家や土地にかかる固定資産税について、マイホームを購入したり新築した方に向けて、知らないと損する7つのポイントをまとめました。
- 誰にかかる?
- いつかかる?
- いつ払う?
- いくらぐらいかかる?
- 都市計画税との違いは?
- 払い過ぎを防ぐ方法は?
- 節約する支払方法は?
固定資産税を節約する方法だけ知りたい方は、「クレジットカードのポイント」を貯める裏ワザがあるので次の記事を参考にしてください。
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固定資産税は誰にかかる?
固定資産税は、土地や家屋を所有している人に対してかかる税金です。
マイホームを持つということは、固定資産税という税金を毎年払うことに他なりません。
税金をかけるのは、市町村です。
市町村の財源になる「市町村税」の1つです。
※税務署ではありません!
なお、東京都の23区内だけは、例外的に東京都(都税の1つ)になっています。
実は、固定資産税というのは、市町村の税収の4~5割くらいを占めるので、けっこう大事な税金なのですね。
だから固定資産税を減税するのは難しく、私たちにとっては税金の負担が重いわけです。
一方、マンションやアパートを「借りている人」は、家も土地も所有していないので固定資産税はかかりません。
大家さんがマンションやアパートの所有者になるので、「大家さん」が固定資産税を支払うことになります。
・・・まあ、実際には、大家さんは固定資産税の分も含めて「家賃」に上乗せしているはずなので、全く関係ないとまでは言いませんが、それでも借りている人自身が固定資産税を直接払うことはないので、縁がありませんね。
固定資産税はいつかかる?
固定資産税は、毎年1月1日に土地や家屋を所有している人にかかります。
(例)
- 平成31年1月1日に所有:平成31年度分の固定資産税が課税
- 令和2年1月1日に所有:令和2年度分の固定資産税が課税
例えば令和2年1月20日に土地や家屋を手に入れた人は、「令和2年度分」の固定資産税はかかりません。
翌年の「令和3年度分」からになります。
そして大体4月~6月くらいに固定資産税の納付書が届きます。
固定資産税はいつ払う?
固定資産税を払ったことがある方は、4月~6月のどこかで市町村から納付書が届きます。
そのため固定資産税といえば、4月~6月のイメージがあるかもしれませんね。
例えば大阪市や名古屋市では、毎年4月に納税通知書が届き、年4回(4月、7月、12月、翌年2月)に分けて原則としてその月末までに納付します(最初の4月に一括で納付してもOK)。
一方、東京23区では毎年6月に納税通知書が届きます。
年4回は同じですが、6月、9月、12月、翌年2月というように期限が異なる場合もあります(最初の6月に一括して納付してもOK)。
出典:東京都主税局
ちなみに同じ東京でも八王子市・立川市・武蔵野市・三鷹市などは第1回目が「5月」、第2回目が「7月」です。
東京23区内は最初の2回がちょっと遅めです(不動産がたくさんあるからでしょうか)。
そのため、自分の住んでいる市町村がいつなのかは、自分が住んでいる市町村から来る案内や公式ホームページなどで確認しておきましょう。
固定資産税はいくらぐらいかかる?
固定資産税の計算式
固定資産税は、次のように計算されます。
- 課税標準額×税率(1.4%)=固定資産税額
このうち「課税標準額」というのは、国が決めたルール(=固定資産評価基準)に基づいて決定されます。
ざっくりいうと、おおよそ時価(買った時の値段など)の70%くらいが目安ですが、実際には、市町村が計算してくれた固定資産税の納税通知書を見ないとなんともいえません。
ただ、ざっくり把握することは大事なことなので、固定資産税の特例も確認して最後に計算方法をご紹介します。
「住宅用の土地」は優遇されている!
その前に、住宅用の土地にある特例を確認しておきましょう。住宅自体ではなく、その土地です。
<住宅用の土地の特例>
- 200㎡以下:1/6
- 200㎡超:1/3
6分の1または3分の1まで課税標準額が減るので、その分、固定資産税も減ります。
住宅用の土地は、優遇されているのですね。
200㎡というのは、坪数で言えば約60坪です。
都会なら多くが200㎡以下で6分の1におさまると思いますが、地方では土地が広くておさまらないかもしれませんね。
また、土地の面積が300㎡の場合は、200㎡までが1/6、200㎡を超えた部分(=100㎡)が1/3となります。
ちなみに、固定資産税は課税標準額が次の金額に満たないと税金がかからないのですが、一般的な住宅の場合には、関係のない話といえます。
- 土地:30万円
- 家屋:20万円
<我が家の具体例>
我が家は、141㎡で、1/6をした後の金額が1,815,375円です。
これに税率1.4%をかけると、36,500円(百円未満切捨)となります。
もし、1/6の特例がなかったら、土地だけで約22万円の負担になってしまうので、住宅用地の1/6の特例はありがたい仕組みですね(本当は他にも調整があるので単に6倍になるわけではありませんが、複雑なので省略します)。
「住宅」自体も優遇されている!
