2017/11/159 Shares

「平成30年分 扶養控除申告書」の具体的な書き方を徹底解説

この記事では、「平成30年分の給与所得者の扶養控除等(異動)申告書」について、具体的な記入例をもとに簡単に書けるように徹底解説しています。

平成29年分の年末調整で配布される書類の1つとなります。

h30扶養控除申告書

平成29年度税制改正で「配偶者控除」と「配偶者特別控除」が改正され、「平成29年分」と「平成30年分」の扶養控除申告書の様式が異なるため、記事を分けています。

平成29年分の扶養控除申告書については、下記の記事をご覧ください。

「平成29年分 扶養控除申告書」の具体的な書き方を徹底解説

その他の書類は次の記事をご覧ください。

関連 「平成29年分 保険料控除申告書」の具体的な書き方を徹底解説

関連 「平成29年分 配偶者特別控除申告書」の具体的な書き方を徹底解説

関連 2年目の住宅ローン控除の年末調整の必要書類と住宅借入金等特別控除申告書の書き方の見本【平成29年版】

平成30年分 給与所得者の扶養控除等(異動)申告書の記入例

年末調整は、実質的には「書類の提出」しかすることがありません。

年末調整の仕組み

だからこそ逆に、書類を正しく書くことが重要になります。

1.『勤め先』の基本情報(30年分)

(1)「    税務署長」

氏名住所欄

1番左上にはあなたの『勤め先』の所在地(住所)を担当している税務署名を書きますが、一般的にはあらかじめ勤め先が印字しています(納税地の所轄税務署長)。ただし、よくわからなければ空欄のままでOKです。

例えば、麹町税務署が担当なら「麹町」などと記載します。

ここで『あなた』の住んでいる地域を所轄する税務署長名を書くのは誤りです。この書類は、建前としては「勤め先の所轄税務署長」に提出する書類だからです(実際には勤め先で保管します)。

関連 扶養控除等申告書・住宅借入金等特別控除申告書の「税務署長」の欄は何を書く?

(2)「    市区町村長」

こちらは『あなた』の住んでいる市区町村名を書いてください。ここもよくわからなければ、空欄のままでもOKです。

例えば、「東京都板橋区」に住んでいれば「板橋」と記載すればOKです。

こっちはなぜ『勤め先』ではなく『あなた』の住んでいる市区町村名を書くのかと言えば、この書類が「あなたの住民税」の計算のための資料でもあるからです。

(3)「給与の支払者の名称(氏名)」

右に移ります。

氏名住所欄

会社なら会社名、個人事業者なら屋号やその個人の氏名を書きます。

(4)「給与の支払者の法人(個人)番号」

ここは、書いてはいけません。

勤め先が書く欄です。間違っても、自分の個人番号(マイナンバー)を書いてはいけません。

(5)「給与の支払者の所在地(住所)」

会社の場合、本社とか支社とか営業所とかいろいろあるとどこの住所を書けばいいか迷いますが、基本的には「本社の住所」を書くべきです。ここもまた、よくわからなければ空欄でもいいですし、勤め先が最初から印字している場合も多いです。

繰り返しになりますが、(1)~(5)は、間違っていても年末調整の計算自体に直接影響はありません。

わからなかったり、自信がなければ空欄で結構です。勤め先に確認しましょう。

2.『あなた』の基本情報(30年分)

そのまま右に移ります。
h30扶養控除申告書2

(6)あなたの氏名

田中一郎さんなら、「田中一郎」と書いて、その上に「フリガナ」とあるので、「カタカナ」で「タナカイチロウ」と書いてください。

代理で他の人が名前を書いていいですか?という質問もよくありますが、本人が書きましょう。

(7)(印)

一般的には、シャチハタではないハンコ(印鑑)を押します。

これまた、本人がこの書類を書いたという証明のためにハンコを押しますので、シャチハタは避けた方が無難です。

ちなみに、よくある誤りが、1番右上の「給与の支払者受付印」にも押すパターンですが、押してはいけません。間違って押してしまった場合は、斜線(「/」)でも引いて消しましょう。

