5 Shares

所得税が0円なのに住民税が課税されたのはなぜ?100万円,97万円,93万円の壁に注意!

住民税の3つの壁

年末調整や確定申告で所得税が0円になったのに、後日、市町村から「住民税の納税通知書」が届いてびっくりしたことはありませんか?

パートやアルバイトの年収が「103万円以下」だったら税金はかからないって聞いたのに、どういうこと!?と思いますよね。

実は、住民税には「93万円の壁」「97万円の壁」「100万円の壁」があるのです。

この記事では、所得税が0円なのに住民税が課税されるのはどんな場合かについて説明します。


1.なぜ住民税だけが課税されるの?

住民税が「非課税」になる条件は、次のいずれかに該当する場合です。

  1. 生活保護をもらっている方
  2. 寡婦、寡夫、障がい者、未成年者で前年度の所得が125万円以下(給与だけの場合なら給与収入204万4,000円未満)の方
  3. 前年度の所得が各市町村の条例で定める金額以下の方

逆に言えば、1~3のいずれも満たさない場合、所得税が課税されない方でも住民税が課税されます。

特に重要なのは3番目の「前年度の所得が各市町村の条例で定める金額」です。

※「所得」は、ざっくり言うと「収入-経費=所得」で計算されます。

住民税とは、道府県民税(東京都では都民税)と市町村民税(東京都23区では特別区民税)の総称です。

定額の「均等割」と、所得に応じて税額が変化する「所得割」の2種類に分かれます。

均等割 所得割

道府県民税

原則1,500円 原則4%

市町村民税

原則3,500円 原則6%

合計

原則5,000円 原則10%

「均等割」は、生活保護基準の級地区分を参考に次のとおり区分されます。

  • 1級地⇒所得35万円(年収100万円)以下
  • 2級地⇒所得32万円(年収97万円)以下※
  • 3級地⇒所得28万円(年収93万円)以下

※2級地は所得31万5,000円(年収96万5,000円)以下を基準にする市町村もあります。

「所得割」は、全国一律で所得35万円以下(給料の場合、年収100万円以下)なら非課税です。

つまり、税金がかかるかどうかのボーダーラインは均等割の区分にあるわけです。

パートやアルバイトの場合、年収100万円、97万円または93万円で判断します。

※生活保護基準の級地区分については、「級地制度 – Wikipedia」で確認することもできます。




2.給料だけの人に住民税がかかるのはいくらから?

2-1. 年収100万円(所得35万円)

愛知県名古屋市(生活保護基準の1級地)では、「前年中の所得35万円以下」だと均等割も所得割も課税されません(名古屋市:市民税・県民税が課税されない方(非課税)(暮らしの情報))。

パートやアルバイトで働いていて、所得税も住民税も課税されたくない場合には、年収103万円以下ではなく「年収100万円以下」にする必要があります。

年収100万円-給与所得控除65万円=所得35万円≦35万円

年収 所得税 住民税
所得割
住民税
均等割

100万円超103万円以下

なし あり あり
100万円以下 なし なし なし

2-2. 年収97万円(所得32万円)

滋賀県草津市(生活保護基準の2級地)では、「前年中の所得32万円以下」だと均等割も所得割も課税されません(市民税・県民税のしくみ|草津市)。

パートやアルバイトで働いていて、所得税も住民税も課税されたくない場合には、年収103万円以下ではなく「年収97万円以下」にする必要があります。

年収97万円-給与所得控除65万円=所得32万円≦32万円

年収 所得税 住民税
所得割
住民税
均等割

100万円超103万円以下

なし あり あり

97万円超100万円以下

なし なし あり
97万円以下 なし なし なし

2-3. 年収93万円(所得28万円)

静岡県袋井市(生活保護基準の3級地)では、所得28万円(年収93万円)を超えると住民税の均等割が、所得35万円(年収100万円)を超えると住民税の均等割と所得割が課税されます(所得税が0円なのに、市県民税が課税されたのはなぜですか?/袋井市ホームページ)。

パートやアルバイトで働いていて、所得税も住民税も課税されたくない場合には、年収103万円以下ではなく「年収93万円以下」にする必要があります。

年収93万円-給与所得控除65万円=所得28万円≦28万円

年収 所得税 住民税
所得割
住民税
均等割

100万円超103万円以下

なし あり あり

93万円超100万円以下

なし なし あり
93万円以下 なし なし なし




3.副業だけの場合で住民税が課税されるのはいくらから?

最近はインターネットを利用して副業をしている方も増えましたが、パートやアルバイトと同様に100万円、97万円、93万円までなら売上があっても住民税が課税されないかと言えば、そうではありません。

副業をしている場合の所得は、

「売上-必要経費=所得」

となります。

例えば、副業の売上が年間40万円、必要経費が年間6万円だとします。

売上40万円-必要経費6万円=所得34万円>28万円(袋井市)

もし袋井市に住んでいる場合には、所得28万円を超えるので住民税の均等割の対象になります。

「給料」の場合には、最低でも「65万円(給与所得控除)」が概算の経費としてマイナスできるのですが、副業の場合には「実際に支払った必要経費」だけが経費になります。

ネットで副業をしている方は、大量の転売でもしていない限りはそんなに経費がかからないので、すぐに所得28万円を超えてしまうわけです。

一方、もし名古屋市に住んでいる場合には、所得35万円以下なので、

売上40万円-必要経費6万円=所得34万円≦35万円(名古屋市)

となり、住民税は均等割も所得割も課税されません。




まとめ

パートやアルバイトの方は「103万円の壁」という言葉をよく聞くと思いますが、これは「所得税」だけの話です。

住民税については住んでいる市町村によって「93万円の壁」「97万円の壁」「100万円の壁」があるのでご注意ください。

ただし、住民税の所得割の税率は原則として10%です(プラス均等割が5,000円前後)。

税金を払っても90%は残るので、住民税がかかったとしても手取りを増やすためにがんばる方がいいかもしれませんね。

その場合は、住民税の負担を減らすために医療費控除も検討してみてください。

関連 医療費控除で還付金が0円になっても確定申告をする意味はありますか?

また、税金だけでなく社会保険にも注意点があるので、「扶養内で働きたい」という場合も「社会保険の扶養の壁」を一度ご確認ください。

関連 130万円と106万円の壁とは?パートで働く人が扶養内で働くために気をつけること

この記事はお役に立てましたでしょうか。感想や質問、お気づきの点があれば、「お問い合わせフォーム」やコメント欄からお気軽にご連絡ください。なお、コメント欄は私の承認後に表示されます。税金計算や具体的な有利不利の判断についてはこちらから

この記事が気に入ったら
いいね ! しよう