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年末調整がネットで完結?2年目以降の住宅ローン控除が楽になる日は来るのか?

「年末調整」といえば、毎年11月から12月にかけて「紙」の書類を提出するのが常識でしたが、いよいよ国は「ネット」で年末調整を完結する方法を検討し始めました(8月14日日経新聞朝刊など)。

これにより、生命保険料控除や2年目以降の住宅ローン控除などの書類のやり取りが必須だった年末調整の手続きについて、インターネットで完結する仕組みとなり、従業員にとっても会社にとっても事務負担や書類の紛失ロスなどがかなり減るかもしれません。

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※1年目の住宅ローン控除は確定申告が必須なので、今回は関係ありません。

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お隣の韓国では既に紙からネットへ

本当に日本の行政におけるIT化は技術力があるのに遅れに遅れまくってますが、お隣の韓国では既に似たような制度が実用化されています。

政府の税制調査会の「第10回 税制調査会(2017年6月19日)資料」の「政府税制調査会海外調査報告(韓国)(説明資料)」では、韓国の事例が紹介されています。

従来は、日本の年末調整とほとんど同じように、従業員が生命保険会社などから控除証明書を集めてそれを会社に申告書と一緒に提出して、会社は年末調整をして還付したりしてたわけです。

【韓国の年末調整(年末精算)】

韓国の年末調整(従来)

しかし、韓国でもやはり控除証明書を紙でやり取りするのは面倒だよね、などいろいろ事情があり、現在では、韓国のHome Tax(国税庁の税務手続支援システム)を利用した仕組みが導入されています。

【韓国の年末調整(年末精算)】

韓国の年末調整(現在)

給与所得者の年末調整手続について、各種控除を適用するための資料収集コスト等を削減する観点から、2006 年より控除関係機関が国税庁に控除対象データを登録、Home Tax(国税庁の税務手続支援システム)に集約した上で給与所得者に提供する仕組みを導入。さらに 2016 年より雇用主が Home Taxから控除申告書をダウンロードすることも可能な仕組みが導入されている。

2006年には控除証明書を従業員自身がダウンロードできる仕組みを、2016年からは控除申告書(扶養控除等(異動)申告書や保険料控除申告書みたいなもの?)を会社がHome Taxからダウンロードすれば年末調整できる仕組みになったようです。

日本でも2018年から生命保険料控除証明書などの電子交付はじまる

さて、韓国が2006年から取り入れている控除証明書をダウンロードする仕組みは、平成28年度税制改正によって決定しており、日本でも2018年から導入されます。

  1. 生命保険料控除証明書(年末調整または確定申告)
  2. 地震保険料控除証明書(年末調整または確定申告)
  3. 寄附金控除用の証明書(現在は確定申告のみ)

生命保険料控除証明書と地震保険料控除証明書については、保険会社から毎年10月~11月頃に控除証明書が送られてきますが、これがメールなどで送られてきます(=電子交付)。

控除証明書をなくしてしまったから再発行、ということが減るでしょう。

・・・ただ、あくまでメールなどでもらったものを自分でダウンロードして印刷するため、このままだと「紙」のままです。

年末調整のネット完結の仕組みが入ってようやく、完全に「ペーパーレス」で年末調整が行えるようになります。

マイナンバーカードとマイナポータルの利用が必須に?

ここからは私の勝手な予想も入ってますが、新しい年末調整の仕組みは、マイナンバーの個人サイトである「マイナポータル」を利用したもので、韓国の「Home Tax」と同様に、控除証明書を発行する機関からデータを受けて、データのやり取りだけで年末調整をネットで完結する仕組みではないかと考えます。

【韓国の年末調整(年末精算)】

韓国の年末調整(現在)
これにより、普及していないマイナンバーカードとマイナポータルを「使った方が便利なもの」にするという意味では、悪くない戦略といえます。

実際、韓国では同じような仕組みが国民に普及しているため、年末調整のネット完結のほかにもさまざまな行政サービスが提供されています。

もちろん、マイナポータルはスタート時期が延期されたりと不安要素もありますが、まあ、こういうものはやってみないとわからないものです。

「データ」のやり取りなら計算ミスが防げるメリットも

年末調整でよくあるのは、紙の書類から計算ソフトに転記する際などに計算ミスが起こっているということです。

読み取る人が金額を間違えていたり、入力する欄が違っていたりと人がかかわるとエラーが出てしまいます。

だからデータのやり取りで完結すれば、自動的に計算されて、こうしたミスもなくなります(あるいは大いに減る)。

したがって、メリットはありますが、どうやってシステムを設計するかによりますね。

頭の良い人がちゃんと考えてくれることを祈るばかりです。

まとめ

おそらく平成30年度税制改正の改正項目の1つになりそうですが、今後の動きに注目したいと思います。

国は本気でマイナポータルを使うつもりなので、私も遅ればせながら、マイナンバーカードの申請をして、10月のマイナポータルの本格運用開始に備えています。

いろいろ、試してみたいと思います。

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