2018/04/0420 Shares

医療費控除の確定申告で還付するために気をつけたい12のこと【平成30年分】


医療費控除とは、医療費をたくさん使った年に自分で確定申告をすることによって、払い過ぎた税金の一部を還付してもらう制度です。

決して、医療費が減る制度ではなく、「税金」が減る制度です。

医療費控除は年末調整ではできない制度なので、自分で申請しないと誰もやってくれません。

関連 医療費控除とふるさと納税が年末調整でできない3つの理由

多くの人が、医療費控除で損をしています。

この記事では、こっそりと他人の失敗事例をご紹介します。

何か1つでもお役に立てたらうれしいです。

なお、医療費控除の確定申告書のつくり方は次の記事をお読みください。

関連 【画像あり】平成29年分 医療費控除の確定申告書の書き方と申請方法


1.通院のための「往復の電車代やバス代」を含めよう!

<Aさんのつぶやき>

医療費の領収書はがんばって集めていたんです。でもまさか、自宅から病院までの電車代やバス代が含まれるなんて、全然知らなかったんです。

病院へ行くための電車やバスなどの公共交通機関を利用した交通費も医療費控除の対象になりますが、知らない人がなぜか多いです。

え? 切符なんて残っていない?

え? Suica(電子マネー)だからどうやったらいいかわからない?

別に切符を集めろとか、Suicaの利用記録を出せと言っているわけではありません。

手書きのメモでもExcelでもいいので、簡単に明細書を作っておきましょう。

また、子どもが小さくて「親」が付添う場合の交通費や、本人の疾病が重度で付添いがなければ通院できない場合の「付添人」の交通費も対象になります。

ちょっと極端ですが、難病で東京の病院でしか治療ができない場合に、「大阪から通うための新幹線代」も対象となります(大阪の病院で治療ができるのであればもちろん×ですが)。

一方、マイカーで通った場合のガソリン代や駐車料金は対象外です。

タクシーも原則はダメですが、電車やバスでどうしてもいけないときはOKです。

〇:電車やバスなどの交通費

×:ガソリン代、駐車料金

△:タクシー代

もっと詳しい解説は、次の記事をお読みください。

関連 医療費控除の対象になる交通費は?領収書がなくても大丈夫?




2.医療費控除は「家族」の分も入れて申告しよう!

<Bさんのつぶやき>

この前同僚が、奥さんが歯医者で結構かかって奥さんの分も含めて医療費控除したんだよ、って話を聞いて家族の分が合算できるって初めて知ったんですね。

正確には、「自分」と「自分と生計を一にしている配偶者・親族」の分は対象になります。

生計を一というのが難しい言葉ですが、まあ、「家族」ならふつう該当します。

さらに、地方の両親に「仕送り」をしているような場合も「生計を一」にしているとカウントされるため、その両親の医療費を支払うと、あわせて医療費控除の対象となります。

そのため、同居しているかどうかは関係がありません。

大学に通うためひとり暮らしをしている息子(別居だが仕送りはしている)の医療費だって、支払っていれば対象になるので注意しましょう。

〇:自分の医療費

〇:家族の医療費

〇:生計を一にする親族の医療費

なお、あえて別々に申請することも可能です。

関連 医療費控除を家族合算せずに「夫婦別々」に申請することはできますか?




3.夫婦で健康保険が違っていても医療費ならOK

<Cさんのつぶやき>

自分は会社の健康保険、妻も勤務先の健康保険に入っているから、妻の分はダメかと思ってたんですよ。

でも、医療費控除は健康保険とは関係ないんですね。

「子ども」は「夫の健康保険」に入っているから、「私の分」と一緒に合算できないんじゃ、という方もいるかもしれませんが、なんの関係もありません。

医療費控除は、「自分と自分と生計を一にしている配偶者・親族の医療費を支払った人」が受けることができる制度です。

健康保険は社会保険の話であり、税金とは全く別の制度です。

税金のことを考える時に社会保険のことを考える方が多いですが、基本的に別のものです。

※勤め先が一致していないといけないと認めない場合はさておき・・・。




4.医療費控除は「自費診療」でも治療目的ならOK

<Dさんのつぶやき>

医療費控除? 歯医者で保険がきくものは入れてるけど、保険がきかない自費のはね・・・。

え? それもいいの!?

