2018/11/1733 Shares

配偶者控除と配偶者特別控除の違いとは?いくら節税になるかわかりやすく解説

配偶者控除と配偶者特別控除

配偶者控除配偶者特別控除は、配偶者(妻または夫)がいる場合に節税ができる制度です。

名前が似ていてややこしいですね。

この記事では配偶者控除と配偶者特別控除の条件と違いについてわかりやすく説明します。

まず結論だけ書くと、配偶者が「給料だけ」をもらう人の場合、

  1. 年収103万円以下⇒配偶者控除
  2. 年収103万円超201万6千円未満⇒配偶者特別控除

が2つの制度の重要な条件であり、大きな違いです。

配偶者控除は103万円の壁、配偶者特別控除は201万円の壁を覚えるといいでしょう。

節税額は、所得税と住民税を合わせて5万円~11万円くらいです。

ただし「所得制限」があるので、適用を受けられなかったり節税額が少なくなったりする場合があります。


1.配偶者とは?

配偶者控除も配偶者特別控除も一定の条件を満たした「配偶者」がいる場合に使うことができる節税策です。

配偶者とは、夫から見た「妻」、妻から見た「夫」のことです。

1-1. 配偶者は「婚姻届」を出しているのが大前提

まず最初に配偶者の定義を確認しておきましょう。

配偶者は婚姻関係を結んでいる相手のことです。

結婚していること、つまり「婚姻届」を役所に提出して法律的に夫婦となっていることが大前提です。

内縁関係や事実婚の場合には婚姻関係がないため、残念ながらパートナーを配偶者控除の対象にすることができません。

なお「社会保険の扶養」であれば事実婚でも対象にできます。

1-2. 専業主夫や休職中の夫も配偶者控除の対象

夫が「妻」を配偶者控除の対象にすることはもちろん、妻が「夫」を対象にすることもできます

配偶者がリストラやうつ病で休職中でも、年収201万6千円未満なら配偶者控除または配偶者特別控除を受けられます。




2.配偶者控除の条件

配偶者控除の条件は、次の5つです。

  • 条件1:12月31日時点で夫婦であること
  • 条件2:夫婦で「生計を一」にしていること
  • 条件3:事業専従者として給与をもらっていないこと
  • 条件4:本人の給料年収1,220万円以下(所得1,000万円以下)
  • 条件5:配偶者の給料年収103万円以下(所得38万円以下)

【条件1】12月31日時点で夫婦であること

配偶者控除を受けるには12月31日時点で夫婦である必要があります。

  • 9月20日結婚→12月31日時点で夫婦になっているので対象
  • 9月20日離婚→12月31日時点で夫婦ではないので対象外

結婚は「年末」までに離婚は「年始」になってからした方が税金的には有利」と言われる理由がここにあります。

もし年末年始に結婚を考えている場合、年内に婚姻届を役所に提出した方が控除が受けられてお得です。

逆に年末までに離婚をしてしまうと、控除が受けられなくて損をします。

※例外的に年の途中で配偶者が亡くなったときには、控除の対象となります。

  • 9月20日死亡→9月20日時点で夫婦だったなら対象

12月31日時点で判定すると思って配偶者控除は適用できないと誤った年末調整をする会社の担当者もいます。

源泉徴収票が来たら自分で確認しましょう。

【条件2】夫婦で「生計を一」にしていること

生計を一(せいけいをいつ)にしているとは、ざっくり言えば同じサイフで生活している状態です。

同居していることは条件ではないので、

  1. 単身赴任で生活費は送金してもらっている場合
  2. 週末やお盆休み・年末年始などには帰宅して一緒に住んでいる場合

には条件を満たします。

【条件3】事業専従者として給与をもらっていないこと

夫が自営業で年間6か月を超えて仕事を手伝っている人を「事業専従者」といいます。

青色申告者である夫から給料をもらっている場合には配偶者控除が使えません。

なお、夫が白色申告者の場合は事業専従者となっていないことが条件となります。

【条件4】本人の給料年収1,220万円以下 New!!

平成30年分から本人の所得制限が導入されました。

給料のみの場合には年収1,220万円を超えると配偶者控除の対象外になります。

給料以外の収入がある場合には、所得(収入金額-必要経費)1,000万円以下が条件となります。

【条件5】配偶者の給料年収103万円以下

配偶者についても所得制限があります。

例えば妻が専業主婦で収入が何もなければ必ず受けることができます。

パート・アルバイトで給料のみの場合は年収103万円以下の場合に限られます。

配偶者控除

年収104万円の場合には、後で説明する「配偶者特別控除」の対象になります。

最近はフリーランスの方やインターネットビジネスで仕事をしている方も増えてきました。

これらは給与ではないため、収入から必要経費を引いた金額=所得が「38万円以下」かどうかで判定します。

パートやアルバイトと同じで103万円まで稼いでも大丈夫だと思っている方は要注意です。

また、産休中・育休中だけ年収103万円以下になる方もたくさんいるので、次の記事を参考にしてみてください。

関連 共働きでも産休・育休中は扶養に入れる!配偶者控除・配偶者特別控除で節税しよう!

なお、年金がある場合や生命保険料控除がある場合については次の記事をお読みください。

関連 パート収入も年金もある場合も配偶者控除・配偶者特別控除はできる?




