2018/09/265 Shares

医療費控除とふるさと納税が年末調整でできない3つの理由

医療費控除とふるさと納税の年末調整

年末調整の季節になると意外とよくある質問が、「医療費控除は年末調整でできないの?」「ふるさと納税は年末調整でできないの?」というものです。

結論から言えば、医療費控除もふるさと納税も、年末調整ではできません


理由1:12月31日が終わってみないと支払った金額がわからないから

12月31日

1番もっともらしい理由は、1年間の医療費も、1年間の寄付金(ふるさと納税)の金額も、12月31日が終わるまではわからない、という点にあります。

私も1度年末にインフルエンザで高熱が出て、12月31日に夜間救急外来に行ったことがあります。

そうなると、12月31日に医療費を払うかもしれませんね。

この場合、その支払った医療費も医療費控除の対象です。

注:その日は診療だけで、支払いは年始にしてくださいと言われて1月5日に払った場合には、翌年の医療費控除の対象になります(治療した日ではなく、支払日ベースのため)。

このように、年末まで支払った医療費があるかどうかで確定するということは、医療費控除も年末調整でやるとなると、必ず年明け以降に書類を提出することになります。

 

しかし、実際の年末調整は、年明けからよーいどんでは間に合いません。

そんなことをされたら、1月年始からいきなり給与計算をしている担当者は残業続きで大変なことになります。

ブラックですね。う~ん。ブラック。

そのため、医療費や寄付金のように、年末まで払わないといけない可能性があるものは、年末調整の対象から外しています。




理由2:生命保険料のように「見込み」で計算できないから

生命保険の見込み計算

Aさん「いやいや、neronaさん、そういうんだったら、生命保険料控除だって、生命保険料を12月まで払ってみないとわからないじゃないですか」

なるほど、そういうご質問もわかります。

では、生命保険料控除の控除証明書は、どうなっているのでしょうか?

毎年、10月から11月に届きますね。

生命保険料控除証明書

そして、生命保険料控除で使うのは、

(参考)12月末時点のご申告額は以下のとおりです。

といった文言で書かれている方です。

あれ?

変ですよね。

なんで「参考」の金額をもってくるのか。

そうです。あくまで「未来に払う分」も含めた参考だからです。

でも、生命保険料って、毎月同じ金額を払ったり、年1回決まった金額を払ったりとか、わかりやすいですよね。

地震保険料も社会保険料も、大体、決まってます。

だから、9月以降に新しい保険に入ったりしない限りは、控除証明書の12月末までの見込みの金額で、合っているのです(大体ね)。

一方、医療費や寄付金はどうでしょうか。

無理ですよね。




理由3:医療費や寄付に該当するかどうかの判断が難しい。

医療費の判断基準

Bさん「でも、neronaさん。昔、内閣府が税制改正要望で寄付金控除を年末調整でやるように働きかけていたじゃないですか。だったらできるんじゃないですか?」

いや~、そうなんですよね~。

税制改正要望(来年の税制改正ではこういうことやってよね、という要望を各省庁がお願いしてます)で寄付金控除を年末調整にって言っているんですよね~。

でも、医療費控除も寄付金控除も、共通して言えるのは、判断が難しいってことなんです。

まず、医療費控除は、「医療費が対象となるかどうか」の判断が難しいです。

医療費の領収書をボンと提出して、「自分、わからないんで、よろしくお願いします!」って会社の年末調整の担当者に出してみてくださいよ。

医療費控除の判断

いや、もう、地獄ですよ、これ。

税理士じゃないんだからね。

全部医療費だったらまだいいですよ。でも、わからないから予防接種の領収書とか混ぜますよね。

ふるさと納税の方も、まあ、ふるさと納税だけならまだいいんですが、公益社団法人とか、公益財団法人とか、学校法人とか、国立大学法人とか、認定NPO法人とかに寄付をした場合、中には、2種類の選択肢があって、どれを使うと有利とか、違うんですよ。

・・・でも、それを判断させるとか、むちゃぶりですよ。

税理士じゃないんだからね。

そうなんです。

医療費控除と寄付金控除には判断がいるんです。

一方、年末調整で必要なものには、通常、判断は必要ありません。

今後、もし寄付金控除が年末調整でできるようになっても、現在、ふるさと納税が「ワンストップ特例」という例外で確定申告ナシにしているような、「限定的」な年末調整での取扱いが限界だと思います。




年末調整の電子化で対象になる?

実は「年末調整の電子化構想」の中で、医療費控除や寄付金控除についても年末調整で行いたいという話は出ています。

どのような制度になるかは分かりませんが、今後情報が届き次第、記事にしたいと思います。

まとめ

今回は医療費控除やふるさと納税が年末調整でできない理由についてご紹介しました。

今後変わる可能性もあるのでそのときはまた情報を更新したいと思います。

医療費控除やふるさと納税を確定申告で行う方法については、国税庁の確定申告書等作成コーナーというフリーソフトで作る作り方について、ご紹介します。

※来年1月公開予定

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税金計算や扶養の具体的な有利不利の判断についてはこちらから

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