「保険」がきくものしか医療費控除の対象にならないという誤解が多いですが、何の関係もありません。

医療費控除の対象になるのは、一般的には「治療目的」や「医師の指示で使ったもの」です。

一方、「個人の希望」や「予防・美容目的」で使ったものは認められません(インフルエンザの予防接種代とかは予防なので×)。

例えば、治療目的のものであれば、歯科インプラントや、目のレーシック手術なども対象になる場合があります。

また、発育段階にある子どもの成長を阻害しないようにするために行われる「子どもの歯列矯正」などは対象となります。

美容目的の矯正は対象外ですが、大人でも、「治療目的であると歯科医の証明を受けた矯正」は対象になります。

詳細は次の記事を読みください。

関連 医療費控除が受けられる歯の治療費まとめ

5.ドラッグストアも治療目的で買ったものはOK

<Eさんのつぶやき>

病院の領収書は分けているけど、ドラッグストアのレシートは家計簿に貼ってるわね。

え? 医療費控除が使えるものもあるの!?

病院や診療所で払った費用しか対象にならないという誤解がありますが、まあ、イメージって怖いですよね。

治療や療養に必要な医薬品の購入、例えば、風邪をひいた場合の風邪薬などは対象となります。

薬局で風邪薬を買うのも治療目的なら、ドラッグストアで風邪薬を買うのも治療目的です。

一方、栄養ドリンクやビタミン剤などの病気の「予防」や「健康増進」のために買うものは、治療でもなんでもないため、対象外です。

そうです。

どこで買うかではなく、「治療目的」かどうかが大事なのですね。

6.もらった保険金は医療費全体からマイナスしない!

<Fさんのつぶやき>

帝王切開は手術だから医療費控除が使えると思ったら、出産育児一時金や保険金は引かないといけないのね。

手術代よりもらったお金の方が多かったけど、これはどうなるの?

出産育児一時金や保険金を受け取った場合には、自己負担額が減るわけですから、「支払った医療費」から差し引いて医療費控除の計算をします。

例えば入院で10万円かかり、保険金が12万円だったように、もらえた分が多い時はどうすればいいのでしょうか。

あくまで保険金などで補てんされる金額は、「その給付対象の医療費」が限度です。それ以外の医療費から引く必要はありません。

例えば、

年間医療費15万円

内訳 A病院で▲▲の手術4万円、その他11万円

だったとします。

▲▲の手術は入院もして、医療保険から保険金が「6万円」出たとします。

おお! 4万円の支払に対して、6万円もらえたので2万円もうかった!と喜んで友人に話したら、「医療費控除の計算をするときは、保険金を引かないといけないんじゃないの?」と言われたとしましょう。

もし、保険金を全部引くと

合計15万円-保険金6万円=9万円

です。10万円以下になっていまいます!

「なんだ、じゃあ、医療費控除使えないのか・・・」

ちょっと待ってください。

引くのはあくまでその原因になったものが限度です。

つまり、▲▲の手術4万円のために6万円もらったのであって、他の医療費にとって保険金は何の関係もありません。したがって、今回は「4万円」だけ引けばいいのです。

入院4万円-保険金4万円=0円

入院0万円+他11万円=11万円

となります。 これで、10万円は超えて医療費控除が使えますね。

※この場合、医療費控除の申請上、対象外として「医療費の明細書」に載せないのが簡単です(計算結果は載せても載せなくても同じため)。

関連 もらった保険金は医療費全体からマイナスしない!医療費控除のおトク技

7.診断書作成料はNG!紹介状作成料はOK!

<Gさんのつぶやき>

「診断書作成料」は対象外って聞いてたから、似ている「紹介状作成料」も対象外だと思ったけど、違うの!?

生命保険会社などに提出する診断書の作成料は、治療目的などではないため対象外です。

一方、東京国税局からわざわざ「紹介状作成料として健康保険が適用される文書料」は、紹介先医療機関での治療に必要な費用なので、医療費控除の対象になりますという公式見解が出ています。

参考 診療情報提供書に係る診療情報提供料の自己負担額の医療費控除の取扱いについて|東京国税局

かかりつけ医から大きな病院に紹介状を書いてもらうときに、その紹介状の作成料もOKというわけですね。

やはりこれも、「目的」が大事ってことです。

専門家でも、文書料は全部×という方もいますが、先入観はダメということです。

8.医療費が10万円以下でも共働き世帯は医療費控除可能!

<Hさんのつぶやき>

医療費の領収書をかき集めたけど、ギリギリ99,000円でダメね。

え? 私? 時短で働いてるけど。

え? 使えるの!?

