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固定資産税と住宅ローン控除は12月入居と1月入居のどっちが得?

「年明けに入居した方が家の固定資産税が1年分かからないから年内より年明けにずらした方がお得ですよ」とハウスメーカーの担当者から説明を受けて、引渡しのスケジュールを延期したという話を聞いて疑問に思いました。

本当にそうなのでしょうか?

年内か年明けかで影響を受けるものは次の4つです。

  1. 「家」の固定資産税
  2. 「土地」の固定資産税
  3. 住宅ローン控除
  4. 家賃

しかしネット上でこの問題について検索したのですが、誰も4つについて同時に考えていないので、この記事で一度シミュレーションしてみます。

結論だけ見たい方は次のとおりです。

  1. 家の固定資産税:1月入居が有利
  2. 土地の固定資産税:12月入居が有利
  3. 住宅ローン控除:12月入居が有利
  4. 家賃:12月入居が有利

我が家の場合だと、もし12月入居だったら、

  1. 家の固定資産税:+44,200円(不利)
  2. 土地の固定資産税:△84,800円(有利)
  3. 住宅ローン控除:△96,759円(有利)
  4. 家賃:△54,532円(有利)

合計:△191,891円(有利)

となります。

なお、私も考え違いをしている可能性があるので、参考程度にしていただければと思います。

【注意】このブログでは「私」の固定資産税評価額や住宅ローン控除の計算根拠を使ってシミュレーションしています。具体的な相談はお受けできないので、税理士や税務署にご相談ください。

⇒ 税金に関する相談は税理士または最寄りの税務署へ

1.固定資産税は12月入居と1月入居のどっちが得?

固定資産税の計算

(1)家の固定資産税は「1月入居」が得

例えばここに、年内入居(2017年12月26日)のAさんと年明け入居(2018年1月5日)のBさんがいるとします。

固定資産税はその年の1月1日時点に所有している家や土地にかかるので、

【2018年1月1日時点】

  • Aさん⇒家あり⇒2018年度の固定資産税がかかる
  • Bさん⇒家なし⇒2018年度の固定資産税はかからない

となります。

そのため、1月入居のBさんの方が2018年度の固定資産税だけで見れば、1年分得をしているように・・・見えます。

しかし、長い目で見ると少し話は変わってきます。

なぜなら、Bさんは1年遅れてAさんとほとんど同じ金額を支払っていくだけだからです。

表にするとこんな感じです。

固定資産税比較

実はある時点で2人とも同じ金額を払うときが来ます。

それが25年経過後です。

一戸建ての木造住宅では固定資産税を計算するための計算方法が決まっているのですが、新築1年目は新築時の評価額の8割相当、そこからどんどん減って、25年経つと新築時の評価額の2割相当になります。

【住宅の経年減点補正率】

経年減点補正率

出典:東村山市「家屋の評価方法

経年減点補正率については次の記事が詳しいです。

参考 家屋の固定資産税評価額が高い!という声をよく聞くので経年減点補正率について調べてみました。

そこで、もう一度先ほどの表を見て、「同じ部分」を消していくと、異なる部分が出てきます。

固定資産税比較1

  • Aさん:25年目の家の固定資産税(新築時の評価額の2割相当を基に計算した税額)
  • Bさん:家の固定資産税が1年分なしの部分

つまり、BさんはAさんと比べて固定資産税が1年分なくなってお得なのは間違いないのですが、「1年目の家の固定資産税」ではなく「25年目の家の固定資産税」がなくなってお得になっているということになります。

※3年間に1度の評価替えは予想できないので無視してます。

では、それはいくらくらいなのでしょうか?

