2018/12/039 Shares

【確定申告】医療費控除が受けられる歯の治療費まとめ

歯と医療費控除

自分と家族のために医療費を支払って、それが原則10万円を超えると医療費控除を受けることができます。

この医療費の範囲は「医師または歯科医師」による「診療または治療」で歯の治療費も入ります。

歯の治療のための薬の購入費も含まれます。

医療費控除の対象になるかの大前提は、歯の治療目的かどうかです。

それ以外の目的、例えば「予防目的」や「審美(しんび)目的(歯を美しく見せること)」の場合には医療費控除の対象外です。

この記事では、歯に関するいろいろな費用とそれが医療費控除の対象になるかをまとめました。

関連 図解でわかる!医療費控除の確定申告書の作成方法


1.医療費控除が受けられる歯の治療費の具体例

1-1.虫歯・歯周病の治療費

 (1) 虫歯の治療費:OK

虫歯の程度にもよりますが、

  • 虫歯の部分をけずって穴をきれいにして材料をつめて元の形にする治療
  • 欠けた部分の型をとって金属でつくり元の形にする治療

などがあります。

保険診療・自費診療にかかわらず、対象となります。

自費診療は対象外だと思っている方をとどき見かけますが、健康保険の対象になるかどうかは関係ありません。

 (2) 歯周病の治療費:OK

歯周病とは、細菌が原因の病気の一種です。

歯と歯ぐき(歯肉)のすきま(歯周ポケット)から侵入した細菌が歯肉の炎症を引き起こし、だんだんひどくなると歯を支える骨(歯槽骨)を溶かしてグラグラにさせてしまう怖い病気です。

歯周病になっている人はかなり多く、この治療費も対象です。

(3) 抜歯のための費用:OK

例えば

  • 親知らずを抜く
  • かみ合わせが悪くなる原因になる歯を抜く
  • 歯周病を広げないためにあえて抜歯する

は治療のため対象です。

1-2.歯を失った時の治療費

(1) ブリッジ:OK

なくなった歯の両隣の歯を削って支える台にして、義歯と連結(ブリッジ)して装着するための治療費も対象です。

(2) インプラント:OK

インプラントは「人工歯根」を骨に埋めて人工の歯をかぶせて、噛む機能や審美性を回復させる治療方法です。

歯を抜くのと同じ程度の手術が必要で金額も高額です。

審美目的か微妙なところですが、歯を失ったことによる他の歯への負担を減らすために治療目的で行われることが多いです。

たいていの歯医者さんでは「医療費控除の対象」とホームページで記載していますし、医療費控除の対象になると患者さんに伝えている場合もよく聞きます。

(3) 入れ歯・義歯の費用:OK

入れ歯・義歯も治療目的なら対象です。

1-3.高額な治療費

(1) 金歯や金冠などのつめものの費用:OK

歯科の保険診療の素材としては「銀」が一般的です。

「金」になると保険の対象外として自費診療になり、高額となります。

そのため医療費控除の対象になるのか疑問もありますが、金は一般的に利用されている素材のため、対象になると明記されています。

出典 国税庁:金やポーセレンを使用した歯の治療費

(2) セラミックなどによる治療費:OK

歯と同じ色になるセラミック(ポーセレン)も高額な場合があります。

現在は金と同じく一般的に利用されている素材のため、対象です。

出典 国税庁:金やポーセレンを使用した歯の治療費

(3) インプラント:OK

「1-2.歯を失った時の治療費」でもご紹介しましたが、1本数十万円するのがふつうです。

治療目的のインプラントは対象にな

(4) 歯科ローンの金利、分割払い・リボ払いの手数料:NG

金利や手数料は、信販会社やクレジットカード会社に対する支払いの一部です。

これらは医療費ではないため、医療費控除の対象外となります。

(参考)歯のローン・クレジットカードについて

医療費控除は「支払った年」の医療費が対象になります。

しかし高額な治療の場合、歯科ローンやクレジットカードで支払うことも多く、12月に治療をする場合は支払いが年をまたぎます。

歯科ローンは、患者が支払うべき治療費を信販会社が立て替えて、その立替分を患者が後から分割払いで信販会社に返済していきます。

したがって、信販会社が立替払をした金額は、「その立替え払いをした年(歯科ローン契約が成立した時)」の医療費控除の対象になります(出典 国税庁タックスアンサー)。

払った年ではなくて良いので例外です。

歯科ローンを利用した場合には、手もとに歯科医の領収書がないこともあります。

医療費控除を受けるときの添付書類には、歯科ローンの契約書の写しや信販会社の領収書でもOKです。

クレジットカード払いも同様に「クレジットカード払い」の段階で支払ったことになるため、銀行口座から引き落とされる年ではなくクレジットカード払いをした年でOKです。

1-4.治療を目的とした矯正歯科の費用

(1) 発育段階にある子どもの矯正歯科の費用:OK

「審美歯科」と呼ばれる「歯を美しく見せるため」に行われる歯列矯正は美容整形と同様にNGです。

ただし、発育段階にある子どもの矯正費用については成長を阻害(そがい)しないように、例外的に医療費控除が認められています

出典 国税庁:歯列を矯正するための費用

(2) 成人の噛み合わせを改善する治療の矯正費用:OK

成人矯正は税務署の担当者によっては「審美目的」と見られて微妙な場合もあります。

そのため実際に医療費控除を受けようとする場合は「治療目的」であることがわかる診断書を歯医者に出してもらうのが無難です。

ただし診断書は数千円かかることが一般的なので、控除される金額を見て考えた方がいいかもしれません。

1-5.通院のための交通費

  1. 通院のための電車・バス代:OK
  2. 子どものために親が付き添って通院した場合の親の電車・バス代:OK
  3. 通院のための車のガソリン代、駐車料金:NG

