2019/01/1016 Shares

パート収入も年金もある場合も配偶者(特別)控除はできる?所得の考え方

配偶者に「パート収入」も「年金」も両方ある場合、配偶者控除や配偶者特別控除はできるでしょうか?

条件を満たせばできます。

ただし、いわゆる

  • 103万円の壁(配偶者控除)
  • 201万円の壁(配偶者特別控除)

は「給料だけ」ある場合の判定方法です。

年金も同時にもらっている場合にはこの判定方法は使えません。

パート収入も年金もある場合、次のようになります。

  • 配偶者控除の判定:給与と年金の「所得」をそれぞれ計算して判定。基礎控除などは引かない
  • 配偶者本人の税金:基礎控除などを引いて計算

関連 配偶者控除と配偶者特別控除の条件と違いは?妻や夫を扶養にして節税しよう!


1.パート収入も年金もある場合の配偶者(特別)控除

年金と給料の両方がある場合には「所得」を計算して判定します。

  1. 配偶者控除:所得38万円以下
  2. 配偶者特別控除:所得38万円超123万円以下

したがって、配偶者の所得123万円以下に該当すれば、配偶者控除または配偶者特別控除が利用できます。

※この他に「本人の所得1,000万円以下」という本人の所得制限があります。

所得とは「収入」から「必要経費」を引いた金額の合計です。

ただし、給料や年金の場合は実際に使った必要経費ではなく

  • 給与所得控除
  • 公的年金等控除

を差し引きます。

次でそれぞれ詳しく説明します。

1-1. 給料の所得は?

給料は「給与所得控除」を利用して計算します。

所得=給料収入-給与所得控除(最低65万円)

給与所得控除は次のように給料収入に応じて異なります。

給料収入 給与所得控除
162万5千円以下 65万円
180万円以下 給料収入×40%
360万円以下 給料収入×30%+18万円

根拠:No.1410 給与所得控除|国税庁

1-2. 年金の所得は?

年金は「公的年金等控除」を利用して計算します。

所得=年金収入-公的年金等控除

このとき「遺族年金」は非課税なので年金収入に含みません。

「公的年金等控除」は、年金をもらうときの年齢に応じて2種類に分かれます。

年金に対する所得の「速算表」がありますが、計算の手間を省くためにわかりやすく表にしました。

■65歳未満(平成30年分:昭和29年1月2日以後生まれ)

年金収入 所得
70万円以下 0円
70万円超
130万円未満
年金収入-70万円
130万円以上
410万円未満
年金収入×75%-37万5千円

■65歳以上(平成30年分:昭和29年1月1日以前生まれ)

年金収入 所得
120万円以下 0円
120万円超
330万円未満
年金収入-120万円
330万円以上
410万円未満
年金収入×75%-37万5千円

根拠:No.1600 公的年金等の課税関係|国税庁

1-3.給料と年金が両方ある場合

1-1と1-2で計算した所得の合計となります。

1-4. 基礎控除や生命保険料控除は引かない!

上記の「所得」を計算するときには、基礎控除や生命保険料控除・社会保険料控除などは引きません。

控除できるのは「給与所得控除」「公的年金等控除」だけになります。




2.給料と年金が両方ある場合の所得の計算と判定例

【例1】給料60万円、年金120万円、61歳

会社員Aさんの奥様Bさん(61歳)は、次の年金と給料を1年間でもらいました。

  • 給料:60万円
  • 年金:120万円

(1) 給与所得控除は給料収入が162万5千円以下なので65万円

⇒所得=60万円-65万円=0円(マイナスの場合は0円)

(2) 公的年金等控除は65歳未満で年金収入が70万円超130万円未満なので

⇒所得=120万円-70万円=50万円

(3) 所得の合計=0円+50万円=50万円

となります。

所得38万円超123万円以下なので、配偶者特別控除の対象になります。

【例2】給料90万円、年金112万円、66歳

会社員Aさんの奥様Bさん(66歳)は、次の年金と給料を1年間でもらいました。

  • 給料:90万円
  • 年金:112万円

(1) 給与所得控除は給料収入が162万5千円以下なので65万円

⇒所得=90万円-65万円=25万円

(2) 公的年金等控除は65歳以上で年金収入が120万円以下

⇒所得=0円

(3) 所得の合計=25万円+0円=25万円

となります。

所得38万円以下なので、配偶者控除の対象になります。




3.配偶者本人の税金はどうなる?

ここまでは配偶者控除・配偶者特別控除の対象になるかどうかを見てきました。

あわせて配偶者本人の税金(所得税・住民税)についても見てみましょう。

こちらは「所得」の計算と違って、基礎控除や生命保険料控除・社会保険料控除などがあれば引けます

【例1】給料60万円、年金120万円、61歳

既に「2」で計算したように所得の合計=50万円です。

さらにここから基礎控除と生命保険料控除・社会保険料控除などを引きます。

もし基礎控除だけしか引けない場合は、

  • 所得税:(50万円-基礎控除38万円)×約5%(最低税率)=約0.6万円
  • 住民税:(50万円-基礎控除33万円)×10%(一律)=1.7万円

となります。

【例2】給料90万円、年金112万円、66歳

既に「2」で計算したように所得の合計=25万円です。

基礎控除38万円(住民税33万円)を引くとマイナスになるので所得税も住民税も課税される部分はありません。

税金は0円になります。




まとめ

パート収入も年金もある場合、

  • 配偶者控除の判定:給与と年金の「所得」をそれぞれ計算して判定。基礎控除などは引かない
  • 配偶者本人の税金:基礎控除などを引いて計算

となります。

配偶者控除や配偶者特別控除の詳細については次の記事もあわせてお読みください。

関連 配偶者控除と配偶者特別控除の条件と違いは?妻や夫を扶養にして節税しよう!

年末調整の手続については次の記事をお読みください。

関連 配偶者控除等申告書の具体的な書き方と記載例を徹底解説

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※税金計算や扶養に入れるかなどの具体的な有利不利の判断についてはこちらから

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