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「医療費控除に関する明細書」を領収書に替えて提出に!29年分の確定申告の注意点

平成29年分の医療費控除は、3つの変更点があります。

1つ目は、「セルフメディケーション税制(スイッチOTC医薬品の医療費控除の特例)」と選択制になったこと。

こちらは「セルフメディケーション税制とは?薬を買って新しい医療費控除で節税しよう!」の記事で詳しく書いています。

2つ目は、「領収書」の提出に替えて「医療費控除に関する明細書」の提出となった点です。

3つ目は、「医療費通知」によって記載事項が減った点です。

この記事では、2つ目と3つ目の変更点を中心に説明します。

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「医療費控除に関する明細書」とは?

8月10日時点での「医療費控除に関する明細書」の「案」は次のとおりです。
医療費控除に関する明細書

注意書きがあるように、これはあくまで仮の段階で、今後、修正される可能性があります。

従来は、医療費に関する「領収書」を確定申告書と一緒に提出するのが一般的でした。「医療費等の明細書」というものを確定申告書等作成コーナーでも作成できましたが、あくまで集計表のようなサブの位置づけでした。

しかし、平成29年分の確定申告から、医療費控除は領収書の提出に替えて、この「医療費控除に関する明細書」を確定申告書と一緒に提出します。これにより、メインに昇格しました。

なお、左に「従来の医療費控除」、右に「セルフメディケーション税制による特例」となっていて、利用する方をキリトリ線で切り離して利用するようになっています。

「じゃあ、領収書はこれさえ出せば捨ててもいいの?」という点が気になりますが、この点については、最後に説明します。

「従来の医療費控除」の場合

一般的に医療費控除というと、この「従来の医療費控除」のことを指しており、年間の医療費が10万円を超えた場合に利用可能です。

従来の医療費控除

上の方を見ると、2つにブロックが分かれています。

従来の医療費控除2

「1 医療費通知に関する事項」「2 医療費(上記1以外)の明細」です。

「1 医療費通知に関する事項」

この「医療費通知に関する事項」が追加されたのが3つ目の変更点です。

医療費通知とは、次のような明細です。

医療費通知

出典:日立健康保険組合

「健康保険証」を発行する「健康保険組合」などの医療保険者は、今まで、一定期間の間に利用した医療費の明細を上記のような形で通知していました。

「医療費のお知らせ」などの名前はバラバラです。

しかし、医療費控除の際には、「領収書」を提出するのが原則だったため、今まで利用できませんでした。

従来の取扱い

出典:国税庁タックスアンサー

平成29年分からは、この明細を逆に積極的に利用することになったため、「1 医療費通知に関する事項」と優先して上の欄に載っています。

というわけで、健康保険組合などから「医療費のお知らせ」といった書類が届いたら、医療費控除で使えるので保管しておいてください。

「1 医療費通知に関する事項」に記入した「医療費お知らせ」などについては、確定申告書と一緒に提出する必要があります。

※といっても、記載方法の説明では、「医療費通知に記載された医療費の額は、実際に支払った金額と異なる場合がありますので、領収書をご確認ください。 」とあるので、領収書と見比べた方がいいですね。

「2 医療費(上記1以外)の明細」

従来の医療費控除2

もう1つのブロックは、

  1. 医療を受けた方の氏名
  2. 病院・薬局などの支払先の名称
  3. 医療費の区分
  4. 支払った医療費の額
  5. 4のうち生命保険や社会保険などで補填(てん)される金額

となっています。

このうち特徴的なのは3番目の「医療費の区分」で、以前はただの「空欄」になっていて、具体的に書くようになっていましたが、今回から4つのうちどれかをチェックするだけですむようになりました。

  1. 診療・治療
  2. 医薬品購入
  3. 介護保険サービス
  4. その他の医療費

・・・そもそもこの情報は必要なかったんじゃないかと疑いたくなりますね。

「セルフメディケーション税制による特例」の場合

セルフメディケーション税制

もう1つが「セルフメディケーション税制による(医療費控除の)特例」です。

様式が異なりますね。

セルフメディケーション税制の特例2

こちらも「1 申告する方の健康の保持増進及び疾病の予防への取組」「2 特定一般用医薬品等購入費の明細」の2つのブロックに分かれます。

「1 申告する方の健康の保持増進及び疾病の予防への取組」

セルフメディケーション税制は、

  1. 健康診査
  2. 予防接種
  3. 定期健康診断
  4. 特定健康診査
  5. がん検診

などの取り組みを行っている場合に使えます。1番簡単なのは予防接種や定期健康診断でしょう。

それを証明する書類を提出する必要があります。

  • インフルエンザの予防接種又は定期予防接種(高齢者の肺炎球菌感染症等)の領収書又は予防接種済証
  • 市区町村のがん検診の領収書又は結果通知表
  • 職場で受けた定期健康診断の結果通知表 (「定期健康診断」という名称又は「勤務先(会社等)名称」の記載があるもの)
  • 特定健康診査の領収書又は結果通知表 (「特定健康診査」という名称又は「保険者名(ご加入の健保組合等の名称)」の記載があるもの)
  • 人間ドックやがん検診を始めとする各種健診(検診)の領収書又は結果通知表

注意点は、予防接種などの費用自体はセルフメディケーション税制の対象にならないということです。

医療費の抑制をしたいなら、予防の費用こそ控除の対象にすべきだと思うのですが、おかしな話ですね。

「2 特定一般用医薬品等購入費の明細」

こちらは具体的な特定一般用医薬品等(スイッチOTC医薬品)の明細を書いていきます。

セルフメディケーション税制の特例2

  1. 薬局などの支払先の名称
  2. 医薬品の名称
  3. 支払った金額
  4. 3のうち生命保険や社会保険などで補填(てん)される金額

セルフメディケーション税制とは?薬を買って新しい医療費控除で節税しよう!」の記事で詳しく書いています。

医療費の「領収書」はどうなるのか?

さて、領収書の提出は原則不要となりましたが、捨てていいのでしょうか?

「医療費控除の明細書」の記入内容を確認するため、確定申告期限(3月15日)などから5年間、税務署から領収書の提示又は提出が求められる場合があります。

したがって、領収書は、「家」で保管することになります。

実は、医療費控除の領収書というのは、税務署にとって「悩みの種」なのです。

というのもの、毎年大量の医療費控除の領収書が集まってきます。

何年分も保管しておかないといけません。

・・・そうです。

今回の変更により、税務署の倉庫を利用せずに、「納税者自身の家を倉庫」にできるわけですね。

ちなみに、平成29年分から平成31年分(元号変わってると思いますが)までの3年間については、医療費控除の明細書ではなく従来通り医療費の領収書を提出してもOKとしています。

  • 平成28年分まで:医療費の領収書
  • 平成29年分~31年分:医療費控除の明細書が原則特例として医療費の領収書の提出もOK
  • 平成32年分~:医療費控除の明細書

※改正では、「医療費通知」に書かれていた項目については、医療費の領収書の保管も不要とありましたが、正直、どれがどれだかわからなくなってくるので、いきなり捨てない方が無難だと思います。

最後に

まだ新しいフォーマットが仮の状態なので、詳細が分かり次第、差し替えます。

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