2017/02/242 Shares

もらった保険金は医療費全体からマイナスしない!医療費控除のおトク技

保険金の取扱いを知っているとトクをする!

医療費控除のわかりにくいところの1つとして、医療保険などの「保険金」の取扱いがあります。

結論から言うと、もらった保険金は、その対象となった治療に対する医療費だけからマイナスします。
医療費控除06
仮に、医療費をオーバーしても、他の医療費までマイナスする必要はありません。

根拠は国税庁「支払った医療費を超える補てん金」

これは、国税庁のタックスアンサー「支払った医療費を超える補てん金」に公式に書かれていることです。

支払った医療費を超える補てん金

【照会要旨】

同一年中に入院費と歯の治療費を支払った場合において、入院費の金額を超える金額の生命保険契約に基づく入院給付金の支払を受けたときは、その超える部分の金額は、歯の治療費から差し引く必要がありますか。

【回答要旨】

歯の治療費から差し引いて医療費控除の計算を行う必要はありません。

支払った医療費を補てんする保険金等の金額がある場合には、支払った医療費の金額からその医療費を補てんする保険金等の金額を差し引くこととされていますが(所得税法第73条第1項)、この場合の差引計算は、その補てんの対象とされる医療費ごとに行い支払った医療費の金額を上回る部分の補てん金の額は、他の医療費の金額からは差し引きません

したがって、照会の場合は、支払った入院費の金額を超える部分の入院給付金の金額を、歯の治療費から差し引いて医療費控除額の計算を行う必要はありません。

つまり、

入院費用を超える保険金をもらったけど、他に歯の治療費を払った分からも引かないといけないの?

という質問に対して、

引かなくていいよ。

と回答しているわけです。

理由は、「保険金の対象になる医療費ごと」にマイナスするので、他に影響しないというわけですね。

では、とある家族を例にして、どうなるのか見てみましょう。

父の医療費を入れる?入れない?

鈴木家は、夫、妻、子ども1人と生計を一緒にしている夫の父の4人家族です。

1年間、夫が歯医者で高い治療を受けたり、夫の父が入院したりして、医療費は10万円超えそうです。

そこで、医療費控除を確定申告しようとExcelに医療費の明細を入力していたら、少し困ったことが起きました。

夫、妻、子ども1人の医療費の合計は、だいたい13万円になります。

夫の歯医者の治療が思ったより高かったからです。

一方、夫の父は、病気で入院をして、「3万円」の治療費がかかりました。

ただ、後日、医療保険から保険金がもらえたのですが、それは入院費より多めの「8万円」でした。

単純に計算すると、4人家族が支払った医療費は「16万円」です。

そして、もらった保険金は「8万円」です。

医療費控除に関するサイトを見ると、どのサイトを見ても「家族全員合算しましょう」と書いてあります。

医療費控除02

そして、「もらった保険金はマイナスしましょう」とあります。

でもこのままだと、家族4人分の合算をすると、16万円-8万円=8万円になってしまいます。

あれ、10万円超えないから医療費控除ができない・・・。

じゃあ、夫の父の分は入れない方がいいのか・・・ではありません!

そうです。

正しい計算式は「16万円-8万円=8万円」ではないのです。

【保険金がある場合の計算式】

(1)入院費3万円-もらった保険金8万円=▲5万円⇒0円(医療費ごとにする)

(2)13万円+0万円=13万円

です。

このように、第1段階でもらった保険金をそれに対する治療の医療費から差し引いて、マイナスになったら0円にする(他に影響させない)というわけです。

父が入院費以外に医療費がある場合

さて、夫の父は入院費以外に医療費がないなんて考えがたいところです。

風邪をひいて内科に行ったり、歯医者に行ったりしてないでしょうか。

【前提】

夫、妻、子ども1人の医療費の合計:13万円

夫の父:入院費3万円(もらった保険金8万円)、他の医療費1万円

この場合は、次のようになります。

【保険金がある場合の計算式】

(1)入院費3万円-もらった保険金8万円=▲5万円⇒0円(医療費ごとにする)

(2)13万円+0万円+他の医療費1万円=14万円

もらった保険金が入院費を超えたとしても、他の医療費から控除する必要はありません。

こうなると、夫の父の分も一緒にして医療費控除をした方が得ですね。

最後に

医療費控除には、このほかにも11の変わったルールがあります。

こちらの記事に詳しく書いているので、参考にしてみてください。

関連 医療費控除の確定申告で還付するために気つけたい12のこと

また、実際に確定申告書を作るための手順をまとめました。よろしければどうぞ。

関連 図解でわかる!医療費控除の確定申告書の作成方法【平成28年版】

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