一にする配偶者やその他の親族のために医療費を支払った場合において、その支払った医療費が一定額を超えるときは、その医療費の額を基に計算される金額(下記3参照)の所得控除を受けることができます。これを医療費控除といいます。

2 医療費控除の対象となる医療費の要件

(1) 納税者が、自己又は自己と生計を一にする配偶者やその他の親族のために支払った医療費であること。

(2) その年の1月1日から12月31日までの間に支払った医療費であること(未払いの医療費は、現実に支払った年の医療費控除の対象となります。)。

赤字にした部分をよく見ていただきたいのですが、大事なのは「支払った」という部分です。

医療費控除を受けられるのは、あくまでも実際に医療費を支払った人なのです。

したがって、

  • 夫:自分の医療費は自分で支払った⇒夫が自分の分を医療費控除を申請
  • 妻:自分の医療費は自分で支払った⇒妻が自分の分を医療費控除を申請

は法律どおりといえます。

また、子どもの分の医療費を夫または妻が払ったなら、払った方が合算するのがルール通りとなります。

むしろ家族の医療費を合算するときに本当に医療費控除を申請する人が全員分払ってるかという問題があるんですが、ゴニョゴニョ・・・。

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ちなみに夫婦別々で申請するのは問題ないですが、年収が少ないとそもそも税金が発生しないため還付金自体がないのでご注意ください。

関連  年収60万円で働くパート・アルバイトでも医療費控除の申請で還付金がもえらますか?

医療費控除の有利不利はシミュレーションしないとわからない!

さて、医療費控除の有利不利は結構難しい問題です。

ネットで検索していると「年収が多い方が有利」だと書いているものがほとんどですが、「そうとは限りません」。

場合によっては家族合算して「年収が少ない方」が医療費控除を申請した方が良い場合もあります。

関連 10万円超でも医療費控除を「年収の高い人」がやると損をする場合

また、医療費が10万円以下であっても医療費控除ができる場合もあります。

関連 年間10万円以下でも医療費控除ができる共働き世帯の裏ワザ

結論から言えば、自分で計算(シミュレーション)してみないとわかりません。

次のツールも参考にしてみてください。

関連 所得税と住民税をシミュレーションするならこれ!無料税金計算ツール3選

まとめ

「neronaさん、我が家は夫が○万円で、妻が○万円で、医療費が○円ですが、どっちが有利ですか?」というコメントやメールをいただきますが、税金を具体的に計算する仕事は、無料の場合も含めて税理士にしかできない仕事です。

まあ、税理士事務所に頼むのはふつうの方にはとてもハードルが高いと感じるでしょうし、税理士は会社や個人事業者がメインの相手で、会社員や公務員に対しては「金にならない」のでやりたがらないということもあるでしょう。

そういう場合は、税理士会や銀行などで無料相談をやっているので、これを活用するのもありかもしれません。

税理士会の相談会に行ってみる(日本税理士会連合会)

また、ネット上では弁護士ドットコム株式会社が運営する「税理士に無料で相談「みんなの税務相談」 – 税理士ドットコム」でも相談ができるようになっています。

関連 税金に関する相談は税理士または最寄りの税務署へ

最後までお読みいただき、ありがとうございました^^ この記事はお役に立てましたでしょうか。感想や質問、お気づきの点があれば、「お問い合わせフォーム」やコメント欄からお気軽にご連絡ください。なお、コメント欄は私の承認後に表示されます。税金計算や具体的な有利不利の判断についてはこちらから

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