答え:申請自体はできますが、還付金はありません。
実際に「税金計算機 | 所得税・住民税簡易計算機」でシミュレーションしてみました。
(例1)給料年収60万円・医療費控除なし
結果:所得税0円、住民税0円
(例2)給料年収60万円・医療費控除あり
結果:所得税0円、住民税0円
つまり、医療費控除をしても計算結果は変わらず、意味はありません。
もくじ
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医療費控除は「医療費」が還付されるわけではない!
よく誤解がありますが、医療費控除は払いすぎた「医療費」を還付してもらう制度ではありません。
医療費控除は「払った税金(所得税)」が還付されるか、「これから払らう税金(住民税)」が減額されるかのいずれかです。
しかし、パートやアルバイトの場合、年収60万円くらいだと所得税も住民税も発生しません。
所得税も住民税も発生しない方は医療費控除を申請できたとしても、還付も減額もないということです。
所得税は年収103万円超で発生
所得税はパートやアルバイトなどの給料の場合、年収103万円を超えないと発生しません。
年収103万円以下の方が医療費控除をしたとしても、所得税は「0円」なので、そもそも払いすぎた税金がありません。
このため、所得税について医療費控除を申請しても税金の還付はないということになります。
なお、源泉徴収票の「源泉徴収税額」が0円ではない方は、次の記事をお読みください。
関連 【源泉徴収票の見方】アルバイト・パートで年収103万円以下で働く場合のチェック方法
住民税は年収93万円~100万円超で発生
詳細は「所得税が0円なのに住民税が課税されたのはなぜ?100万円,97万円,93万円の壁に注意!」で書いていますが、年収93万円~100万円を超えると住民税が課税される場合があるので、医療費控除を申請する意味はあるかもしれません。
しかし、年収60万円の場合には、住民税も発生の余地がなく、「これから払う税金」がそもそもないため、医療費控除をしても減額することはできません。
そのため、冒頭のように医療費控除がいくらあっても税金計算に影響はありません。
まとめ
医療費控除は申請する前に、自分で計算(シミュレーション)するのをおススメします。
次のツールも参考にしてみてください。
関連 所得税と住民税をシミュレーションするならこれ!無料税金計算ツール3選
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