2017/03/234 Shares

年末調整で「住民票の住所」と「実際の住所」が異なると住民税はどうなる?

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住民票を移してない場合のポイント

単身赴任のサラリーマンや実家を離れて下宿している学生さんは、「住民票の住所」と「実際の住所(単身赴任先や下宿先)」が異なっていることがあるかもしれません。

住所1

住所が変わったときには、住民票を移すための届出である「転入届・転出届」は、住民基本台帳法という法律で「義務」になっています。

住民基本台帳法第22条(転入届)

 転入(新たに市町村の区域内に住所を定めることをいい、出生による場合を除く。以下この条及び第30条の46において同じ。)をした者は、転入をした日から14日以内に、次に掲げる事項(いずれの市町村においても住民基本台帳に記録されたことがない者にあつては、第1号から第5号まで及び第7号に掲げる事項)を市町村長に届け出なければならない

引越しをしたら「14日以内」に転入届をするように言われるのは、この法律が根拠です。

もし、ウソの届出をしたり、理由なく届出をしない場合には、5万円以下のペナルティがあります。

住民基本台帳法第52条(罰則)

第22条(略)の規定による届出に関し虚偽の届出(第28条から第30条までの規定による付記を含む。)をした者は、他の法令の規定により刑を科すべき場合を除き、5万円以下の過料に処する。

2 正当な理由がなくて第22条(略)の規定による届出をしない者は、5万円以下の過料に処する。

ただし、サラリーマンが単身赴任の間、「家族がいる住所」に住民票があるような場合や、学生さんが地方から東京にひとり暮らしをしている間、「実家の住所」に住民票がある場合は、住民票を移さなくても問題ないとされることがほとんどでしょう。

そのため、住民票を移さない人もたくさんいます。

※それ以外の理由があるときの取り扱いまでは専門外なのでわかりません。自己責任でご対応ください。

では、勤め先やアルバイト先から年末調整のために「扶養控除等申告書」を書いてくださいと言われたら、この中で、「住所」はどの住所を書けばいいのでしょうか?

「住民票の住所」?

「実際の住所」?

この記事では、「住民票の住所」と「実際の住所」が異なる場合に「住民税」はどうなるのかについてまとめました。

結論:ふつうは「実際の住所」で住民税を課税

住所2

まず、この問題について、回答を書いている市町村のホームページから拾ってみましょう。

まずは、

Q4. 住民票を移さずに違う市区町村に暮らしている場合は?

質問

私は中野市から住民票を移さないまま、東京に住んで働いています。住民税はどこに納めればよいのか。

回答

住民税はその年の1月1日に居住していた市区町村で課税することになっています。1月1日に東京で居住していたということであれば東京の市区町村で納めていただくことになります。

出典:長野県中野市

http://www.city.nakano.nagano.jp/docs/2014020700077/

お次は、私は浦安市にある会社の寮から勤めに出ていますが、住民登録はB市にあります。会社から浦安市の「市県民税特別徴収税額の通知書」を受け取りました。浦安市に住民税を支払うのですか?

実際に居住し生活を営まれている場所へ住所異動の届けをしていないとしても浦安市(生活の本拠地)に住所があるものとして、B市ではなく浦安市で住民税が課税されます。もし浦安市とB市の両市から税額通知が届きましたら、市民税課までご連絡ください。

出典:千葉県浦安市

http://www.city.urayasu.lg.jp/todokede/zeikin/juminzei/1000289.html

最後に、

Q

住民票はA市にあるのですが、実際は四條畷市に居住している場合でも住民税はA市に納めるのですか。

A

個人住民税を納める必要がある人で納める市町村は、1月1日現在に住所を有する市町村とされています。

住所とは、一般的には住民登録地(住民基本台帳登録市)で課税されますが、生活の中心とされる住所地が住民登録地と異なる場合は、その旨を申告していただくことによって、申告書に記入された1月1日現在の住所地で課税されることになります。

住民基本台帳に記録されていない市町村で課税されることになった場合は、住民登録地の市町村にその旨を通知しますので、二重に課税されることはありません

出典:大阪府四條畷市
http://www.city.shijonawate.lg.jp/kurashi/kurashi/zeikin/1462178564661.html#zyuuminn

以上、3つの自治体を見ましたが、見ての通り、「住民票の住所」よりも「その年1月1日時点で実際の住所」を重視していることが分かります。

根拠は「地方税法」にあり

地方税に関する法律である「地方税法」では、住民税(ここではそのうちの市町村民税)について次のように書かれています。

地方税法第294条(市町村民税の納税義務者等)

1 略

2 前項第1号の市町村内に住所を有する個人とは、住民基本台帳法の適用を受ける者については、当該市町村の住民基本台帳に記録されている者をいう。

3 市町村は、当該市町村の住民基本台帳に記録されていない個人当該市町村内に住所を有する者である場合には、その者を当該住民基本台帳に記録されている者とみなして、その者に市町村民税を課することができる。この場合において、市町村長は、その者が他の市町村の住民基本台帳に記録されていることを知つたときは、その旨を当該他の市町村の長に通知しなければならない。

4 前項の規定により市町村民税を課された者に対しては、その者が記録されている住民基本台帳に係る市町村は、第2項の規定にかかわらず、市町村民税を課することができない

簡単に言えば、

原則は「住民基本台帳(住民票)がある市町村」で住民税を課税します。

でも、「他の市町村」にその人が実際に住んでいるなら、「他の市町村」の住民基本台帳(住民票)に記録されている人ということにして、「他の市町村」で住民税を課税できますよ。この場合、「他の市町村」「住民基本台帳(住民票)がある市町村」に自分のところで課税することを伝えてください。

「住民基本台帳(住民票)がある市町村」はその人に対して住民税を課税したらダメですよ。

というわけです。

住所3

このため、住民票を移していないとしても、「実際の住所」で判断して住民税を課税していいとハッキリ書いているのです。

住民税は「地域社会の会費」

あれ?

じゃあ自分が書いた住所で住民税が課税される市町村が変わるの?ってことですが、そういうことです。

どちらも間違いではないのですが、ちょっと考えたら「実際の住所」を書くのって、自然だと思いませんか?

住所4

住民税というのは、行政サービスを受けたことに対する代金です。

地域社会の費用について、住民がみんなで広く負担するための「町内会費」みたいなものです。

※住民税の計算方法は所得税を基準にしているものもありますが、あくまで負担を決めるための1つの方法として所得税の考え方を借りているのであって、住民税は「所得」があるから税金をかけているわけではないと考えます。

例えば、単身赴任先や下宿先の自治体では、「ゴミの回収」をしてもらうことがあるでしょう。

そのゴミの回収は、一見すると無料で行われていますが、そこに住む住民が税金という形でみんなでお金を出し合っているからこそできることです。

住民票があろうがなかろうが、「住んでいる人」には「住んでいる市町村」に会費を払ってもらうのは、自然ですよね。

一方、「住んでいない(行政サービスを受けていない)」のに「町内会費を払う」のも、「住んでいる(行政サービスを受けている)」のに「町内会費を払わない」のも、それぞれ対応していないので、どうなのかなあ、とも思います。

最後に

さて、いろいろ書きましたが、勤め先によっては「住民票の住所」を書きなさいとか、「その前に住民票をちゃんと移しなさい」とかあったりして、この記事に書いていないこともいわれる可能性はあります。

住民税以外にも、選挙権や社会保険などほかに影響があることもありますので、最終的には、勤め先ともご相談ください。

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