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なぜバレた?黙っていたパート収入120万円で夫が呼び出された理由

年末調整で間違いがあると、「会社」に連絡がいく

年末調整

=平成30年6月某日午後1時:株式会社△△第1営業部=

「Aさん、総務部のYさんからちょっと確認したいことがあるから、総務部に来てほしいって内線がありましたよ」

同期の「Y」という名前を聞いて、首をかしげた。

総務部の中で給与計算を担当しているのがYだった。口がかたい男だ。

それにしても、こんな時期に給与のことであいつがなんだろう?

「ありがとう」

とにかく内線で、午後2時に総務部を訪ねることを伝えた。

=平成30年6月某日午後2時:株式会社△△総務部=

「ああ、ごめんね~、営業で忙しいのに」

同期のYは顔を見るなり立ち上がって、総務部の隣にある個室を指差した。

「なんか問題でもあったのか? 経費の立替はおまえじゃないよな」

「まあ、中で話すよ」

節約のために消していた電気をつけると、Yは早速、書類を取り出した。

「税務署からね、これがきちゃってね。奥さん、収入が超えちゃったみたいだね」

Yの書類には、「扶養控除等の見直しについて」とあった。

どうも苦手な形式ばった書類だ。

「収入? そういえば、パートで出ているけど、103万円以内におさえてるって聞いてたぞ」

どうやら平成29年中のパート収入のことを言っているようだが、何でこんな忘れた頃に、税務署から、しかも自分宛てではなく会社宛てに届くんだろう!

「ああ、そうなんだ。でもね、どうも違うみたいで、実際には、奥さん、昨年、103万円を超えて働いていたみたいだね」

そういえば、勤め先から頼まれて年末近くまで働いていたのを思い出した。

「これって、どうなるんだ?」

「ん~。言いにくいんだけど、まず、税金のことだけど、配偶者控除で申告していたのが配偶者特別控除の方になって、控除の金額が減っちゃうから、税金を追加で払わないといけないね」

「オレが確定申告するってことか?」

「まあ、会社で再度年末調整するとけっこう面倒だから、そうなるかなぁ」

そのとき、Yが言葉を切って、妙な沈黙が流れた。

どうも嫌な予感がした。

「Yさあ、うちの会社の配偶者手当の条件、知ってるだろ」

「奥さんの収入が103万円を1円でも超えたら翌年1年間は出ないって」

ガツン!と頭を殴られたような気がした。

そうだ。

だから103万円以内におさまるように妻には口をすっぱくして言っていたのだ。

うちの会社では、月2万円だから年間24万円だ。

これがなくなるのはかなり痛い。

「一応うちの会社の前例でいくと、本来もらうべきではなかった分は過去にさかのぼって返せとは言わないけど、分かった月から1年分はもらえなくなるんだ。今月分から支給停止になるから、そのつもりでね」

パート収入がバレた理由

さて、なぜ奥様のパート収入が、会社にバレたのでしょうか?

Aさんが帰って奥様を問いつめると、自分のパート収入がいくらなのかを知られたくないし、会社の手当もほしかったので、103万円を超えていないとウソをついていたそうです(超えた分はヘソクリに・・・)。

また、今回とは逆に、奥様の収入が103万円を超えているのを知っていて、会社に黙っている旦那様も世の中に入るかもしれません。

しかし、これが会社にバレる場合があります。

それは、次のような流れがあるからです。

例えば、平成29年分について年末調整をした場合を見て見ましょう。

【平成29年12月下旬~平成30年1月初旬】
会社が年末調整をする

「平成29年分 給与所得の源泉徴収票」を本人に渡す

従業員で年収500万円超なら税務署にも提出する

同じようなものを市町村に2枚提出する

【~平成30年6月頃】
市町村で住民税の計算をし、会社に住民税の計算用紙と納付用の用紙が届く

【随時】
市町村で扶養関係がチェックされ、配偶者控除や扶養控除の適用に誤りが判明

市町村から「税務署」に連絡

税務署から勤め先の会社へ「扶養控除等の控除誤りの是正について」を送る
これで会社にバレる


会社が本人に確認
奥様が黙っていたときにはここで旦那様にバレる

通常、過去3年分の見直しを指示される(「扶養控除等の見直しについて」)

