2017/02/1914 Shares

配偶者控除で年収103万円超でないことを証明する必要はあるの?

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年末調整で「奥さんの源泉徴収票を出してください」はおかしい!

配偶者控除は、妻がパートやアルバイトをしている場合は、年収103万円を超えていないことが条件となります。今回の年末調整は、「平成28年分」の年収が重要となります。

年末調整の仕組み

そこで、夫が年末調整の書類を勤め先に提出するときに、こんなことを言われることがあります。

「何か、奥さんの年収を証明するものはありませんか? 例えば、源泉徴収票とか」

これ、おかしいです。

10月から11月のときには、当然ですが、年末調整なんて終わっていないので、源泉徴収票は作れません。

では、どうやって年末調整のときに年収103万円を超えていないと証明すればいいのでしょうか?

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答えは、「証明する必要はない」です。

もし、勤め先が源泉徴収票を出すように言っても、それは間違いです(なぜそんなおかしなことを言うのかよくわかりませんが、私は過去に3回、そういう話を聞いたことがあったので、念のため、この記事を書きました)。

なお、次の記事も参考にしてください。

関連 [完全保存版] 働くママの産休・育児休業中にもらえるお金と社会保険・税金

関連 130万円と106万円の壁とは?パートで働く人が扶養内で働くために気をつけること

ざっくりした「見積り」がわかればOK!

なぜ証明する必要がない、とハッキリ言えるのかといえば、これは、勤め先から配られる年末調整の書類を見ればすぐわかります。

「平成28年分 給与所得者の扶養控除等(異動)申告書(通称「マルフ」)」をご覧ください。

扶養控除申告書

このうち、配偶者控除を受けるためには、「A 控除対象配偶者」のところに書きます。

※ときどき配偶者も「扶養控除」の対象だと思われる方がいますが、配偶者(夫または妻)は、確かに扶養している点は間違いないのですが、税金の世界では、当初は扶養控除だったのですが、途中から配偶者はちょっと違うよね、ということで「配偶者控除」となっています。

右の方に目をやると、「平成28年中の所得の見積額」と書いてありますよね。

つまり、ざっくりした「見積りの金額」でいいんです。

奥様の年収(所得)がいくらかだなんて、証明書をつける必要は一切ありません。

どうやって証明するも何も、証明する必要はないからです。

本当に不思議なことに、「奥様の年収を知りたいので源泉徴収票の写しをください」と平気でいう給与計算の担当者がいます(なぜでしょうか・・・)。

年の途中で退職でもしない限りは、12月下旬から1月上旬くらいにならないと、源泉徴収票は発行できません。

12月の給料が確定しないと、1年間の年収がわからないからです。

それにもかかわらず、年末調整の書類を出す10月~11月に奥様の源泉徴収票を出せというのは、ありえないのです。

そしてだからこそ、ここに書くのは「見積額」なのですね。

では、所得の見積額の具体例を見ていきましょう。

所得の見積額の具体例

【事例1】妻が専業主婦の場合

奥様が専業主婦だとしましょう。

収入は0円です。

平成28年中の所得の見積額は、「0円」となります。

【事例2】妻が産休・育休の場合

奥様が平成27年12月から産休・育休に入り、平成28年中も無給だとしましょう。

やはり収入は0円です。

平成28年中の所得の見積額は「0円」となり、配偶者控除が受けられます。

もし、違う金額が書かれているときは、修正をしましょう。

28年分修正後

【事例3】妻がパートの場合

奥様がパートに出ていて、平成28年1月から10月までの間に、約80万円(=8万円×10か月)の給料があったとします。

あと2か月、同じペースで働くと、8万円ずつ収入がありそうだとしましょう。

収入は80万円+8万円×2か月=約96万円ですね。

このとき、平成28年中の所得の見積額は、96万円-65万円=31万円となります。

「あれ? 『96万円』じゃないの?」と思った方は、「収入」と「所得」が違うことをここでぜひ覚えて帰ってください。

給与のみの場合は、収入から給与所得控除(年収161万9千円未満の場合は一律「65万円」)を引いた金額が所得となります。

パートで働いている方の「所得」は、ほとんどの場合、収入から65万円を引いた金額です。

そのため、96万円-65万円=31万円≦38万円というわけですね。

この所得が38万円以下の場合に、配偶者控除の対象となります。

【事例4】妻が今年産休・育休に入った場合

フルタイムで働いていた奥様が、平成28年4月1日から産休・育休に入りました。

平成28年1月から4月までの給与が80万円(=20万円×4か月)だとしましょう。

収入は80万円です。

事例3と同様に、80万円-65万円=15万円≦38万円というわけで、この場合も、配偶者控除の対象になります。

配偶者控除の判定

共働き世帯は、奥様が産休に入ったのに、今までと同様に配偶者控除が使えないと思ってもったいないことをしている方が全国にいます。

税務署は、「足らない税金」は払えと言ってきますが、「払い過ぎた税金」は言わないと返してくれません。

この点、マイナンバーが導入されることによって、平成28年分からは配偶者控除が使えないのに使っている人が、現在よりも見つけやすくなってしまうので、「足らない税金」を払え、というケースはますます増えることでしょう。