3.配偶者控除の節税額

配偶者控除が使えると、38万円が所得控除できます。

「え!? 38万円もお得なの!?」

と思うかもしれませんが、38万円に対して税率をかけた金額が実際に節税できる金額です。

所得税と住民税の2種類の税金が節税になります。

「配偶者控除を受ける人(ここでは「夫」とします)」の年収に応じて、次の金額が節税額の目安になります。

  • 夫の年収200~400万円:約5万2千円
  • 夫の年収500~600万円:約7万1千円
  • 夫の年収700~800万円:約10万9千円

ざっくり言うと5万円~11万円くらいの節税ができます。

なお本人の年収が高い場合には、次のように控除額が減ってしまうため節税額も減ります。

本人の
給料年収
(所得金額)

控除額
(一般)

控除額
(老年※)
1,120万円以下
(900万円以下)
38万円 48万円
1,120万円超
1,170万円以下
(900万円超
950万円以下)
26万円 32万円
1,170万円超
1,220万円以下
(950万円超
1,000万円以下)
13万円 16万円

※老年控除対象配偶者(70歳以上の配偶者)がいる場合には、控除額は少し多くなります。




4.配偶者特別控除の条件

配偶者特別控除の条件は、次の5つです。

【条件1~4】配偶者控除と同じ条件

  • 条件1:12月31日時点で夫婦であること
  • 条件2:夫婦で「生計を一」にしていること
  • 条件3:事業専従者として給与をもらっていないこと
  • 条件4:本人の給料年収1,220万円以下(所得1,000万円以下)

【条件5】配偶者の年収103万円超201万5,999円以下

配偶者控除と配偶者特別控除の最大の違いは、この所得制限の範囲です。

給料年収103万円を超えても年収201万6千円未満の場合には、配偶者特別控除の対象になります。

配偶者特別控除

年収201万6,000円以上になると配偶者特別控除も対象外になります。

給料以外の収入がある場合には、所得(収入金額-必要経費)38万円超123万円以下が条件となります。

5.配偶者特別控除の節税額

配偶者特別控除は複雑です。

最大38万円が所得控除できますが、本人や配偶者の所得に応じて段階的に減ります。

<配偶者特別控除の一覧表>

配偶者の
所得
本人の所得
900万円以下
900万円超
950万円以下
950万円超
1,000万円以下
38万円超
85万円以下
38万円 26万円 13万円
85万円超
90万円以下
36万円 24万円 12万円
90万円超
95万円以下
31万円 21万円 11万円
95万円超
100万円以下
26万円 18万円 9万円
100万円超
105万円以下
21万円 14万円 7万円
105万円超
110万円以下
16万円 11万円 6万円
110万円超
115万円以下
11万円 8万円 4万円
115万円超
120万円以下
6万円 4万円 2万円
120万円超
123万円以下
3万円 2万円 1万円
123万円超 対象外(0円)

なお、給料のみの場合には、次の表で年収をもとに確認してください。

<配偶者特別控除【給料のみの場合】>

配偶者の
給料年収
本人の給料年収
1,120万円以下
1,120万円超
1,170万円以下
1,170万円超
1,220万円以下
103万円超
150万円以下
38万円 26万円 13万円
150万円超
155万円以下
36万円 24万円 12万円
155万円超
160万円以下
31万円 21万円 11万円
160万円超
166万8千円未満
26万円 18万円 9万円
166万8千円以上
175万2千円未満
21万円 14万円 7万円
175万2千円以上
183万2千円未満
16万円 11万円 6万円
183万2千円以上
190万4千円未満
11万円 8万円 4万円
190万4千円以上
197万2千円未満
6万円 4万円 2万円
197万2千円以上
201万6千円未満
3万円 2万円 1万円
201万6千円以上 対象外(0円)

出典 国税庁「源泉所得税の改正のあらまし(平成29年4月)[PDF]

配偶者の給料年収150万円以下までは、配偶者控除と同じ38万円の所得控除が可能です(源泉控除対象配偶者に該当)。

「配偶者控除を受ける人(ここでは「夫」とします)」の年収に応じて、次の金額が節税額の目安になります。

  • 夫の年収200~400万円:約5万2千円
  • 夫の年収500~600万円:約7万1千円
  • 夫の年収700~800万円:約10万9千円

ざっくりと5万円から11万円くらいの節税ができます。

給料年収150万円を超えていくと、段階的に控除額が減ります。

そして、201万6,000円以上になると配偶者特別控除の対象外になります。

6.年末調整は「配偶者控除等申告書」の提出が必須!

平成30年から年末調整で

  • 配偶者控除
  • 配偶者特別控除

を受ける場合には、「給与所得者の配偶者控除等申告書」の提出が必須になりました。

書類の書き方については下記の記事をお読みください。

関連 平成30年分 配偶者控除等申告書の具体的な書き方と記入例を徹底解説

7.税金に関する相談は税理士または税務署に!

このブログはあくまで一般的な情報提供をしているため、税金の計算やどちらが有利かなど具体的な税務相談は残念ながらできません。

税金に関する国家資格を持つ税理士または最寄りの税務署にご相談ください。

会社の年末調整の担当者を通じて顧問税理士に確認してもらうのも良いでしょう。

関連 税金に関する相談は税理士または最寄りの税務署へ

根拠

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