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転勤により家族全員で引越ししても住宅ローン控除は受けられますか?

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家族全員が引越ししたら対象外

住宅ローン控除の重要な条件の1つに、「適用を受ける各年の12月31日まで引き続いて住んでいること。」というものがあります。

例えば、4月に勤務先から転勤の命令があって、「住宅ローン控除をしていた家(A)」から「別の家(B)」に引越しした場合、当然、「住宅ローン控除をしていた家(A)」に12月31日まで引き続いて住んでいないので、住宅ローン控除は受けられなくなります。

平成29年3月に家族全員で引越しをすれば、当然、平成29年分の住宅ローン控除は受けられません。

これが単身赴任で例えばお父さんだけが地方で社宅暮らしみたいな場合には、家族は「住宅ローン控除をしていた家(A)」に住み続けるため、例外的に住宅ローン控除を受けることができるようになっています(国内転勤に限ります)。

国税庁「No.1234 転勤と住宅借入金等特別控除等

(1)単身赴任等の場合

家屋の所有者が、転勤、転地療養その他のやむを得ない事情により、配偶者、扶養親族その他生計を一にする親族と日常の起居を共にしない場合において、その住宅の取得等の日から6か月以内にその家屋にこれらの親族が入居し、その後も引き続き居住しており、当該やむを得ない事情が解消した後はその家屋の所有者が共にその家屋に居住することと認められるときは、その家屋の所有者が入居し、その後もその家屋の所有者が引き続き居住しているものとして取り扱われ、この特別控除等の適用を受けることができます。

家族全員が住んでいなければ、人に貸すことも可能

なぜ単身赴任のときはいいのに、家族全員が引っ越すときはダメなのか、と思うかもしれませんが、家族全員が住んでいなければ、人に貸すこともできますよね。

住宅ローンを返済しながら新しい家の家賃も払わないといけないような場合には、貸さないと2重に住宅費を負担することになるので、貸す人さえ見つかれば貸したいでしょう(原則、不動産所得として確定申告が必要です)。

そもそも住宅ローン控除というのは、本人が住む家を積極的に買ったり建てたりするのを支援するために税金を少なくしてあげる制度です。

それなのに、「人に貸すための家」を買ったり建てたりするときにまで住宅ローン控除が使えたら、みんな不動産賃貸をする前に一時的に住んでしまいます。

そのため、住宅ローン控除は「適用を受ける各年の12月31日まで引き続いて住んでいること」という条件があり、毎年本当に住んでいるのかを求めているのです。

もちろん、そうはいっても勤め先から転勤命令があるのが会社員や公務員の哀しい性(さが)です。

家を買ったら転勤の辞令があるというのはよく聞くパターンです。

特に単身赴任の場合は、「家族が住んでいる」のに認められないとなるとさすがにおかしいとのことで、例外的に認めています(国内転勤に限ります)。

  • 単身赴任⇒家族が住んでいればOK
  • 全員引越し⇒誰も住んでいないからNG

再び住むかもしれないなら「引越し前」にこの手続きを!

さて、家族全員引っ越すとしても、例えば2~3年後には再び「住宅ローン控除をしていた家(A)」に戻ってくる可能性もあります。

その場合には、国税庁の「住宅借入金等特別控除の再適用を受けるための手続(1)(転居前における手続)」に引越し前の手続きが書かれています。

【照会要旨】

私は、昨年まで住宅借入金等特別控除の適用を受けていましたが、本年4月に勤務先から転勤命令があり、転居することになりました。

再びその家屋を居住の用に供した場合には、住宅借入金等特別控除の再適用を受けることができるそうですが、そのためには、転居時までにどのような手続が必要ですか。

【回答要旨】

「転任の命令等により居住しないこととなる旨の届出書」等の書類を提出する必要があります。

住宅借入金等特別控除の適用を受けていた人が、勤務先からの転任の命令に伴う転居その他これに準ずるやむを得ない事由に基因して、控除の適用を受けていた家屋を居住の用に供しなくなったことにより控除の適用を受けられなくなった後、その家屋を再び居住の用に供した場合には、住宅借入金等特別控除の再適用を受けることができます。

住宅借入金等特別控除の再適用を受けるためには、家屋を居住の用に供しなくなる日までに、次に掲げる届出書等を、家屋の所在地を所轄する税務署長に提出する必要があります。

(1)「転任の命令等により居住しないこととなる旨の届出書

(2) 税務署長から「年末調整のための(特定増改築等)住宅借入金等特別控除証明書」及び「給与所得者の(特定増改築等)住宅借入金等特別控除申告書」の交付を受けている場合には、その未使用分の証明書及び申告書

なお、住宅借入金等特別控除の再適用を受けるためには、家屋を居住の用に供しなくなる日までに、上記届出書等を提出する必要がありますが、上記届出書等の提出がなかった場合であっても、税務署長が、その提出がなかったことについてやむを得ない事情があると認めるときは、その届出書等の提出があった場合に限り、住宅借入金等特別控除の再適用を受けることができることとされています。

転居の理由が会社都合であることが大前提ですが、例えば、家族全員が引っ越した後、お父さんは単身赴任を続けて「家族だけ」が戻ってくる場合もOKです(⇒国税庁「家族のみが再居住した場合」)。

転勤と住宅ローン控除は難しい!

実は転勤と住宅ローン控除に関する制度は、この10年くらいで大きく変わって、非常に複雑になってしまいました。

そして、税務署に対して手続きをする制度になっているので、税務署に相談するのが1番です(引越し前に手続きをしていない人も同様です)。

転任の命令等により居住しないこととなる旨の届出書」についても、税務署でもらって書き方を教えてもらえるでしょう。

転任の命令等により居住しないこととなる旨の届出書

なお、勤め先で手続きをしてくれる可能性もあるので、先に給与計算をしている部署に確認するのもいいですね(そこから顧問税理士に確認してくれると楽です)。

再び適用を受けるときについても「住宅借入金等特別控除の再適用を受けるための手続2(再び居住の用に供したときの手続)
があるのですが、こちらも必要書類などがわかりづらくなっているので、事前に税務署(または税理士)にご相談ください。

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