でも、逆に、マイナンバーがあることによって、「払い過ぎた税金」が見つかったのであれば、ちゃんと返してあげるように活用してほしいものです。

たぶん、やらないと思いますけどね。

だからこそ、自分で気づいてください。

【事例5】妻がネットビジネスをしている場合

パートやアルバイトは「給与」なので、年収から65万円を引いた金額が38万円以下かどうかで判断します。

一方、最近増えてきたWEBライター、メルカリやヤフオク、アフィリエイターなど、インターネットを利用して収入を得ている場合はどうでしょうか。

この場合は、給与所得ではありません。

一般的には雑所得か事業所得になります。

そのため、「収入-必要経費」で所得を計算します。

例えば、WEBライターとヤフオクでの収入が、10月までに合計50万円あって、あと2か月で10万円くらいもらえそうだと思ったら、60万円ですね。

パートやアルバイトはここから65万円を引いていましたが、雑所得や事業所得にはありません。

そのため、必要経費を引きます。

WEBライターとして記事を書くために本を買えば、本代も必要経費になります。ヤフオクで売るために仕入れた商品購入代金も必要経費となります。

例えば、必要経費が20万円なら「60万円-20万円=40万円」で38万円を超えてしまうため、この場合は惜しくもアウトです。

そう思うと、結構ハードルが高いことに気づきます。

最近は、ネットビジネスで稼いでいる方も多いと思いますが、65万円を引いたら大丈夫、と勘違いしている方も多いので、ご注意ください。それはパートやアルバイトのように、給料のときだけです。

【事例6】妻が青色申告をしている場合

さらに、最近は、稼ぎが多くなって青色申告をしている場合もあります。

このとき、特典として、青色申告特別控除という10万円または65万円の控除があります。

では、青色申告特別控除の前で判断するのでしょうか? 後で判断するのでしょうか?

正解は、『後』の金額で所得を計算します。

例えば、「60万円-20万円=40万円」で38万円を超えてアウトと言いましたが、これは白色申告の場合です。

青色申告で10万円控除をしていれば、「60万円-20万円-青色申告特別控除10万円=30万円」で38万円以下となり、配偶者控除の対象となります。

ただし、個人事業者として開業届を出して青色申告を選択することによって、夫の健康保険の扶養から即座に外れて国民健康保険料を負担したり、家族手当がなくなったりする場合もあるので、慎重に判断しましょう。

必ず、夫の勤め先の健康保険や手当などのルールを調べてからにしましょうね。

実は年収103万円を超えていた場合

さて、あくまで見積りなので、11月に書いて出したものの、12月にがんばり過ぎてパートの年収が103万円を超えてしまった、でも、年末調整では配偶者控除を適用してしまった。

こういうときは、どうすればいいのでしょうか?

そうなったら、配偶者控除が受けられない分、夫で「足らない税金」があるので、夫で確定申告をして不足分を払いましょう

翌年3月15日までに行えばOKです。

ちなみに、平成28年分からマイナンバー制度が導入されたので、バレるケースが増えます。

知らなかったふりをしていても、ある日、税務署から勤め先に連絡がいくかもしれません。

年収141万円までは配偶者特別控除が使えるので、そんなにダメージはないかと思いますが、それよりも、夫の会社の配偶者手当(扶養手当、家族手当)に影響がないか、確認した方がいいかもしれませんね。

年末調整で配偶者控除を受けないのはアリ?

正直、微妙だから、配偶者控除をやりたくない、という方もいます。

アリです。

その代わり、翌年になって、源泉徴収票をもらってできそうなら、あるいは、個人事業の収入と必要経費が確定してできそうなら、必ず、夫の方で確定申告をして、税金を取り戻しましょう。

 

いかがでしたでしょうか。もし、よくわからない点があれば、ご質問ください。コメント欄やお問い合わせからいただければ、私ができる範囲で回答させていただきます(具体的な税金の計算は法律上、できない点、ご了承ください)。

なお、次の記事も参考にしてください。

関連 [完全保存版] 働くママの産休・育児休業中にもらえるお金と社会保険・税金

関連 130万円と106万円の壁とは?パートで働く人が扶養内で働くために気をつけること

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今年の年末調整の準備はできましたか?

⇒ 平成28年版*年末調整で失敗しないための特集

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