2018/11/094 Shares

一戸建てのプロパンガスが都市ガスより高い8つの理由

プロパンガスと都市ガスではどのくらい料金の差があるか知っていますか?

実は、都市ガスの料金に比べてプロパンガスの料金は一般的に1.5倍~2倍高くなっているんです。

都市ガスとプロパンガスの価格差

出典 経済産業省資源エネルギー庁「ガス料金等の現状について」(平成25年7月)

特に関東では1.89倍とほぼ2倍で全国の中でも特に大きな差があります。

2倍と聞いてもピンとこないかもしれないので、具体的に計算してみましょう。

もし一戸建てで家を建ててから40年間その地域に住むとしたら、その差はいくらになるでしょうか。

都市ガス:月4,000円×12か月×40年=192万円

プロパンガス:月8,000円×12か月×40年=384万円

差額:+192万円

車が余裕で買えるような大きな金額になってしまいました。

これが毎月必ず発生するガス料金の怖いところです。

特に冬のガス代が高い地域では、その差はさらに大きくなることでしょう。

この記事では、一戸建て住宅のプロパンガス料金が都市ガスより高い理由についてまとめました。


一戸建てのプロパンガスが都市ガスより高い8つの理由

プロパンガス料金が都市ガス料金よりも高い理由は1つだけではありません。

さまざまな理由によって結果として高くなっています。

なお、プロパンガス料金を安くする方法については、次の記事をお読みください。

関連 高い一戸建てのプロパンガス料金を安くする4つの方法と注意点

1.プロパンガスは会社ごとに価格を自由に決められるから!

ガスコンロ

都市ガスは2017年4月から一般家庭でも自由化されました。

それでも公共性はまだまだ高く、ガス会社が自分の利益のために勝手に高くしたりすることは難しくなています。

一方、プロパンガスはずっと前から自由価格です。

自由価格とは、プロパンガス会社が自由に価格を決められるということです。

普通は価格競争が起こると、料金は安くなっていくはずです。

少しでも安い会社と契約したいというのが顧客のニーズですからね。

しかし現実にはそうはなっていません。

他のプロパンガス会社と比較検討をする機会が少ないからです。

後述しますが、

  1. プロパンガスの料金を公開していない会社が多い
  2. 他のプロパンガス会社に切り替えようという家庭が少ない
  3. 原料の高騰で値上げはしても値下げが行われない

ことから、各会社が価格を下げて競争する必要がないのです。

2.プロパンガスは「人件費」がかかる!

プロパンガスは定期的にガスボンベの交換に来ますよね。

実は都市ガスはボンベ交換がありません。

ガスの供給方法によって人件費に差が出ているのです。

都市ガスは「ガス導管(いわゆる「ガス管」)」を通ってガス供給所を経由し最終的に家庭に運ばれます。

都市ガス

出典 都市ガスとLPガスの違い | 日本ガス協会

各家庭にガス導管が直接つながっている限り、ガスを供給するのに手間はかからないため、人件費を圧縮することができます。

一方、LPガスは

  1. LPガスタンクからタンクローリーで充てん所まで運送
  2. 充てん所で各家庭用にガスボンベにガスを充てん
  3. 配送車で各家庭に配達

します。

LPガス

出典 都市ガスとLPガスの違い | 日本ガス協会

ガスボンベにガスを充てんするのはもちろん、ガスボンベの配送や各家庭へのガスボンベの設置は人の手が必要です。

どうしても人件費がかかります。

ほかにも保守点検の費用などの人件費がかかり、どうしても料金に上乗せされて高くなる傾向にあります。

3.プロパンガス会社の中にはお得な料金プランがない場合もある!

都市ガスには割引プランがあります。

例えば、東京ガスでは「暖らんぷらん」は冬期のガス料金がお得になります。

暖らんプラン

出典 東京ガス : ガス料金/暖らんぷらん

一方、プロパンガス会社の中にはこのような割引プランが用意されていない会社も多いです。

別の候でも述べますが、プロパンガスは比較検討をする機会があまりないので割引プランを打ち出す必要はありません。

同じ地域でも会社によってプランがあったりなかったりします。

各プロパンガス会社がどのような割引サービスを行っているのかを比較しましょう。

4.プロパンガスの設置工事費が上乗せされているから!