交通費の詳細については次の記事をお読みください。

関連 医療費控除の対象になる交通費は?ガソリン代・タクシー代・バス代の判定と書類の書き方

1-6.治療のための医薬品の購入費用

(1) 処方された歯痛止めなどの医薬品:OK

歯科医院で処方される代表的なものは、神経を抜いた後の痛み止めの薬です。対象になります。

(2) 薬局・ドラッグストアで購入した歯痛止めなどの医薬品:OK

医薬品も治療目的で購入する場合はOKです。

ドラッグストアの領収書は残しておきましょう。




2.予防目的か治療目的か微妙な医療費

ここからは予防目的か治療目的か微妙な医療費についてまとめました。

基本的には予防目的として医療費控除の対象外ですが、治療目的で行われる場合は対象になるので単純に費用の名前だけでは判断できないものです。

2-1.歯ブラシ・歯磨き粉・歯間ブラシ・デンタルフロスの購入費用

日常的に利用するのは単なる「予防目的」のため、医療費控除の対象とはなりません。

一方、「治療目的」で特定の歯ブラシや歯磨き粉を購入するよう歯医者さんから指導を受ける場合もあります。

そういう場合は医療費控除の対象になります。

領収書では「保険外」として記載されていることが多く、領収書だけでは判断できないので「治療用歯ブラシ」などとメモをしておくことをおススメします。

2-2. 口腔内洗浄液(モンダミンなど)やキシリトール配合のガムの購入費用

こちらも基本的には「予防目的」のため医療費控除の対象とはなりません。

2-3. 歯石・歯垢の除去費用

歯石・歯垢の除去費用(スケーリング)は、原則として虫歯や歯周病の予防目的で行われるのでNGです。

しかし予防ではなく、歯周病の治療と一緒に行われるようなものは治療に必要なものですので対象です。

ちなみに歯石・歯石の除去からさらに進んでPMTC(Professional Mechanical Tooth Cleaning)というものをやっている歯医者さんもあります。

これは自費診療になるので1万円前後かかります。

専門の機器を使って歯を磨き上げてフッ素コーティングをします。

一般的には「予防目的」のため医療費控除の対象外です。

2-4. 唾液検査の費用

唾液検査は、虫歯リスクを把握し、歯の予防計画を立てるために行うものが多いです。

そのため一般的には「予防目的」であり、医療費控除の対象外といえます。

ただし、治療の一環として唾液検査をする場合は対象となる可能性もあります。




3.審美目的か治療目的か微妙な医療費

ここからは審美目的か治療目的か微妙な医療費についてまとめました。

基本的には審美目的として医療費控除の対象外ですが、治療目的で行われる場合は対象になるので単純に費用の名前だけでは判断できないものです。

3-1. 矯正費用

芸能人は歯が命、というコピーのCMが昔ありましたし、将来の就職や結婚を考慮して見た目を美しくする目的で行われるものをいいます。

医療費控除はあくまで「治療」のために行われたものを対象にするため、原則として矯正費用は対象となりません。

例外として矯正費用の対象になる代表例は次の2つです。

  • 発育段階にある子どもの矯正歯科費用:OK
  • 成人の噛み合わせを改善する治療の矯正費用:OK

3-2. ホワイトニング・ラミネートべニア

「治療」と名前がついているものも多いのですが、ホワイトニングの目的は見た目をよくする審美目的のため、一般的に対象外です。

また「ラミネートベニア」というのも見かけますが、歯の表面を薄く削り、 そこにネイルチップのような薄い人工歯を貼り付ける方法です(要するに、「歯のネールアート」)。

こちらも治療というよりは、審美目的として一般的には対象外です。

3-3. セレック

「セレック」というのは「セラミック」を使った方法です。

通常、1回目「歯を削る⇒型を取る」⇒2回目「セットする」と2回通院が必要なところが、「歯を削る⇒セレックで作成⇒その日のうちにセット」と1回の通院で可能です。

歯と同じような色で隙間なくできるため、審美目的として行う場合も多く、その場合は対象外です。

ただし、治療目的で行われる場合も多く、虫歯の箇所を削ってセレックでつめものをするような場合は対象になると考えられます。




まとめ

医療費控除が受けられる歯の治療費を見てきましたが、「治療目的」かどうかです。

そして、医療費控除を受けるためには「医療費の領収書」が必要になるので確定申告まで忘れずに保管しましょう。

※平成29年分の確定申告からは原則として医療費の領収書自体は提出しなくて済みますが、手もとで5年間保管することになりました。

関連 「医療費控除の明細書」を領収書に替えて提出に!29年分の確定申告の注意点

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