(8)あなたの個人番号(マイナンバー)

勤め先の指示に従ってください。 

ここは、勤め先ごとに異なります。既に他の手段でマイナンバーが収集されている場合には、「書かないでください」と指示が出ることでしょう。

(9)「あなたの住所又は居所」、「あなたの生年月日」

平成30年1月1日現在の住所を書きます。

※年末迄に引っ越す場合は新しい住所を書きます。

また、生年月日は「和暦」で書きます。

(9)「世帯主の氏名」、「あなたとの続柄」

世帯主が自分の場合は、「世帯主の氏名」は自分の名前、「あなたとの続柄」は「本人」となります。

h30扶養控除申告書3

妻が書くときには、世帯主が夫の場合は「夫の名前」を書いて、続柄は「夫」や「配偶者」とします。親の場合は「親の名前」と「親(または父親・母親)」と書きます。

(10)「配偶者の有無」

上の段のブロックの右上ですが、配偶者控除を受けられるかどうかは関係なく、配偶者がいれば「有」に「〇」をつけて、いなければ「無」に「〇」をつけます。

(11)「従たる給与についての扶養控除等申告書の提出」

基本的に、この欄は使いませんので「空欄」のままでOKです。

念のため解説すると、もし、あなたが「2か所」で働いていて、メインの勤め先とサブの勤め先があったとします。

メインの勤め先で扶養控除などの所得控除が控除しきれない場合には、サブの勤め先でも「従たる給与についての扶養控除等(異動)申告書」を提出することで、配偶者控除や扶養控除ができます。この書類を出したときに「〇」をつけます。
従たる給与申告書

・・・ただ、2か所で働いているとしても、なかなかこの手続きをする方は少なく、たいていは確定申告をしてます。

というわけで、基本的には使わない欄だと考えます。

3.源泉控除対象配偶者と控除対象扶養親族(30年分)

(12)A 源泉控除対象配偶者 NEW

平成29年度税制改正で平成30年分以降の「配偶者控除」と「配偶者特別控除」が大きく見直されたため、この欄が大きく変わりました。

源泉控除対象配偶者

新しく「源泉控除対象配偶者」という言葉ができましたが、具体的には次のような条件を満たす配偶者です。

【あなたの条件】

  • 平成30年中の所得の見積額が900万円以下の人(例:給与年収1,120万円以下)

【配偶者の条件】

  • あなたと生計を一にする配偶者
  • 平成30年中の所得の見積額が85万円以下の人(例:給与年収150万円以下)
  • 青色事業専従者として給与の支払を受ける人や白色事業専従者でないこと

所得で900万円を超える方は、給与年収1,120万円を超える高年収の方なのであまりいないかもしれませんが、配偶者の条件にある所得85万円が重要です。

給料だけもらっている場合、給与年収150万円以下の方が対象になります。

以前は「103万円の壁」といって、給与年収103万円以下の場合にしかここに書けなかったのですが、対象者が拡大しました。

「所得」というのは収入から必要経費を差し引いた金額を書くのですが、パートやアルバイトなど給与の場合は、収入から65万円を引いた金額(マイナスなら0円)を書いておいてください。

例えば、

  • 年収150万円の見込み⇒所得85万円
  • 年収129万円の見込み⇒所得64万円
  • 年収103万円の見込み⇒所得38万円
  • 年収70万円の見込み⇒所得5万円
  • 年収40万円の見込み⇒所得0円

と、65万円を引いた金額となります。今回は150万円-65万円=85万円を記載しています。

h30扶養控除申告書4

ただし、ネットビジネスをやっているような場合は考え方が異なるため、「「所得の見積額」に年収を書くのはバツ!正しい計算方法と書き方をご紹介」をあわせてお読みください。