我が家は一条工務店で2,300万円ほどで家を建てましたが、固定資産税を計算する根拠となる新築時の評価額は約1,300万円でした(全国統一基準のはずですが、一条工務店で建てた方に情報を寄せていただいたところ、市町村によって明らかに違い、我が家はダントツで高い方でした(泣))。

25年目はその2割相当になるため、

25年目:1,300万円×0.2=260万円

固定資産税と都市計画税の両方がある場合の税率は原則1.7%なので、

260万円×1.7%=44,200円

だけ「1月入居」の方が得となります。

25年間で割ると1年あたり1,768円です。

我が家は高い方だったので、おそらくこの金額よりも低くなる方が多いと思います。

多くの人は「1年目の家の固定資産税」が安くなると思っているので大きな金額のように思うかもしれませんが、単に1年支払うタイミングがずれただけで、本当は「25年目の家の固定資産税」が安くなっていると考えると、実はそれほどでもないということになります。

(2)土地の固定資産税は「12月入居」が得

一方、土地については年内の12月入居が得です。

土地の上に住宅が建っていれば、小規模宅地の適用を受けて土地の固定資産税(都市計画税も)は優遇されますが、正直、計算が複雑なので、実際に我が家がどうだったかを比較します。

我が家は2011年に土地を2,200万円で先行して購入して、年をまたいで2012年に引渡し・入居しました。

したがって、2012年1月1日時点では、「土地(更地)」だけをもっていました。

そして、2012年に家を登記したので、2013年1月1日時点では、「住宅用地」となり、小規模宅地の適用を受けられて減税となります。

  • 2012年度:土地 119,300円
  • 2013年度:土地 35,500円(家が建って小規模宅地の適用あり)
  • 差額:84,800円

もし我が家も2011年12月までに入居していたら、2012年度から土地の固定資産税(都市計画税も)は35,500円だったわけですから、12月入居の方がそれだけお得になります。

我が家のように土地代が2千万円台だと、土地の固定資産税でかなり差が出ますね。

119,300円÷35,500円=3.36倍違うこととなります。

なお、更地と住宅用地とでは6倍違うという人がいますが、間違いです。更地の場合も負担調整措置というものがあるので、6倍にはなりません。3~4倍くらいです。

参考 「空き家」から更地になると固定資産税は6倍ではなく3~4倍になる|役に立つ固定資産税講座(33)

(3)固定資産税のまとめ

我が家がもし12月入居していたら、

  • 家の固定資産税:+44,200円(不利)
  • 土地の固定資産税:△84,800円(有利)
  • 合計:△40,600円(有利)

1月入居の方が家の固定資産税が1年分得になるというのは、我が家の場合は土地の固定資産税の差額で吹き飛びました。

地域にもよりますが、1,000万円くらいの土地ならちょうど家の固定資産税が増える分だけ土地の固定資産税が減ってトントンかもしれませんね。

2.住宅ローン控除は12月入居と1月入居のどっちが得?

住宅ローン控除の計算

(1)住宅ローン控除は12月入居が有利

原則として、年内の12月入居が有利です。

これは、住宅ローン控除が「年末残高」の1%相当という計算方法になっているからです。

年末時点での残高が多ければ多いほど有利です。

1月入居の場合、12月入居に比べて「1年分を返済した後の年末残高」になるので不利ですね。

それが本当なのか、「高機能住宅ローンシミュレーション」を使ってシミュレーションしました。

【前提】

住宅ローン:4,500万円(我が家と同じ)

住宅ローン控除の種類:長期優良住宅(最大控除50万円)

返済期間:35年間

金利:1.5%全期間固定(最近の金利にします)

住宅ローン控除比較

【12月入居の場合】

2017年~2026年の10年間で最大4,029,612円

【1月入居の場合】

2018年~2027年の10年間で最大3,932,853円

差額 最大96,759円(12月入居の方が有利)

ちなみにこれらの金額は最大値で、そもそも税金が発生していない年はここまで税金が減らしようがないので減税ができる金額は減ります(その結果、12月入居も1月入居も同じになる場合もありえます)。

(2)住宅ローン控除が9年になる場合がある?