医療費控除は、総所得金額200万円以下の場合には、10万円ではなく、「総所得金額×5%」を超えた金額について対象となります。

給料だけもらっている人なら、

年収310万円(所得199万円)

199万円×5%=99,500円

年収250万円(所得157万円)

157万円×5%=78,500円

年収200万円(所得122万円)

122万円×5%=61,000円

年収150万円(所得85万円)

85万円×5%=42,500円

というように、年収が低くなるにつれて、そのハードルも下がっていきます。

医療費控除は、「医療費を支払った人」が受けることができる制度です。

このとき、「家族の分」を合算することができるます。

例えば、家族の医療費を全てが支払っている場合には、妻の方で医療費控除をすることができるのです。

もっと詳しくは、次の記事にて説明しています。

関連 年間10万円以下でも医療費控除ができる共働き世帯の裏ワザ

9.医療費控除は年収が多い方が有利とは限らない!

<neronaのつぶやき>

え? 10万円を超えても年収が多く人が有利とは限らないの??

はい、私が失敗していました。

以前、コメントをいただいて、計算してはじめて気づきました。

年収が低くなるにつれて、そのハードルも下がっていくため、例えば、年収150万円の人は、42,500円を超えれば医療費控除ができます。

ということは、15万円あった時に、

15万円-10万円=5万円控除

15万円-42,500円=10万7,500円控除

とでは、そもそも控除できる金額が全然ちがいますよね。

詳しくは、次の記事をご覧ください。

関連 10万円超でも医療費控除を「年収の高い人」がやると損をする場合

10.住宅ローン控除で所得税が0円でも医療費控除はしよう!

<Iさんのつぶやき>

年末調整で所得税が0円になったのに、する意味あるの?

冒頭に書いたように、医療費控除は医療費の一部が返ってきているという誤解が少なからずあるのですが、そんなことはなくて、税金を減らす制度です。

所得税が還付されるか、個人住民税が減額されるかのどちらかです。

つまり、所得税が0円だと、あとは個人住民税を減らすことになります。まず、所得税が0円だとしても、住宅ローン控除で住民税を限度額まで引いていなければ、住民税が減る可能性があります。

また、保育料を計算する時は、「住宅ローン控除」の住民税です。

ということは、仮に住民税自体が減らなくても、医療費控除をして保育料が減る可能性もあります。

関連 【画像あり】平成29年分 医療費控除の確定申告書の書き方と申請方法

11.住宅ローン控除と医療費控除は別々の方が有利な場合も!

実は、もう1つの選択肢があります。

所得税の最低税率は5%(+復興特別所得税)です。

個人住民税の税率は一律10%です。

夫が住宅ローン控除で所得税が0円となると、あとは住民税を減らすことになります。

一方、共働きで、夫婦同じくらいの年収がある場合は、話が違います。

妻は住宅ローン控除を受けておらず、所得税が残っていたらどうでしょうか。

税率ベースで考えると、

夫:住民税のみ10%

妻:所得税最低5%+住民税10%=最低15%

と、妻の方が還付額が多くなるので、「妻」が医療費控除を受けるとちょっとお得かもしれません。

このあたりは、結局のところどっちで医療費控除をした方が有利になるのか、自分でシミュレーションをする必要がどうしても出てきます。

なお、シミュレーションで大事なのは、常に「所得税」だけではなく、「住民税」も同時に計算して比較するということです。

12.医療費控除を受けるために、無理矢理病院に行っていた・・・。

<Jさんのつぶやき>

私の趣味は医療費の領収書を集めることなんです!

最後になりましたが、医療費控除というのは、あくまでお金を払う前提で受ける控除です。

そもそも、医療費なんて少なければ少ない方が良いわけですから、受けられなくて良かった!と思えるように、健康第一でがんばりたいですね。

確定申告の簡単な方法はこちらから!

誰でも簡単にできる確定申告書のつくり方について図解で説明しています。

こちらの記事もあわせてお読みください。

関連 【画像あり】平成29年分 医療費控除の確定申告書の書き方と申請方法

まとめ

「neronaさん、我が家は夫が○万円で、妻が○万円で、医療費が○円ですが、どっちが有利ですか?」というコメントやメールをいただきますが、税金を具体的に計算する仕事は、無料の場合も含めて税理士にしかできない仕事です。

まあ、税理士事務所に頼むのはふつうの方にはとてもハードルが高いと感じるでしょうし、税理士は会社や個人事業者がメインの相手で、会社員や公務員に対しては「金にならない」のでやりたがらないということもあるでしょう。

そういう場合は、税理士会や銀行などで無料相談をやっているので、これを活用するのもありかもしれません。

税理士会の相談会に行ってみる(日本税理士会連合会)

また、ネット上では弁護士ドットコム株式会社が運営する「税理士に無料で相談「みんなの税務相談」 – 税理士ドットコム」でも相談ができるようになっています。

関連 税金に関する相談は税理士または最寄りの税務署へ

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