2017/09/297 Shares

「医療費控除の明細書」を領収書に替えて提出に!29年分の確定申告の注意点

平成29年分の医療費控除は、3つの変更点があります。

1つ目は、「領収書」の提出に替えて「医療費控除に関する明細書」の提出となった点です。

2つ目は、「医療費通知」によって記載事項が減った点です。

3つ目は、「セルフメディケーション税制(スイッチOTC医薬品の医療費控除の特例)」と選択制になったこと。

この記事では、1つ目と2つ目の変更点を中心に説明します。

3つ目については「セルフメディケーション税制とは?薬を買って新しい医療費控除で節税しよう!」の記事で詳しく書いています。

 

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「医療費控除の明細書」とは?

9月25日に「医療費控除の明細書」の「確定版」が国税庁から公表されました(案では「医療費控除に関する明細書」でした)。
医療費控除の明細書1

従来は、医療費の「領収書」を確定申告書と一緒に提出するのが一般的でした。

「医療費等の明細書」というものを確定申告書等作成コーナーでも作成できましたが、あくまで集計表のようなサブの位置づけでした。

しかし、平成29年分の確定申告から、医療費控除は領収書の提出に替えて、この「医療費控除の明細書」を確定申告書と一緒に提出します。これにより、メインに昇格しました。

「じゃあ、領収書はこれさえ出せば捨ててもいいの?」という点が気になりますが、この点については、最後に説明します。

「医療費控除の明細」の注意点

医療費の明細書は、3つのブロックに分かれています。

  1. 医療費通知に関する事項
  2. 医療費(上記1以外)の明細
  3. 控除額の計算

例年、1月初旬にExcelシートが公開されるので、それを使うのが1番です。

関連 わかりやすい医療費控除の確定申告書の作成方法【平成28年版】

「1 医療費通知に関する事項」

平成29年分から「医療費通知に関する事項」が新しく追加されました。

医療費控除の明細書2

  1. 医療費通知に記載された医療費の額
  2. 1のうちその年中に実際に支払った医療費の額
  3. 2のうち生命保険や社会保険などで補填(ほてん)される金額

について記載します。

医療費通知とは、次のような明細です。

医療費通知

出典:日立健康保険組合

「健康保険証」を発行する「健康保険組合」などの医療保険者は、今まで、一定期間の間に利用した医療費の明細を上記のような形で通知していました。

「医療費のお知らせ」などの名前はバラバラです。

しかし、医療費控除の際には、「領収書」を提出するのが原則だったため、今まで利用できませんでした。

従来の取扱い

出典:国税庁タックスアンサー

平成29年分からは、この明細を逆に積極的に利用することになったため、「1 医療費通知に関する事項」と優先して上の欄に載っています。

というわけで、健康保険組合などから「医療費のお知らせ」といった書類が届いたら、医療費控除で使えるので保管しておいてください。

「1 医療費通知に関する事項」に記入した「医療費お知らせ」などについては、確定申告書と一緒に提出する必要があります。

※といっても、記載方法の説明では、「医療費通知に記載された医療費の額は、実際に支払った金額と異なる場合がありますので、領収書をご確認ください。 」とあるので、領収書と見比べた方がいいですね。

なお、保険金や給付金(入院費給付金、出産育児一時金、高額療養費など)がある場合に、その金額を記入します。

「2 医療費(上記1以外)の明細」

医療費控除の明細書3

もう1つのブロックは、

  1. 医療を受けた方の氏名
  2. 病院・薬局などの支払先の名称
  3. 医療費の区分
  4. 支払った医療費の額
  5. 4のうち生命保険や社会保険などで補填(てん)される金額

となっています。

このうち特徴的なのは3番目の「医療費の区分」で、以前はただの「空欄」になっていて、実務上は具体的に書いている方もいました。それが今回から4つのうちどれかをチェックするだけですむようになりました。

  1. 診療・治療
  2. 医薬品購入
  3. 介護保険サービス
  4. その他の医療費

記載例としては、次のような場合に、

記載例1

下記のように「人」ごとに「病院」ごとにわけて記載していきます(同じ人が同じ病院にかかった分はまとめてOKです)。

記載例2

 

なお、質問をいただいていた「交通費」の書き方については、記載例が出ています。

交通費

医療費控除の明細書5

  • 医療を受けた方の氏名
  • 病院・薬局などの支払先の名称→JR,○○バスなどまとめて記載
  • 医療費の区分→「その他の医療費」をチェック
  • 支払った医療費の額→交通費の金額の合計を記載

となります。

3.控除額の計算

医療費控除の明細書4

最後の部分は指示に従って計算すればOKです。

医療費の「領収書」はどうなるのか?

さて、領収書の提出は原則不要となりましたが、捨てていいのでしょうか?

「医療費控除の明細書」の記入内容を確認するため、確定申告期限(3月15日)などから5年間、税務署から領収書の提示又は提出が求められる場合があります。

したがって、領収書は、「家」で保管することになります。

実は医療費控除の領収書というのは、税務署にとって「悩みの種」なのです。

というのもの、毎年大量の医療費控除の領収書が集まってきます。

何年分も保管しておかないといけません。

・・・そうです。

今回の変更により、税務署の倉庫を利用せずに、「納税者自身の家を倉庫」にできるわけですね。

ちなみに、平成29年分から平成31年分(元号変わってると思いますが)までの3年間については、医療費控除の明細書ではなく今まで通り医療費の領収書を提出してもOKです。

  • 平成28年分まで:医療費の領収書
  • 平成29年分~31年分:医療費控除の明細書が原則特例として医療費の領収書の提出もOK
  • 平成32年分~:医療費控除の明細書のみ

※「医療費通知」に書かれていた項目については、医療費の領収書の保管も不要とありましたが、正直、どれがどれだかわからなくなってくるので、いきなり捨てない方が無難だと思います。

最後に

医療費控除については、他の記事も参考にしてみてください。

関連 医療費控除とセルフメディケーション税制を併用する共働き夫婦の裏技

関連 わかりやすい医療費控除の確定申告書の作成方法【平成28年版】

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