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医療費控除の対象になる交通費は?領収書がなくても大丈夫?

医療費控除01

毎年1月1日から12月31日までの1年間に支払った医療費が10万円を超える場合には、「医療費控除」を受けることができます。

医療費控除の対象となる医療費の中には、病院へ行くための交通費(=通院費)が含まれます。

また、領収書がないけどどうしようと悩む方もいます。

この記事では、あまり知られていない医療費控除と交通費の関係について解説します。


電車・バスなどの公共交通機関の通院費の場合

Q.病院へ行くための電車料金は医療費控除の対象になりますか?→○

病院や診療所へ行くための電車やバスなどの公共交通機関を利用した交通費は、医療費控除の対象となります。

もちろん、「往復」の料金です。

医療費控除の対象となる通院費は、医師の診療などを受けるために「直接」かつ「通常」必要なものであることが条件となります。そして、原則として患者自身が通院するための交通費に限られます。

医師等による診療等を受けるための通院費若しくは医師等の送迎費、入院若しくは入所の対価として支払う部屋代、食事代等の費用又は医療用器具等の購入、賃借若しくは使用のための費用で、通常必要なもの

根拠 所得税基本通達73-3(控除の対象となる医療費の範囲)

Q.新幹線で遠方に行った場合の新幹線代も対象になりますか?→△

例えば難病のため、東京のA大学病院でなければ治療ができないという相当の理由がある場合には、自宅から東京のA大学病院の間に通うための旅費(新幹線代など)は、原則として医療費控除の対象となります。

 病状からみて近隣の病院でも治療できる場合の自宅と遠隔地にある病院の間の旅費は、医師等による診療等を受けるため直接必要なもので、かつ、通常必要な費用には当たらないので、医療費控除の対象とはなりません(所得税基本通達73-3)。

しかし、遠隔地のA大学病院でなければ治療ができないという相当の理由がある場合には、自宅とA大学病院の間の旅費は、原則として医療費控除の対象となります。

根拠 国税庁タックスアンサー「遠隔地の病院において医師の治療を受けるための旅費

Q.電子マネーSuicaで払っていますが対象になりますか?→○

電車料金やバス代は、キップ(切符)を購入しないで電子マネーで支払っている場合も多いと思いますが、その場合でも医療費控除の対象となります。

そもそもキップを残しておけとか、Suicaの利用記録を出せということはありません(Suicaの履歴を印字するのは漏れ防止になるので良いことです)。これはもともと領収書をもらうのが非現実的なので、例外的な取り扱いですね。

手書きのメモでもExcelの集計でもいいので、通院した日と金額の記録を残しておきましょう。

もし忘れたとしても、自宅から病院までの路線検索などをすれば料金が表示されますね。

1番重要なのは、通院履歴と交通費とが対応しているかどうかです。9月29日に病院に行ったなら、9月29日に自宅から病院の間の交通費があるはずです。9月30日に病院に行ってないのに9月30日の交通費が入っていたらおかしいですね。

下記は出産費用に関する国税庁の解説ですが、他も同じです。

通院費用については領収書のないものが多いのですが、家計簿などに記録するなどして実際にかかった費用について明確に説明できるようにしておいてください。

根拠 国税庁タックスアンサー「医療費控除の対象となる出産費用の具体例

Q.子どもに付き添った親の交通費は対象になりますか?→○

子どもが小さくて「親」が付添う場合の交通費や、本人の疾病が重度で付添いがなければ通院できない場合の「付添人」の交通費も医療費控除の対象になります。

子供の通院に母親が付き添う場合のように、患者の年齢や病状からみて、患者を一人で通院させることが危険な場合には、患者の通院費のほかに付添人の交通費(通院のために通常必要なものに限ります。)も医療費控除の対象となります。

