2018/03/017 Shares

平成32年分の年末調整から「給与所得者の基礎控除申告書」が登場!ほぼ全員が対象に

平成30年度税制改正により、平成32年分の所得税から年末調整で新しい申告書が必要となります。

その名も「給与所得者の基礎控除申告書」です。

これは「基礎控除」の見直しによるもので、年末調整の書類は

▼平成29年分年末調整まで2種類

  1. 給与所得者の扶養控除等(異動)申告書
  2. 給与所得者の保険料控除申告書兼配偶者特別控除申告書

▼平成30年分年末調整から3種類

  1. 給与所得者の扶養控除等(異動)申告書
  2. 給与所得者の保険料控除申告書 ※
  3. 給与所得者の配偶者控除等申告書 ※

※配偶者控除・配偶者特別控除の改正により分離・新設

▼平成32年分年末調整から4種類

  1. 給与所得者の扶養控除等(異動)申告書
  2. 給与所得者の保険料控除申告書
  3. 給与所得者の配偶者控除等申告書
  4. 給与所得者の基礎控除申告書 ※

※基礎控除の改正により新設

となります。

さらに5種類目の申告書も準備されています。

このほか、「2年目の住宅ローン控除」のための申告書もあります。

関連 2年目の住宅ローン控除の年末調整の必要書類と住宅借入金等特別控除申告書の書き方の見本

※平成32年は元号が変わってあり得ませんが、現時点では元号が分からないのでこのままいきます。2020年の東京オリンピックの年からです。





平成32年分から基礎控除見直しで控除額は0円~48万円に!

10万円引上げで48万円を控除

まず、働き方の多様化を踏まえ、様々な形で働く人を応援するなどの観点から、平成30年度税制改正で見直しが行われます。

  • 給与所得控除や公的年金等控除の控除額:10万円引下げ
  • 基礎控除の控除額:38万円⇒10万円引上げで48万円

これにより、フリーランス・個人事業主で働いている人たちにとっては減税効果があります。

高所得者への所得制限(逓減・消失方式)が導入

また、高所得者にまで税負担の軽減効果があるのはおかしくない?という指摘などを踏まえて、その人の所得に合わせた控除額に基礎控除が見直されます。

具体的には、合計所得金額2,400万円(給与だと年収2,595万円)を超える高所得者については、基礎控除の控除額が少しずつ減って(逓減)、合計所得金額2,500万円(給与だと年収2,695万円)を超えると0円(消失)となります。

【基礎控除の控除額】

基礎控除の見直し

出典:「平成30年度税制改正(案)のポイント」(平成30年2月発行) : 財務省

新しい基礎控除は0円~48万円の控除に

その結果、基礎控除の控除額は一律38万円だったのが、10万円引き上げられると同時に高所得者は最終的に0円になるので、平成32年分以降は次のようになります。

  • 合計所得金額2,400万円以下:48万円[A]
  • 合計所得金額2,400万円超2,450万円以下:32万円[A×2/3]
  • 合計所得金額2,450万円超2,500万円以下:16万円[A×1/3]
  • 合計所得金額2,500万円超:0万円

年末調整で基礎控除を受けるには「基礎控除申告書」の提出が義務!

一般の人には合計所得金額2,400万円(給与だと年収2,595万円)なんて関係ないので何の影響がないと思うかもしれませんが、実は年末調整では関係があります

なぜなら年末調整で税金の計算が完結する人がたくさんいるからです。

このため、年末調整で基礎控除の適用を受けるためには合計所得金額の見積額などを記載した「給与所得者の基礎控除申告書」を提出しなければならないとしています。

【新設】所得税法195条の3(給与所得者の基礎控除申告書)

1 国内において給与等の支払を受ける居住者は、第190条(年末調整)に規定する過不足の額の計算上、同条第2号ホに掲げる基礎控除の額に相当する金額の控除を受けようとする場合には、その給与等の支払者(2以上の給与等の支払者から給与等の支払を受ける場合には、主たる給与等の支払者)からその年最後に給与等の支払を受ける日の前日までに、次に掲げる事項を記載した申告書を、当該給与等の支払者を経由して、その給与等に係る所得税の第17条(源泉徴収に係る所得税の納税地)の規定による納税地の所轄税務署長に提出しなければならない

一 当該給与等の支払者の氏名又は名称

二 その居住者のその年の合計所得金額の見積額

三 その他財務省令で定める事項

2 前項の規定による申告書は、給与所得者の基礎控除申告書という。

【附則15条】(給与所得に係る源泉徴収に関する経過措置)

2 新所得税法第195条の3の規定は、平成32年1月1日以後に支払を受けるべき給与等について提出する同条第2項に規定する給与所得者の基礎控除申告書について適用する。

出典:所得税法等の一部を改正する法律案

まだ国会で審議中なので「仮」ですが、今のところねじれ国会でもないので普通にこのまま法案が通ると思います。

まとめ

ほとんどの人は意味がない書類ですが、年末調整の担当者にとっては悩みの種となるかもしれません。

利用するのは平成31年分の年末調整でおそらく「平成32年分 扶養控除等(異動)申告書」と一緒に先行して提出することになると思いますが、今後も最新情報が届き次第、この記事は更新していきたいと思います。

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