家屋の方も、たいていの住宅については、120㎡まで新築の住宅は「3年間」、認定長期優良住宅は「5年間」、税額が1/2になる特例があります。
当初は固定資産税も負担がやや抑えられています。
この期間が終わるといきなり建物に対する固定資産税が増えるので、「数年前に新築した家屋の固定資産税が急に高くなった(泣)」という方が続出します。
税率は原則1.4%ですが、実はバラバラです。
固定資産税の税率は「1.4%」が原則ですが、例外的に市町村によっては条例でこれを変更している場合もあります。
例えば、青森市や秋田市の税率は「1.6%」です。
市町村の貴重な財源となっているため、どこに住むかで税金の負担が違うのですね。
固定資産税を予想してみよう!
「返済計画」に反映していますか?
ここまでの知識を使って、固定資産税を予想してみましょう。
予想といっても、ざっくりしすぎているので、実際の金額とは合いません。
しかし、予想することは大事です。
それは、返済計画の中で、固定資産税は必須だからです。
例えば、我が家は固定資産税を現在年間14万円くらい支払っています。
ということは、毎月の住宅ローンに加えて、プラス1万円強を支払う必要があります。
これ、ちゃんと住宅ローンを借りる時に計算に入れていますよね。
住宅ローンだけなら返せると思っていても、固定資産税(+修繕費も)を含めると、毎月の返済計画が破たんする場合も良くあります。
特に建物の減税が終わる4年目(又は6年目)から非常に負担が重たくなった気になるので、注意ですね。
「土地」の固定資産税の試算
200㎡以内の場合は、
- 購入代金×70%÷6×1.4%
となります。
なお、税率1.4%は、自分が住む市町村のホームページで固定資産税の税率を確認して変えてください。
200㎡を超える場合には、1/6の部分と1/3の部分で分けるのが理想ですが、そもそもざっくりとした金額を出しているにすぎません。そのため、300㎡を超えない限りは、上記の算式と同じように計算してもよろしいかと思われます。
「建物」の固定資産税の試算
- 建物の購入代金×70%×1.4%÷2
新築の場合は、購入代金を「建築費用」にしておきます。
なお、税率1.4%は、自分が住む市町村のホームページで固定資産税の税率を確認して変えてください。
固定資産税と都市計画税の違いは?
先ほどの東京都の計算例では、固定資産税と一緒に「都市計画税」というものが載っていました。
これは、固定資産税とセットで課税されるもので、
- 課税標準額×税率(最高0.3%)=都市計画税額
で計算されます。
この課税標準額は、固定資産税と基本的な考え方は同じですが、固定資産税の特例と少し異なり、
<住宅用の土地の特例>
- 住宅用の土地で200㎡以下:1/3
- 住宅用の土地で200㎡超:2/3
とあまり優遇がありません。
また、家自体について税金を1/2にする特例は、都市計画税にはありません。
都市計画税が「かからない人」もいる!
都市計画税は、道路・公園・下水道整備などの都市計画事業や土地区画整理事業にかかる費用に使われます。
そのため、都市計画税は、「市街化区域」の中にある土地・建物を所有している人に課税されます。
といっても、市街化区域って何?という話なのですが、「市街化区域」というのは、住宅や商業施設や商店・商店街が密集した土地のことです。
その反対は、災害の発生のおそれがある土地や農地のままにすべき土地など、原則として市街化を抑制すべき「市街化調整区域」をいいます。
出典:堺市ホームページ
つまり、都市計画税は、市街化区域に住んで道路・公園・下水道整備などの恩恵を受けているんだから、固定資産税とは別にみんなで税金を負担してね、というものです。
そうすると、市街化区域以外の土地や建物に課税されないため、同じようにマイホームを手に入れても、住む場所によってかかる人もかからない人もいるわけです。
固定資産税の払い過ぎを防ぐ方法は?
いろいろな市町村で、固定資産税の「払い過ぎ」が問題になっています。
主な原因は次の4つですが、自分の身は自分で守るしかありませ。
- 住宅用地なのに1/6特例が適用されていない。
- 広い土地に「2世帯住宅」を建てて住んでいるのに特例が「2倍」適用されていない。
- 「登記簿の面積」が「実際の面積」と違う。
- 「セットバック」や「誰でも通れる私道」がある。
詳細は次の記事をご確認ください。
固定資産税を節約する支払方法は?
最後になりましたが、固定資産税を節約するための支払方法があります。
電子マネーのnanacoを使って固定資産税を払うことで、節約することができます。
どういうことかというと、本来ならクレジットカードでは支払えない固定資産税を、電子マネーの「nanaco」を経由することで、支払えるようにして、ポイントを貯めようという作戦です。
これで、クレジットカードのポイントが貯まります。
電子マネーnanacoとクレジットカードで節約をする具体的な方法は、次の記事に書いているので、よろしければ参考にしてみてください。