根拠 国税庁タックスアンサー「患者の世話のための家族の交通費

Q.子どもの医療費や妊婦健診が0円でも交通費は対象になりますか?→○

我が家も子どもだけで通院は不可能なので交通費がかかるのですが、自分たちが住んでいる市では子どもの医療費は実質ゼロ円で医療費が発生しません。

しかし、このような場合であっても、あくまで「通院」のために交通費がかかるので、医療費が0円だとしても関係なく対象となります。

同様に、出産までの定期検診の費用(妊婦健診など)も実質ゼロ円になっている自治体が多いですが、交通費は対象になります。

Q.入院している子どもを世話するための母親の交通費は対象になりますか?→×

残念ながら含まれません。

 入院している子供の世話をするために母親が通院している場合は、患者である子供自身が通院していないことから、母親の交通費は、医療費控除の対象とはなりません。

医療費控除の対象となる通院費は、医師等による診療等を受けるため直接必要なもので、かつ、通常必要なものであることが必要であり(所得税基本通達73-3)、患者自身が通院するに際して必要なものに限られています。

根拠 国税庁タックスアンサー「患者の世話のための家族の交通費

う~ん。でもうちの子どもも1年の3分の1くらい入院していた時期がありますが、この負担って結構大変なんですけどね・・・。

Q.年末・年始の帰宅旅費は対象になりますか?→×

長期入院中の人が、医師の許可を得て、年末・年始の数日間を自宅で過ごすために帰宅することがあります。しかし、この場合の病院と自宅との間の往復旅費は、医療費控除の対象になりません。

入退院や通院のための旅費交通費は、医療費控除の対象となりますが、照会の場合の旅費は、医師等による診療等とは関係のない個人的な都合上必要なものにすぎないため、医療費控除の対象とはなりません。

根拠 国税庁タックスアンサー「長期入院中の者の年末・年始の帰宅旅費

自家用車やタクシーの場合

Q.ガソリン代や駐車料金は医療費控除の対象になりますか?→×

電車やバスといった公共交通機関と異なり、自家用車(マイカー)で通った場合のガソリン代や駐車料金は対象外です。

 医療費控除の対象となる通院費は、(略)電車賃やバス賃などのように人的役務の提供の対価として支出されるものをいいます。

したがって、自家用車で通院する場合のガソリン代や駐車場の料金は、医療費控除の対象とはなりません。

根拠 国税庁タックスアンサー「自家用車で通院する場合のガソリン代等

根拠が分かりづらいですが、建前としては、(1)自家用車で通う場合には、他の場所に寄ったり簡単にできてしまう、(2)ガソリン代は計算しにくいなんてことが言われるのですが、病院内の駐車料金なんて普通に領収書が出て明らかに通院のためですから、個人的には非常に疑問です。

Q.タクシー代は対象になりますか?→△

病状からみて急を要する場合や、電車、バス等の利用ができない場合には、医療費控除の対象となります。

例えば、突然の陣痛のため、タクシーを利用して入院した場合なんかですね。骨折して電車やバスにどうしても乗れなくてタクシーを使う場合もあるでしょう。

 タクシー代については、一般的にはその全ての金額が医療費控除の対象となるわけではありませんが、照会の場合のように、病状からみて急を要する場合や、電車、バス等の利用ができない場合には、その全額が医療費控除の対象となります。

(注) タクシーの利用を余儀なくされる場合において、そのタクシー代の中に高速道路の利用料金が含まれているときは、その高速道路の利用料金も医療費控除の対象となります。

根拠 国税庁タックスアンサー「病院に収容されるためのタクシー代

逆に言えば、それ以外の理由でタクシーに乗る場合は、医療費控除の対象にするのは難しいということになります。

医療費控除の明細書の記載例

平成29年分から様式が変わって、「医療費控除の明細書」を作成することになりました。

医療費控除の明細書1

交通費については、次のように記載します。

例)国税太郎さんが○△病院に通院した場合

2月18日

診療:6,500円 通院費(JR、○○バス)往復780円

5月28日

診療:5,500円 通院費(JR、○○バス)往復780円

○△病院計:12,000円 通院費計:1,560円

医療費控除の明細書5

※通院費の支払先が乗り継ぎなどによって複数ある場合であっても、1つの行にまとめて記入してOKです。

最後に

交通費については、ケースバイケースなところもあるので、迷ったら自分が確定申告をする税務署に電話などで確認してみてくださいね。

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