2017/02/194 Shares

育児休業手当があると配偶者控除は無理?なぜ夫の会社は理解してくれないのか。

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なんでみんな無理って決めつけるの!?

「夫の会社に私が育児休業中なので、配偶者控除ができるんじゃないかと聞いてもらったら、『奥さん、育児休業手当もらってるから無理でしょ』と言われたみたいなんです・・・」

配偶者控除

どうもコメント欄に、そんなコメントをいただきます。

もし、そんなやりとりをしていたら、「相手が間違っている確率が9割」です。

だから、夫にこう聞いてもらうようにしてみてください。

「育児休業手当は妻の会社からではなく、妻の雇用保険から出ているので、税金の方では年収0円です。配偶者控除は年収が103万円以下だったらできると聞きましたが、間違ってますか?」

と。

今まで、育児休業中でも配偶者控除できるとブログ記事に書いて、おそらく200人以上の方は実践されたと思います。

配偶者控除は5万円~7万円くらい(夫が高収入ならもっと)の節税効果があるので、仮に5万円だとしても、5万円×200人分=合計1,000万円以上の節税を、生み出してきたと勝手に思っています。

配偶者控除

これはもともと、「本来ならできて当然の節税の権利」を皆さんが主張して獲得したにすぎません。

でも、知らなかったら、0円ですからね。

公的な制度は基本的に「申請制」ですから、自分で声をあげないとアウトなんです。

ここにこそ、このブログの存在意義はあるのではないかと思って、今日も「知らないと損するお金の話」をなんとかわかりやすく伝えられるように努力しています。

配偶者控除の条件:103万円の壁

さて、前置きが長くなりました。本題に入りましょう。

配偶者控除の中で、1番重要な条件は、配偶者(今回は「妻」)の年収が「給料」の場合、年収103万円以下というものです。

いわゆる「103万の壁」ですね。

では、「育児休業手当」と言っているものは、この103万円を考えるときに、どうなるのでしょうか?

※正確には所得38万円(給料の場合は103万円-給与所得控除65万円=38万円≦38万円となります)です。

「誰」からもらうかによって、全く異なる育児休業手当

まず、育児休業手当とは何か、について明らかにしましょう。

この場合、2つのものが考えられます。

  1. 妻の会社から直接もらえる育児休業中の手当=「給料」そのもの
  2. 妻が加入している雇用保険からもらえる「育児休業給付金」

そして、多くの会社では、育児休業中は「働いていない」ので、給料(育児休業手当という名前かどうかはそれぞれ)を出しません。

しかし、それでは安心して出産後、会社を休めないということで、自分(=今回は妻)が加入している雇用保険から「育児休業給付金」がもらえます。

産休育休中の収入・社会保険・税金

さて、この2つの育児休業中にもらえる収入ですが、実は、配偶者控除を考える際には、全く異なる意味をもちます。

例えば、それぞれ、1年間に180万円もらったとしましょう。

妻が「会社」から「給料」を1年間で180万円もらう場合、180万円は、年収103万円を超えるため、配偶者控除はできません(年収141万円も超えるため、配偶者特別控除もできません)。

一方、妻が「雇用保険」から「育児休業給付金」を1年間で180万円もらう場合、180万円は、年収103万円を判定する場合には、「年収0円」になります。

どういうことかというと、この「年収103万円」というのは、「税金が課税される収入(給料の場合)」があるときに判断基準として設けられているものです。

しかし、「育児休業給付金」は、非課税です。税金がかかりません。

だから、どれだけ育児休業給付金をもらったとしても、年収103万円の判定をするときには、「年収0円」なので、配偶者控除の対象となるのです。

  • 会社から給料をもらう場合:年収180万円 ⇒ ×
  • 雇用康保険から育児休業給付金をもらう場合:年収0円 ⇒ 〇

このことをわかっていない夫の会社の担当者は、何か収入をもらっていると「配偶者控除ができない」と勘違いしているケースが多々あります。

勘違いの原因は「社会保険」のせい?

さて、なぜ勘違いをするのかと考えたときに1つ思いつくのは、「社会保険」です。

健康保険・厚生年金保険は、育児休業中も妻本人が加入している保険を継続します。

出産を機に退職しない限りは、育児休業中に夫の扶養に入るなどという考え方はありません

この期間中は、健康保険料・厚生年金保険料が免除されているだけです。

産休育休中の収入・社会保険・税金

ところで、社会保険の方では、「収入」で判定するものがいくつかありますが、そのときには、例えば、雇用保険から支払われる「失業手当」なんかも含めて考えます。

実は、失業手当も税金が課税されない収入なのですが、社会保険の方では、税金が課税されるかどうかなんてどうでもよくて、「収入」かどうかで見ていることが多いので、失業手当であっても考慮するようになっています。

それと同じように、「育児休業手当も収入としてもらってるんだから、扶養は無理でしょ」と思っている方がいます。

税金の世界では、収入があるかどうかで見ていません。

「税金が課税される収入(給料の場合)」が「いくら」あるかが大事なのです。

育児休業給付金に税金がかからない根拠

では、本当に育児休業給付金には、税金がかからないのでしょうか?

育児休業給付金の根拠になっている「雇用保険法」を読むと、ハッキリと「税金が課税されない」と書かれています。

雇用保険法第12条(公課の禁止)
租税その他の公課は、失業等給付として支給を受けた金銭を標準として課することができない

雇用保険法第10条(失業等給付)
失業等給付は、求職者給付、就職促進給付、教育訓練給付及び雇用継続給付とする。
6  雇用継続給付は、次のとおりとする。
二  育児休業給付金

したがって、雇用保険から育児休業給付金をもらっている限り、税金は課税されないのです。

理解してくれないなら「これ」を提出しよう!

国税庁のタックスアンサーというよくある質問と回答をまとめたページの中に、「配偶者控除」に関するページがあるので、これを印刷して持っていきましょう。

No.1191 配偶者控除
https://www.nta.go.jp/taxanswer/shotoku/1191_qa.htm
この中の6番目のQ&Aに、今まで書いてきたことがのってます。

育児休業給付金の支給を受けている配偶者

Q6 育児休業給付金は、控除対象配偶者の判定上、合計所得金額に含める必要があるのでしょうか。

A6 雇用保険法第61条の4の規定に基づき支給される育児休業給付金は、同法第10条に規定する失業等給付に該当し、同法第12条の規定により課税されないこととなっていますので、控除対象配偶者に該当するかどうかを判定するときの合計所得金額には含まれません

国家公務員共済組合法第68条の2や地方公務員等共済組合法第70条の2に規定する育児休業給付金についても同様です。

(雇用保険法10、12、61の4、国家公務員共済組合法49、68の2、地方公務員等共済組合法52、70の2)

それでも理解してくれないなら、「確定申告」をしよう!

配偶者控除

・・・これ以上はギブアップなので、年末調整ではあきらめて、確定申告をしましょう。

年末調整でやっても、確定申告でやっても、節税になる金額は変わりませんので、できるなら、チャレンジしてみましょう。

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