勤務先で再度年末調整をさかのぼってやり直す、あるいは本人が確定申告

手当の支給が停められることも(会社ごとに対応は違うと思います)

かなりざっくり言うと、こんな感じです。

バレる原因は市町村の住民税の計算

税務署では従業員なら年収500万円以下の人の情報しかないので原則として把握できません。

一方、市町村では住民税の計算のためにほぼ全部の情報を把握するため、気づく可能性があります。

ただし、100%わかるわけではなく、市町村民税の担当者が気づくかどうかはそれぞれです。

マイナンバー導入でもっと簡単になる!

さて、平成28年分からマイナンバーを書くようになりましたが、あれはなんのためにあるのでしょうか?

おそらく皆さん、よくわからないまま会社から言われるままに出したのではないでしょうか。

その目的の1つが、この配偶者控除や扶養控除の適用誤りの発見です。

ちゃんとマイナンバーが記載されていることが前提ですが、正直に書けば書くほどバレやすくとなるという制度がマイナンバーです。

配偶者や扶養親族が他で働いている場合には、勤め先でもマイナンバーを記載して扶養控除等申告書を提出します。

h29扶養控除申告書

これにより、1つの番号をもとにチェックをして、本来は配偶者控除や扶養控除を受けられないのに受けているケースを発見しやすくなります。

今回は妻のパート収入の話でしたが、他にも大学生の子どもがアルバイトをし過ぎて扶養控除の対象外になる、ということもよくあります。

関連 勤労学生控除と扶養控除は併用不可!本当の103万円の壁は学生にあり

「給料」をもらうパートやアルバイトをしている場合には、マイナンバー制度の導入で、正しくしていないと後から面倒なことになる可能性が今より高くなりそうです。

なお、もし、誤った収入の見込み(正確には「所得」の見込み)を会社に伝えたまま年末調整が終わってしまった場合には、

・平成30年1月中なら会社に再度伝えて年末調整をやり直してもらう

・平成30年3月15日までに自ら確定申告(この場合は旦那様)をして正しくする

あたりが選択肢になってくると思います。

本当に足りないのは「夫婦の会話」!?

夫婦の会話不足でミス!?扶養控除3年で196億円是正 家族収入「よく知らず…」近畿は毎年4万件超

家族に扶養控除の対象外となる一定の収入があるにもかかわらず、年末調整で扶養控除の対象として勤務先に申請し、国税当局から「扶養是正」を求められるケースが、昨年6月までの3年間に全国で約63万件に上ることが25日、国税庁の調査で分かった。是正を求められ、企業や個人事業者ら雇用主が納めた源泉所得税の追加納付額は約196億円。国税当局は「家族がいくら稼いでいるか十分確認し、ミスのない報告を」と呼びかけている。

(中略)

最も多いミスは、妻のパートや子供のアルバイトの所得が控除対象となる限度額を超えているのを知らずに夫が申請するケースだ。

春は進学などでアルバイトを始めるケースも多く、注意が必要。国税関係者は「日頃会話の機会がなく、そんなに稼いでいると知らなかった…というケースや、妻がへそくり感覚で正しい収入を夫に告げないケースもある」と指摘する。

また、給与の年間収入が103万円を超えても「そんなに多くないからバレることはないだろう」と安易に考える人もいるという。

11月の年末調整や確定申告の時期に、各税務署では事業者を対象にした説明会を開き、注意すべきポイントをPRしているが、「扶養控除については、やはり当事者である家族間でしっかり話をしてもらわないと…」(国税関係者)というのが本音だ。

出典:産経WEST2014.2.25 11:21

・・・といっても、税金だけでなく、手当や社会保険、保育料などにも場合によっては影響が出ますので、夫婦であるいは親子で働き方について慎重に考えましょう。

1番大事なのは、「夫婦の会話(親子の会話)」です。

関連 130万円と106万円の壁とは?パートで働く人が扶養内で働くために気をつけること

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