また、「共働きでも配偶者控除は使えるの?産休・育児休業中は節税のチャンス!」の記事に書いたように、今まで共働きだから書いていなかった場合、実は使えるのに書き忘れることもあるので注意しましょう。

平成30年から産休・育児休業中となる場合は、配偶者控除や配偶者特別控除の対象になる可能性があります。

対象となる場合は、名前、フリガナを記載してください。

※個人番号(マイナンバー)については勤め先の指示に従ってください。

また、住所は同居しているなら「同上」、つまりあなた自身と同じ住所ということが分かるように書いておけばOKです。

あくまで見込みなので、「配偶者控除で年収103万円超でないことを証明する必要はあるの?」の記事に書いたように、何か書類を出して証明する必要もありません。

 

※「非居住者である親族」と「生計を一にする事実」という欄は、配偶者が日本にいない場合(海外にいる場合)なので、特に何も書く必要はありません。

(13)B 控除対象扶養親族(16歳以上)

扶養控除については税制改正は影響がありません。そのため、従来どおりです。ただ、少し様式が変わっています。

h30扶養控除申告書6

扶養親族は年齢別に控除額が異なります。

  • 年少扶養親族(16歳未満):控除なし ※住民税の計算で利用
  • 一般の控除対象扶養親族(16歳~18歳):38万円
  • 特定扶養親族(19歳~22歳):63万円
  • 一般の控除対象扶養親族(23歳~69歳):38万円
  • 老人扶養親族(70歳以上):同居老親等58万円、その他48万円

パターン1:70歳以上の人を扶養している場合(老人扶養親族)

平成30年分では、昭和24年1月1日以前に生まれた人(70歳以上)が該当します。

関連 年金をもらう父親・母親で扶養控除する場合の注意点と所得の見積額

(1)同居老親等(老人扶養親族)

自分または配偶者の親・祖父母で、かつ、同居している場合は、「同居老親等」に「レ」をつけてください(今回から「○」ではなく「レ(チェック)」になっています。以下同じ)。

ここだけ同居しているかが重要になってきます。ふつうの38万円ではなく「58万円」の控除になります。
h30扶養控除申告書7
「同居」については、病気の治療のために入院していて別居している場合は、その期間が結果として1年以上の長期になっても同居とみてくれます。しかし、老人ホームなどへ入所している場合は、同居しているとはいえません。

(2)同居老親等以外(老人扶養親族)

扶養している人が親・祖父母以外だったあり、親・祖父母であっても別居の場合は「その他」に「レ」をつけます。ふつうの38万円ではなく「48万円」の控除になります。
h30扶養控除申告書8
別居していても仕送りをしているような場合には、親を扶養親族にできる場合があります(親の年金収入が158万円以下の場合など)。

パターン2:19歳以上23歳未満の人を扶養している場合(特定扶養親族)

平成30年分の場合は、平成8年1月2日以後平成12年1月1日以前生まれの人が該当するので、「レ」をつけます。
h30扶養控除申告書9
ちょうど大学生にあたる年齢のため、控除もふつうの38万円ではなく「63万円」と手厚くなっています。

逆に言えば、扶養親族になるためには、アルバイトなどで年103万円を超えないように注意する必要があります。

親が知らないうちにがんばってしまっている可能性もあります。

パターン3:パターン1・2に該当しない16歳以上の人を扶養している場合(一般の控除対象扶養親族)

「38万円」の控除となります。

平成30年分の場合、平成12年1月2日以後平成15年1月1日以前生まれ昭和24年1月2日以後平成8年1月1日以前生まれの人が該当します。

その他の条件は、配偶者控除と同じです。

特に「平成30年中の所得の見積額」は注意してくださいね。

なお、子どもの年齢が0歳以上16歳未満の場合も書く欄がありますが、後で出てきますので、もう少しお待ちください。

4.障害者、寡婦・寡夫、勤労学生(30年分)