バーベキュー

プロパンガス業界では、無償貸与契約という契約方法が昔から行われています。

住宅を新築・リフォームしたときには、ガスの配管工事費用やガス給湯器の設置費用がかかります。

これらの初期費用は、

  • 一括で支払う
  • 無償貸与契約によって無料にしてもらう

の2つから選ぶことができます。

「無料なんてそんなうまい話があるの?」と思いますよね。

そうなんです。

実際には毎月の料金に初期費用分が上乗せされて契約者が負担している場合があります。

まるで「実質0円のスマートフォン」みたいですね(後で通話料と一緒に回収する仕組み)。

毎月のプロパンガス料金が高いと思ったら「無償貸与契約」をしていないかご確認ください。

無償貸与契約の厄介な点は、スマートフォンと同様に途中解約すると「違約金」が発生する点です。

しかもスマートフォンは「2年縛り」とまだ短いですが、プロパンガスの場合は10年間とか20年間とか長期にわたる契約をしている場合が多々あります。

いざ解約しようとすると、当時の契約書を見せられてガス給湯器の残金を請求されることも。。。

この点は、契約の際に「契約解除をしたらどうなるか」という説明を受けるのが普通です。

しかし、説明がちゃんと行われていない場合もあるので注意が必要です。

5.同じプロパンガス会社でも相手の顔を見て決めているから!

お隣のガス料金がいくらか知っていますか?

「同じプロパンガス会社だから同じでしょう?」

いえいえ。実は違うんです。

確かに「都市ガス」の料金は一律で同じ料金体系になっています。

東京ガスのガス料金

出典 東京ガス : ガス料金/一般料金

同じ都市ガスで同じプランならお隣さんと単価が違うということはありません。

でも、プロパンガスならそれがありうるのです。

同じプロパンガス会社と契約しているとしても、自分の家の単価がお隣さんより高い、あるいは逆に安いことはよくあります。

お隣さんが

「あなたのところは料金が高いから他のプロパンガス会社に変えるわよ」

とガス会社に言ったらどうでしょう。

「そんなこと言わないでくださいよ。なら安くしますよ」

というように、利益が出る範囲で価格を柔軟に調整している可能性があります。

もちろん言われなければ、わざわざ値下げなんてしません。

だからお隣同士でも料金が違うケースが出てくるんですね。

しかし都市ガスのようにホームページで一律の料金表が公表されていない限り、こんなことはわかりません。

営業マンからもらった料金表が、実は何種類も用意されていたなんて話もあります。

6.知らないうちに値上げされているから!

値上げ

都市ガスは、あらかじめ「どの程度値上げされるか」というお知らせがあってから値上げされます。

一方、プロパンガスの値上げはひっそりと行われます。

最初の年は安かったのに、なんだか最近高いなと思ってみたらどうも単価が高い、でも、いつの間に・・・。

担当者に聞いたら

「原油価格の変動を反映しています」

ともっともらしい答えが返ってきます。

だったら原油価格が下がったときには値下げに・・・ならないケースが多いんです。

結果、どんどん値上げだけが繰り返され、単価がつり上がってしまうのです。

7.自分のプロパンガスが高いか安いか情報が少ないから!

卵

近所のスーパーで卵の特売をやっていて、

  • Aスーパー:卵1パック99円
  • Bスーパー:卵1パック97円

なら、Bスーパーで買おうと思うのが普通です。

それがわかるのは新聞の「折込チラシ」などで卵の値段が比較できるからです。

しかしプロパンガスの場合、自由価格と言っておきながら、Aプロパンガス会社にしたら○○円、Bプロパンガス会社にしたら△△円という情報がほとんどありません。

インターネット上で料金を公表している会社がほとんどないからです。

そもそもプロパンガス料金が高いのか安いのか、高いとしたらどれくらい高いのかがわかりません。

このような「情報」はプロパンガス会社が握っていて、利用者は隣の奥さんに「お宅のガス料金、いくらなの?」なんてふつうは聞きません。

どうしても情報が手に入りづらくなってしまいます。

8.プロパンガスの利用者の多くが価格に関心が薄いから!

よくわからない

理由7にも似ていますが、おそらく最も重要な理由がこの価格への関心です。

高いと思っても毎日使うライフラインなので、しかたなくそのままになっていないでしょうか。

スマートフォンだって、みんなが「高い!」と言い続けたからこそだんだん値段が下がってきました(それでもまだまだ高いですが)。

しかし、残念ながらプロパンガスは関心を持ちにくいものであり、よく分からないものだから「なんとなく高い気がするけど変えられない」と思っている方が多い状態です。

まとめ

プロパンガス料金は「毎月の金額」ではなく、「30~40年間同じ金額を支払い続けるとしたらいくらになるか」という視点を常に持ちましょう。

  • 都市ガス:月4,000円×12か月×40年=192万円
  • プロパンガス:月8,000円×12か月×40年=384万円
  • 差額:+192万円

「1回の手間」を惜しむと、大きな金額を失ってしまうのが固定費の怖いところです。

プロパンガス料金を安くする方法については、次の記事でまとめています。

関連 高い一戸建てのプロパンガス料金を安くする4つの方法と注意点

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