2019/10/04
パートやアルバイトで年収103万円以下で働く場合の源泉徴収票の見方
この記事ではパートやアルバイトで年収103万円の範囲内で働く方のために源泉徴収票の見方を説明します。
産休・育休中で平成30年分の年収が103万円以下になる場合も同様です。
勤め先から源泉徴収票をもらったら、しまう前に一度確認してみてください。
※年末調整書類の書き方は下記の記事をお読みください。
関連 【年末調整】年収103万円以下のパートの場合の妻と夫の書類の書き方
※詳しい源泉徴収票の見方は下記の記事で紹介しています。
源泉徴収票の支払金額
源泉徴収票のうち年収に該当するのが、支払金額です。
平成30年中に給料・賞与として「勤め先があなたに支払った金額」を書くので支払金額と呼びます。
注意が必要なのは、原則として通勤手当が含まれない点です。
たとえば通勤手当を年間6万円もらっていたとしても支払金額には含めません。
思ったよりも支払金額が少ないなと感じた方は通勤手当分だと思うので確認してみてください。
通勤手当は通勤に必要な経費のため、税金の計算上非課税にしています。
参考:No.2585 マイカー・自転車通勤者の通勤手当|国税庁
この支払金額が103万円以下の場合には、夫(または妻)が配偶者控除で節税ができます。
もし103万円を超えた場合でも201万5,999円以下までは配偶者特別控除の対象です。
関連 配偶者控除と配偶者特別控除の条件と違いは?妻や夫を扶養にして節税しよう!
関連 共働きでも産休・育休中は扶養に入れる!配偶者控除・配偶者特別控除で節税しよう!
給与所得控除後の金額
次は給与所得控除後の金額です。
まず給与所得控除とは、給料をもらっている人に認められる必要経費のことです。
年収103万円以下の場合、給与所得控除は最低金額の65万円になります。
例では
支払金額1,013,440円-給与所得控除65万円=363,440円
が給与所得控除後の金額です。
配偶者控除、扶養控除、障害者控除の中で所得38万円以下という条件があります。
給料だけの場合はこの給与所得控除後の金額が所得になります。
もし所得を知りたいときは源泉徴収票の給与所得控除後の金額を確認しましょう。
所得控除の額の合計額
3番目は所得控除の額の合計額です。
誰でも必ず使える所得控除が38万円の基礎控除です。
それに加えて年末調整でできる所得控除は次のとおりです。
所得から控除(マイナス)されるため、その部分には税金がかかりません。
例では基礎控除に加え生命保険料控除も利用する場合を想定しています。
基礎控除38万円と生命保険料控除24,000円の合計404,000円が「所得控除の額の合計額」です。
ここでよくあるのが「年収103万円以下でも生命保険料控除ができるの?」という質問です。
例では、給与所得控除後の金額363,440円から基礎控除38万円を引くとマイナスです。
363,440円-380,000円⇒マイナスに!
基礎控除だけで税金の対象になる部分は0円になります。
そのため源泉徴収票に「生命保険料の控除額24,000円」とあっても、何も控除できないのです。
ただし、年収93万円~100万円以下の場合には住民税が課税されます。
年収100万円前後の方は、住民税で節税になる可能性があるので生命保険料控除や地震保険料控除なども年末調整でしましょう。
関連 所得税が0円なのに住民税が課税されたのはなぜ?100万円,97万円,93万円の壁に注意!
源泉徴収税額
最後に源泉徴収税額です。
これが平成30年分の所得税の金額です。
源泉徴収税額という名前なのは、勤め先が源泉徴収した所得税の金額だからです。
年収103万円以下の場合は原則として0円になります。
給与所得控除(65万円)と基礎控除(38万円)があるため、税金が課税される部分が0円だからです。
関連 【源泉徴収票】源泉徴収税額が0円になる理由と所得税・住民税の申告の必要性
源泉徴収税額が0円以外の理由
もし源泉徴収税額が0円でない場合は、次のいずれかの理由が考えられます。
年の途中で退職した場合(年調未済)
1か月の給料が月88,000円以上の場合には、所得税が天引きされます。
もし途中で退職すると年末調整できないため、源泉徴収税額に金額が残ります。
摘要欄には年調未済(=年末調整がまだ済んでいない)と書かれるのが一般的です。
自分で確定申告をすれば数百円でも還付を受けることができます。
ただし、あまりに少ない場合は手間と税務署へ行く交通費や郵送代を考えて確定申告するかどうか考えましょう。
関連 【源泉徴収票】年調未済とは?年末調整や確定申告が必要なの?
「乙欄」で計算されている場合
源泉徴収税額が数万円ある方は、天引きされる税金が乙欄で計算されている可能性があります。
源泉徴収票の下の「乙欄」と書かれた場所に「〇」がついています。
乙欄の場合には、月88,000円未満だとしても給料に対して3.063%相当の所得税が天引きされます。
この場合は年末調整では還付を受けられないので、自分で確定申告をすることになります。
他の収入がある場合には合算して計算するため還付にならない場合もあります。
関連 パート・アルバイトの所得税は月の給料がいくらから発生する? 源泉徴収税額表(甲乙欄)の見方
関連 2か所から給料をもらっている人の年末調整・確定申告・住民税の注意点
まとめ
源泉徴収票の見方は学校でも職場でも教えてくれませんが、大事な情報がつまっています。
この記事が参考になれば幸いです。