2018/10/172 Shares

【年末調整】夫と離婚した場合の寡婦控除の条件は?判定フローチャートと申請書類の書き方

年末調整や確定申告で漏れが多いのが「寡婦控除(かふこうじょ)」です。

区分 控除額
一般の寡婦 27万円
特定の寡婦
(特別の寡婦)
35万円

特にシングルマザー・母子家庭の方は「寡婦控除」を受けられる可能性が高いのに受けていないことが多いです。

また、「自分の親」を扶養している場合に受けられることもあります。

これを忘れると数万円~10万円くらい損をするので、過去の分も含めてご確認ください。

この記事では夫と離婚した場合について解説します。

  1. 寡婦控除が使えるかどうかの判定フローチャート
  2. 年末調整での申請書類の書き方

夫と死別(生死不明を含む)した場合については次の記事をお読みください。

関連 夫と死別した場合の寡婦控除の条件は?判定フローチャートと申請書類の書き方


1.寡婦控除の判定フローチャート【離婚編】

寡婦控除は「一般の寡婦」と「特定の寡婦」で条件が異なります。

フローチャートにすると次のとおりです。

離婚の寡婦控除

「扶養親族」または「同一生計の子ども」がいない場合は寡婦控除自体が対象外です。

この点が死別した場合の寡婦控除と異なります。

また、フローチャートのように年収が低いシングルマザーについては「特定の寡婦」として控除の金額が8万円多くなります。

1-1.一般の寡婦の条件

離婚後に再婚していない状態で次のいずれかに該当する女性は「一般の寡婦」に該当します。

  1. 親などの扶養親族がいる
  2. 同一生計の子がいる

ざっくり言えば親や子どもを扶養している場合です。

なお、「子ども」を扶養している場合は、次の「特定の寡婦」に該当する可能性が高いです。

(参考)扶養親族と同一生計の子

「扶養親族」とは、12月31日時点で次のすべての条件に該当する人です(年齢は関係ありません)。

  • 配偶者以外の親族
  • 同一生計で合計所得金額が38万円以下
  • 青色申告者の事業専従者としてその年を通じて一度も給与の支払を受けていないことまたは白色申告者の事業専従者でないこと

※16歳未満の子どもも条件を満たせば扶養親族に該当しますが、扶養控除の対象にはなりません。

「同一生計の子」とは、次の条件に該当する子どもをいいます。

  • 同一生計で総所得金額等が38万円以下
  • 他の人の控除対象配偶者や扶養親族になっていないこと

※合計所得金額と総所得金額等は厳密に言えば少し違いますが、給料のみなら年収103万円以下の場合が該当します。

1-2.特定の寡婦の条件

離婚後に再婚していない状態で次のすべての条件を満たす女性は「特定の寡婦」に該当します。

  1. 扶養親族である子どもがいる
  2. 本人の合計所得金額500万円以下(給料のみなら年収688万8,889円以下

一般の寡婦より厳しい条件であり、「子ども」がいることが大前提です。

特定の寡婦は親だけを扶養している場合は該当しません。

参考 No.1170 寡婦控除|国税庁




2.寡婦控除の年末調整での申請書類の書き方【離婚編】

年末調整の際には「扶養控除申告書」という書類を提出します。

寡婦控除

2-1.一般の寡婦の場合の申請方法

扶養控除申告書の真ん中に「C 障害者、寡婦、寡夫又は勤労学生」の欄があるので、「□ 寡婦」レ点をつけます。

一般の寡婦控除

次に「左記の内容」には

  1. 離婚
  2. 「自分」の所得の見積額
  3. 「扶養親族」または「同一生計の子ども」の名前と所得の見積額

と「一般の寡婦」に該当する事実を記載します。

<事例1> 子どもを扶養。自分の所得の見積額510万円

扶養控除申告書

※自分の所得の見積額が500万円超のため、特定の寡婦に該当しません。

<事例2> 親を扶養

扶養控除申告書

※「自分の所得の見積額」が関係あるのは「扶養親族の子ども」がいる場合のため記載していません。

(参考)「所得の見積額」

給料の年収から「給与所得控除」を引いた金額になります(給料のみの場合)。

給料の年収 給与所得控除
180万円以下 年収×40%
65万円未満なら65万円
180万円超 360万円以下 年収×30%+18万円
360万円超 660万円以下 年収×20%+54万円
660万円超 1,000万円以下 年収×10%+120万円
1,000万円超 220万円(上限)

年収300万円なら、

300万円-(300万円×30%+18万円)=192万円

となります。

あくまで「見積り」なので、毎月の給料やボーナス、あるいは前年度の年収からざっくり金額を予想してください。

2-2.特定の寡婦の場合の申請方法

真ん中に「C 障害者、寡婦、寡夫又は勤労学生」の欄があるので、「□ 特別の寡婦」レ点をつけます。

特定の寡婦控除

「”特定”の寡婦と”特別”の寡婦でなんか微妙に違う?」

とお気づきになったでしょうか。

下記の国税庁のホームページでは「特定の寡婦」と書いてあって、扶養控除申告書では「特別の寡婦」と書かれています。

参考 No.1170 寡婦控除|国税庁

いずれも同じものを指しているので、表現が微妙に違いますが気にしなくてOKです。

次に「左記の内容」には

  1. 離婚
  2. 「自分」の所得の見積額
  3. 「扶養親族である子ども」の名前と所得の見積額

と特定の寡婦に該当する事実を記載します。

<事例> 扶養親族である子どもがいて、自分の所得の見積額500万円以下

特定の寡婦控除




3.寡婦控除に関するよくある質問と回答

3-1.未婚・事実婚・同性婚でも寡婦控除は使えますか?

現在の法律では未婚・事実婚・同性婚の場合、そもそもパートナーと別れても離婚とはいえないため「寡婦」に該当しません。

法律上結婚して離婚することが大前提となります。

参考 裁決事例|寡婦控除の適用要件の一つである「夫」とは

3-2.65歳以上でも寡婦控除は使えますか?

平成17年から65歳以上を対象にしていた「老年者控除」が廃止され、代わりに「寡婦控除」の年齢制限がなくなりました。

そのため、条件を満たせば寡婦控除の対象になりますが、離婚の場合は扶養している人がいないと対象外になる点にご注意ください。

3-3.みなし寡婦とは?

「寡婦控除」とは関係ありませんが、自治体の中には行政サービスの利用対象者として「みなし寡婦」という制度を設けています。

例えば未婚のシングルマザーの方の場合でも保育料の減額をしている市町村もあります。

自分が住んでいる自治体ごとに異なるため、ご確認ください。

参考 横浜市 寡婦(夫)控除のみなし適用のご案内




まとめ

夫と離婚した場合の寡婦控除について説明しました。

もし年末調整で申請するにあたってよく分からない場合は勤め先に相談しましょう。

また、過去に寡婦控除が使えるのに知らなかった場合は、過去にさかのぼってできる可能性があります。

こちらは年末調整ではなく確定申告が必要になるため、勤め先ではなく「税務署」にご相談ください。

 

その他の年末調整の情報については下記のまとめページをご覧ください。

年末調整書類の書き方まとめ

この記事はお役に立てましたでしょうか。感想や質問、お気づきの点があれば、「お問い合わせフォーム」やコメント欄からお気軽にご連絡ください。なお、コメント欄は運営者の承認後に表示されます。

税金計算や扶養の具体的な有利不利の判断についてはこちらから

この記事が気に入ったら
いいね ! しよう