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年末調整書類は税務署に提出する?扶養控除申告書はなぜ来年の分を書くの?

この記事では年末調整でよくある3つの疑問についてご紹介しています。

疑問1:年末調整の書類は「税務署」に提出されるの?

答え:勤め先が保管します。

マルフ提出

年末調整の時期(10月~11月)になると、勤め先から年末調整の書類をもらいますよね。

例えば今年なら、

の3種類をもらいます。

そして、勤め先にこれらの年末調整の書類を提出すると、当然、年末調整をしている間は税金を計算するために勤め先にあります。

では、計算が終わったあとは、どうなるのでしょうか?

確定申告書であれば、「税務署」に提出することになります。

間違っていれば、後日、お問い合わせが税務署から来ます。

一方、確定申告書と違って、実は、年末調整の書類は税務署に提出されません

「勤め先」でそのまま保管されます。

え?

税務署はチェックしないの?

と聞かれたら、微妙な話になります。

まず、原則的には、勤め先は年末調整の書類を「税務署長に提出しなければならない」と法律に書いてあります(所得税法第194条~第196条)。

所得税法第194条(給与所得者の扶養控除等申告書)

国内において給与等の支払を受ける居住者は、その給与等の支払者(その支払者が二以上ある場合には、主たる給与等の支払者)から毎年最初に給与等の支払を受ける日の前日までに、次に掲げる事項を記載した申告書を、当該給与等の支払者を経由して、その給与等に係る所得税の第十七条(源泉徴収に係る所得税の納税地)の規定による納税地(第十八条第二項(納税地の指定)の規定による指定があつた場合には、その指定をされた納税地。以下この節において同じ。)の所轄税務署長に提出しなければならない

ごちゃごちゃ書いてますが、要するに、勤め先(=給与等の支払者)を経由して、「税務署長」に提出しなければないという義務が書かれています。

「おいおい、じゃあダメじゃん。何やってるんだよ、うちの会社は!」

と思うかもしれませんが、これには続きがあります。

実は、税務署長から特に提出を求められた場合以外は、提出する必要はありません

 この申告書は、本来、給与の支払者を経由して税務署長及び市区町村長へ提出することになっていますが、給与の支払者は、税務署長及び市区町村長から特に提出を求められた場合以外は、提出する必要はありません(給与の支払者が保管しておくことになっています。)

出典:国税庁「[手続名]給与所得者の扶養控除等の(異動)申告

そのため、勤め先で保管するのが普通です。

なお、法律上の保管期間は、7年間です。

マイナンバーの記載欄も設けられたため、ますます個人情報保護が重要になってきますね。

疑問2:なぜ昨年出した平成29年分の扶養控除申告書をもらってまた書くの?

答え:1年の間に状況が変更になるからです。

h29扶養控除申告書

2つ目のよくある素朴な疑問です。

例えば今年なら、

の3種類ありますが、このうち、「平成29年分 給与所得者の扶養控除等(異動)申告書」は、昨年10~11月に配布されて、自分が一度書いたものがまたやって来ますよね。

なぜでしょうか?

答えは簡単で、昨年出したときと状況が変わっている可能性があるからです。

今回の年末調整は、平成29年分について行います。

したがって、平成29年分の正確な情報に基づいて行う必要があります。

しかし、昨年書いたとき、つまり平成28年11月~12月時点では、本人だって1年後のことを正しく把握できません。

例えば、平成29年中に

  • 結婚して、配偶者控除の対象となる人がいるかもしれません。
  • 逆に離婚して、配偶者控除の対象となる人がいなくなったかもしれません。
  • 新たに子どもが生まれたかもしれません。
  • 障害者や寡婦・寡夫になった人がいるかもしれません。

このような事情を正しく反映するために、昨年出した平成29年分の扶養控除申告書をまた書かせるのです。

もし、状況が変わっていたら、訂正して提出しましょう。

特に、産休・育児休業で「所得の見積額」が変わった場合には、修正しないと「配偶者控除」が年末調整で受けられないかもしれませんよ。

関連記事 「所得の見積額」に年収を書くのはバツ!正しい計算方法と書き方をご紹介

疑問3:なぜ来年の平成30年分の扶養控除申告書を書かせるの?

さて、疑問2の説明をすると、「平成30年分の扶養控除申告書はなぜ今書くの? それこそ平成30年11月に書けばいいのに・・・」という疑問が思い浮かぶでしょう。

h30扶養控除申告書

まさに未来のことを予想して書かなければなりません。

今ではなく、平成30年11月頃に書けばいいじゃないか、と思いますよね。

そもそも、この書類は平成29年分の年末調整に関係ないですよね。

これは先ほど紹介した所得税法第194条に答えが書かれています。

所得税法第194条(給与所得者の扶養控除等申告書)

国内において給与等の支払を受ける居住者は、その給与等の支払者(その支払者が二以上ある場合には、主たる給与等の支払者)から毎年最初に給与等の支払を受ける日の前日までに、・・・。

扶養控除申告書は、年末調整にかかわらず、毎年最初に給与をもらう日の前日までに、勤め先が受け取っていなければならないのです。

実は、毎月の源泉徴収(所得税を天引き)をするときには、「配偶者控除・配偶者特別控除」や「扶養控除」の対象になる家族の数をもとに源泉徴収する金額を決めています。

したがって、平成30年1月の給与を支払う前には、扶養控除申告書を回収していないと給与計算ができません

このため、年末調整の書類と一緒に、ついでに書かせているのです。

また、年の途中で入社した場合にも、入社時にこの書類を書くことになりますが、理由は同じです。

給与計算をするためには、扶養控除申告書をもらわないと正しく計算ができないので、入社したときに提出するのですね。

終わりに

以上、年末調整に関する素朴な疑問を3つご紹介しました。

その他の年末調整の情報については下記のまとめページをご覧ください。

⇒ 平成29年分(2017年分)わかりやすい年末調整のしかた

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