例えば、2017年に「入居」して、2018年に「住宅ローンの契約」をするという年をまたぐ場合に、住宅ローン控除1年間できないケースがあります。

通常、住宅ローンの契約(金銭消費貸借契約)をしないと住宅の引渡しがないはずなのでそんなバカなと思うのですが、つなぎ融資をしている場合に起こるようです。

参考 Yahoo!知恵袋「住宅ローン控除の適用期間について

新築注文住宅の場合、注文住宅完成までに中間金を支払う必要があり、それをつなぎ融資で行う場合があります。その場合は建物の完成を確認できたら、住宅ローンの金消契約前につなぎ融資にて建築業者にはお金を全額支払うことになります。よって、入居は可能となりますので、その場合はどうなるのかを知りたいです。

この点については、フラット35の公式サイトでも注意喚起がされていますが、フラット35はつなぎ融資で先行してハウスメーカーに支払って、最後の最後に金消契約をしてつなぎ融資を一括返済するわけですが、その中で12月入居、年明け金消契約となるケースがあるのでしょう。

入居する年と住宅ローン契約をする年が違う場合、1年損するって聞いたけど?

入居した年の翌年に、住宅ローンの契約すると、住宅ローン控除の対象期間が1年短縮されます。

住宅ローン控除が受けられるのは「入居の年から10年」ですが、入居の年に住宅ローン契約をしていないと、その年は当然住宅ローン控除の対象にならないので、結果、1年短縮されることとなります。入居や住宅ローン契約が年末年始にかかりそうな方はご注意ください。

出典:フラット35「会社員が住宅ローン控除を受けるための「はじめての確定申告」」

この場合は「入居」した2017年から10年間住宅ローン控除ができるわけですが、住宅ローンの契約をしていないので2017年12月末時点の年末残高が存在しません

そのため、2017年分の住宅ローン控除ができなくて1年分損をするという恐ろしい結果になります。

さすがにこれはダメージがでかいですね。下手すると何十万円単位で損をします。

あんまりないと思いたいですが、間に合わないなら「1月入居」にして「入居」と「住宅ローンの契約」を同じ年にするのが無難ということになります。

(3)住宅ローン控除まとめ

我が家がもし12月入居していたら、

  • 住宅ローン控除:△96,759円(有利)

となります。1月入居がますます不利になっています。

3.マンションの家賃を考慮してますか?

アパートの家賃

そういえば、税金のことは熱心なのに意外と忘れられているのがマンションやアパートの家賃です。

「家賃を払うのがもったいない」と思っていたのに、1月入居にしようと引き渡しを引きのばしたら、1か月分の家賃を余計に払うことになりますよね。

日割りでそれほど日数が経たないのならいいかもしれませんが、もともと金額が大きい家賃ですし、年末年始をはさむので、時期によっては家賃の負担もバカになりません。

我が家は夫婦共働きで子どもが産まれる前で駐車場込みで112,700円でした(リアルな数字)。

例えば15日間の日割りだとしても112,700円×15日/31日=54,532円を余計に払うことになります。

我が家がもし12月入居していたら、

  • 家賃:△54,532円(有利)

となります。

まとめ

まとめると、

  • 家の固定資産税:1月入居が有利
  • 土地の固定資産税:12月入居が有利
  • 住宅ローン控除:12月入居が有利
  • 家賃:12月入居が有利

と考えられます。

我が家の場合だと、

  • 家の固定資産税:+44,200円(不利)
  • 土地の固定資産税:△84,800円(有利)
  • 住宅ローン控除:△96,759円(有利)
  • 家賃:△54,532円(有利)
  • 合計:△191,891円(有利)

となります。

え? 20万円も違ったの(;’∀’)

家の固定資産税がなんだって??

なお、土地1000万円で家賃5万円の家に住んでいる家庭だとしても、家の固定資産税を上回る可能性は十分ありえます。

とはいえケースバイケースなので、本当の有利不利はシミュレーションをしてみないとわからないのですが、具体的な税金の計算で相談にのれるのは税理士だけとなります。私はご相談いただいても何もできませんのでご注意ください。

・・・ただ、無理に年内の12月入居を急ぐとスケジュールが慌ただしくなって、引渡しの前後が雑な対応になってしまうし、引っ越し代も年末は高くなりがちです。

個人的には、長く住むためにしっかりと余裕をもって工事してもらうのが1番大事ではないかと考えております。

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