(14)障害者

「障害者控除」を受ける場合に、記載する欄です。

『あなた』自身に障がいがある場合には、「本人」欄に「レ」をしてください。

例えば、障がいの程度が重度までいかない場合は、「一般の障害者」となります。

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平成30年分の所得の見積額が38万円以下の『同一生計配偶者』に障がいがある場合には、「同一生計配偶者」の欄に「レ」をしてください。

※「同一生計配偶者」とは、次の条件を満たした配偶者です。

  • 所得者と生計を一にする配偶者
  • 平成30年中の所得の見積額が38万円以下の人(例:給与年収103万円以下
  • 青色事業専従者として給与の支払を受ける人及び白色事業専従者でないこと

例えば、同居していて障がいの程度も重度の場合には、「同居特別障害者」となります。
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扶養控除の対象となる『自分の親・祖父母、子・孫』などに障がいがある場合には、「扶養親族」欄に「レ」をしてください。このとき、人数も書きましょう。

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そして、右の空欄に障害の状況を記載します。

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  • 対象者の名前
  • 障害の程度(障害の等級など)
  • 交付を受けている手帳などの種類と交付年月日

勤め先によってはあわせて障害者手帳のコピーの提出を求められると思いますので、指示に従ってください。

関連 療育手帳で障害者控除を受けるための扶養控除等申告書の書き方

(15)寡婦(かふ)・寡夫(かふ)

「寡婦控除」や「寡夫控除」を受けるために記載する欄です。

この2つは、あまり知られていないので、かなりマイナーな控除で、使えるのに使っていない場合も多いため、別の記事で詳細を書かせていただきました。

関連 寡婦(かふ)控除って何?シングルマザー(母子家庭)は要チェック!

関連 シングルファザー(父子家庭)が忘れがちな寡夫控除

結論としては、「レ」をつけるだけですが、条件がややこしいので記事をご確認ください。
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(16)勤労学生

「勤労学生控除」を受けるために記載する欄です。

勤労学生は、「小学校、中学校、高等学校、高等専門学校、大学の学生、国や地方公共団体、学校法人などが設立した専修学校、各種学校、または職業訓練学校のうち一定の要件を満たす学校の学生」を対象とした制度です。

学校の証明書を提出する必要があります。

多くの場合は、大学生本人がアルバイトをしている場合でしょうか。

ざっくり言うと、1年間のアルバイト代が130万円以下が条件です。

詳細は、下記の記事をお読みください。

関連 勤労学生控除と扶養控除は併用可能?本当の103万円の壁は学生にあり

5.他の所得者が控除を受ける扶養親族等(30年分)

マルフ15
夫婦共働きで16歳以上の扶養親族がいた場合、「あなた」の扶養にするか、「妻(または夫)」の扶養にするか、というときに、「あなた以外=妻(または夫)」の扶養にするときに書いてね、という欄ですが、一般的にはあまり書かない欄です。

6.【住民税】16歳未満の扶養親族(30年分)

これで最後です。

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平成30年分は、平成15年1月2日以後に生まれた親族(ふつうは自分の子ども)がいる場合には、ここに記入します。

ここは、「住民税に関する事項」とあるように、所得税ではなく、「住民税」の計算のために書きます。

最後に

以上で「平成30年分 給与所得者の扶養控除等(異動)申告書」の書き方は終了です。

あわせて次の記事もお読みください。

平成29年分「給与所得者の扶養控除等(異動)申告書」の具体的な書き方を徹底解説

h29扶養控除申告書

それ以外の書類については下記をお読みください。

平成29年分「給与所得者の保険料控除申告書」の具体的な書き方を徹底解説

平成29年分「給与所得者の配偶者特別控除申告書」の具体的な書き方を徹底解説

2年目の住宅ローン控除の年末調整の必要書類と住宅借入金等特別控除申告書の書き方の見本【平成29年版】

その他の年末調整の情報については下記のまとめページをご覧ください。

⇒ 平成29年分(2017年分)わかりやすい年末調整のしかた

 

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