2019/03/044 Shares

夫が自営業で妻がパートの場合の社会保険の130万円・106万円の壁と扶養の関係

103万円と106万円の壁

夫が「自営業」の場合、妻がパート・アルバイトをする際に130万円の壁」はありません

自営業者が加入する国民健康保険・国民年金には「扶養」という考え方がないからです。

一方、「社会保険の加入」に関する106万円の壁」は関係があります(夫の職業を問わない)

夫の職業 130万円の壁 106万円の壁
自営業 なし あり
会社員 あり あり

夫が自営業で妻がパートの場合、妻の社会保険は次のいずれかになります。

  1. 妻も自分で国民健康保険・国民年金を負担
  2. 妻のパート先の社会保険に加入(健康保険・厚生年金保険)

※「税金」にも103万円・150万円・201万円の壁があります。

こちらは夫の職業を問わず扶養の対象(配偶者控除・配偶者特別控除)になる場合があります。詳細は下記の記事をお読みください。

関連 配偶者控除と配偶者特別控除の違いとは?いくら節税になるかわかりやすく解説


1.夫が自営業の場合は130万円の壁がない

1-1. 社会保険に「扶養」があるのは会社員だけ

会社員が加入する健康保険・厚生年金保険には「扶養」という考え方があります。

健康保険では扶養に入れる人を「被扶養者(ひふようしゃ)」と呼びます。

健康保険の被扶養者

<妻を扶養にした場合>

  • 妻の健康保険料:自己負担なし(※)
  • 夫の健康保険料:増えない

※被扶養者の健康保険料は「健康保険の加入者全体」で負担しているため、間接的に夫が負担

妻が夫の社会保険の「扶養」になるかどうかを判断するときに「130万円の壁」が登場します。

  • 夫と同居の場合:妻の見込み年収が130万円未満で夫の年収の1/2未満
  • 夫と別居の場合:妻の見込み年収が130万円未満で夫からの仕送額より少ない

130万円の壁を超えると妻は社会保険料を負担します。

また、厚生年金保険の加入者である夫に扶養されている人は「国民年金」の「第3号被保険者」になります。

  • 妻の国民年金保険料:自己負担なし(※)
  • 夫の厚生年金保険料:増えない

※国民年金第3号被保険者の国民年金保険料も「厚生年金保険の加入者(国民年金第2号被保険者)全体」で負担しているため、間接的に夫が負担

1-2. 国民健康保険・国民年金に扶養は存在しない

一方、自営業者が加入する国民健康保険・国民年金には「扶養」という考え方が存在しません

健康保険・厚生年金保険のように扶養の判断基準になる「130万円の壁」もないのです。




2.妻も自分で国民健康保険・国民年金を負担

パートをする妻の社会保険の1つ目の選択肢は、妻も自分で国民健康保険と国民年金を負担するパターンです。

自営業者の妻

2-1. 国民健康保険

国民健康保険料の中には

  • 所得割:「パート収入」が増えると負担増加

があるので、妻が国民健康保険料の対象になると負担が増えます。

国民健康保険は世帯ごとに計算されて「世帯主」に納付書が届くのでわかりづらいですが、その計算の際には「パート収入」も考慮されています。

会社員の場合は夫の扶養になっても夫婦ともに負担が増えなかったので全然違います。

国民健康保険料は次のサイトで試算できます。

パート収入が増えるとどのくらい国民健康保険料の負担が増えるか、自分が住む市区町村を選んで試算してみてください。

参考:国民健康保険計算機|全国の市区町村の国民健康保険料を自動計算できる

2-2. 国民年金

自営業の夫と同じ「国民年金」の「第1号被保険者」に該当します。

月額16,340円(平成30年度)を支払います。

こちらも会社員の場合は夫の扶養になっても夫婦ともに負担が増えなかったので全然違います。




3.妻のパート先の社会保険に加入

2つ目の選択肢が妻のパート先の社会保険に加入するパターンです。

自営業の妻

3-1. 社会保険の加入条件

次のいずれかを満たすとパート先の社会保険に加入する義務があります(該当しなければ「2.妻も自分で国民健康保険・国民年金を負担」になります)。

  1. 通常の労働者(正社員)の所定労働時間と所定労働日数のおおむね3/4以上
  2. 106万円の壁

1番目はパートの労働時間・日数が多い場合には該当する可能性がありますが、少なければ関係ありません。

2番目は次の5つの条件をすべて満たす場合に該当します。

  1. 501人以上の会社
  2. 週20時間以上
  3. 雇用期間1年以上
  4. 学生以外
  5. 月額88,000円以上

「月額88,000円」を年間算すると約106万円になるので「106万円の壁」と呼ばれています。

106万円の壁の中でまず確認したいのが「501人以上の会社」に勤務しているかどうかです。大きな会社が対象になります。

500人以下の会社でも会社と従業員が合意して手続すると対象になる場合がありますが、中小企業ではほとんどないでしょう。

パート先の会社でどのように取り扱うかをしっかりと確認しましょう。

3-2. 健康保険と厚生年金保険

パート先で社会保険に加入すると、パート先の給料から健康保険料と厚生年金保険料が天引きされます。

さらに40歳以上の場合は介護保険料も天引きされます。

健康保険料と厚生年金保険料がどれくらい天引きされるかを計算したい方は次の記事をお読みください。

関連 社会保険料は給料からいくら天引きされる?計算方法と計算ツールの紹介

一般的には保険料の半分(労使折半)を会社が負担してくれる健康保険・厚生年金保険の方が国民健康保険料・国民年金よりも負担が少なくなる可能性があります。

また、将来の年金の受け取り時には国民年金だけでなく厚生年金保険分も上乗せされます。

現在の手取りを増やすか、将来の手取りを増やすかに関する価値観は人それぞれでどれが正解とも言えません。

ただ、将来の手取りを増やすためにあえて501人以上の会社を選んでパート先で社会保険に加入する方もいます。




まとめ

夫が自営業で妻がパートの場合の社会保険についてまとめました。

  • 130万円の壁:夫が自営業の場合は関係なし
  • 106万円の壁:自分が社会保険に加入する場合に関係あり

一緒にパートをしている人が「130万円の壁に引っかからないようにおさえている」と言っても、その人の夫は「会社員」かもしれません。

夫が自営業の場合は「130万円の壁」がないので、働き方を考える際にはご注意ください。

一方、106万円の壁は夫の職業を問いませんが、「大企業」に勤務する場合が中心である点にご注意ください。

この記事はお役に立てましたか?  リンクは自由です。ブログでご紹介いただけるととても嬉しいです。

感想や質問、間違いや誤字脱字があれば、「お問い合わせフォーム」やコメント欄(一部閉じています)からお気軽にご連絡ください。なお、コメント欄は運営者の承認後に表示されます。

※税金計算や扶養に入れるかなどの具体的な有利不利の判断についてはこちらから

この記事が気に入ったら
いいね ! しよう

この記事のURLとタイトルをコピーする