4 Shares

1人社長の役員報酬から控除される税金と社会保険料【給与計算編】


社長1人の会社であっても役員報酬を払う以上は「給与計算」が必要になります。

役員報酬は税金のルールによって毎月定額にすると決められているのですが、そこから天引きする社会保険料と税金は毎月微妙に変わるので気をつけないと間違えたまま進んでしまいます。

私も1人社長で自分に対して役員報酬を支払っているので、自分の備忘もかねて給与計算の方法を記事にします。私の場合、計算結果は次のとおりです。

  • 平成30年1月分
  • 役員報酬:400,000円
  • 健康保険料:▲20,336円
  • 厚生年金保険料:▲37,515円
  • 所得税:▲11,850円
  • 手取り月収:330,299円

税金のルール「定期同額給与」に注意

まず税金のルールによって、役員報酬は毎月一定額を一定時期に支払うルールになります。

このルールを破って増やしたり減らしたりすると役員報酬を支払っても経費にならない部分が発生してしまいます。

私の場合、会社は5月決算ですが、「毎月25日(定期)」に「40万円(同額)」を支払うように決めています。

役員報酬を変えていいのは、原則として決算月の翌月から3か月以内です。

私の場合は会社が5月決算なので「6月~8月」の間ですね。

12月決算なら「1月~3月」の間、3月決算なら「4月~6月」の間となります。

まるで携帯電話会社の違約金が発生しない時期みたいな話(いや、携帯の方がひどいか)ですが、毎年変更するチャンスは原則として1回です。

役員報酬をコントロールすることで安易に節税を防止するために設けられたものですが、非常に面倒なルールです。

社長1人でも社会保険の加入義務があります!

社長が1人だけの会社であっても、社会保険に加入する義務があります。

ここでいう社会保険とは「健康保険」と「厚生年金保険」です。

40歳以上になるとさらに「介護保険」が加わります。

私も会社を設立してからちゃんと加入しています。

1人社長の健康保険料を計算しよう!

健康保険料については、「都道府県毎の保険料額表」から探してきます。

私の場合は愛知県に会社があるので「愛知県」で、例えば「平成30年1月」は「平成29年9月分(10月納付分)からの健康保険・厚生年金保険の保険料額表」を利用します。

なお、健康保険の保険料率は都道府県ごとに、かつ、時期によって異なるため、違う表を選ばないよう注意しましょう。

平成29年分厚生年金健康保険料額表

報酬月額は、社会保険の加入手続きの際に書いていると思いますが、私の場合は「40万円」の役員報酬に通勤手当を加算してます。

そのため、報酬月額の範囲は「395,000円以上425,000円未満」になり、「全国健康保険協会管掌健康保険料」の中で介護保険がない年齢なので「介護保険第2号被保険者に該当しない場合」のうち「折半額」を選ぶだけです。

社会保険料の計算

表からは、健康保険料は「20,336円」とわかります。

ちなみに、介護保険料の対象となる場合は、「介護保険第2号被保険者に該当する場合」から選びます。金額を見ると少し多めですね。つまり、介護保険料が上乗せされているからです。

余計な計算をする必要はありません。

表の使い方に慣れたらとても簡単です。




1人社長の厚生年金保険料を計算しよう!

また、もう1つの厚生年金保険料についても同様に表を使います。

報酬月額の範囲は健康保険料と同様に「395,000円以上425,000円未満」になり、「厚生年金保険料」のうち「折半額」を選ぶだけです。

社会保険料の計算

表からは、厚生年金保険料は「37,515円」とわかります。

※厚生年金の保険料率は全国一律です。

1人社長の所得税を計算しよう!

社会保険料が計算できたら次は「税金」です。

税金は「所得税」と前年分の収入(正確には所得)に対する「住民税」を天引きすることになりますが、今回は所得税(源泉所得税)だけご紹介します。

※住民税については、毎月天引きする金額が計算されたものが市町村から届く(特別徴収)か、あるいは自分で別途納付する金額(年4回)が計算されたものが市町村から届く(普通徴収)ため、自分で計算する必要はないからです。

平成30年1月分なので、国税庁の「給与所得の源泉徴収税額表(平成30年分)」の「月額表」を利用します。

平成30年分月額表01

注意しないといけないのが、1番左の金額は「その月の社会保険料等控除後の給与等の金額」とあるように、「役員報酬」から「社会保険料(健康保険料・厚生年金保険料・介護保険料)」を控除した金額となります。

私の場合だと、

400,000円-20,336円(健康保険料)-37,515円(厚生年金保険料)=342,149円

となります。

※「通勤手当」については、所得税の計算上、原則として非課税になる(同じ金額だけ定期券代などの支払いに消えるため税金を課税するのがふさわしくない)ので、この計算には含めません。

さて、月額表は上に「甲」と「乙」と書いてありますが、1人社長は「甲」を利用します。

また、「扶養親族等の数」とありますが、配偶者控除の対象となる妻(または夫)や扶養控除の対象となる子どもや親などがいる場合は人数が増えます。

私のように妻が働いていて子どもがいても16歳未満の場合は控除がないので「0人」となります。

所得税

今回は「その月の社会保険料等控除後の給与等の金額」が「342,149円」で「341,000円以上344,000円未満」の範囲で扶養親族等の数は「0人」なので所得税は「11,850円」となります。

難しそうに見えますが、あくまで表から拾うだけなので、2~3回やればすぐに慣れると思います。

1人社長の手取り月収はいくら?

計算が終わりました。

  • 平成30年1月分
  • 役員報酬:400,000円
  • 健康保険料:▲20,336円
  • 厚生年金保険料:▲37,515円
  • 所得税:▲11,850円
  • 手取り月収:330,299円

※通勤手当が別途あります。

※住民税を天引きしている場合はさらに減ります。

手取り月収を「会社の口座」から「自分の口座」に移しましょう。

ちなみに計算上、「手取り月収」は「税込み月収」の約7~8割くらいになります。

まとめ

会社を設立すると自分でやらないといけないことが増えますが、その1つが自分の給与計算です。

ただ、役員報酬の場合は税金のルール「定期同額給与」によって、毎月一定額と決まっているので、この調子で3か月分くらいまとめて計算しておくのも1つの手ですね。

最後までお読みいただき、ありがとうございました^^ この記事はお役に立てましたでしょうか。感想や質問、お気づきの点があれば、「お問い合わせフォーム」やコメント欄からお気軽にご連絡ください。なお、コメント欄は私の承認後に表示されます。税金計算や具体的な有利不利の判断についてはこちらから

この記事が気に入ったら
いいね ! しよう