2019/12/027 Shares

「住民票の住所」と「実際の住所」が異なると住民税はどうなる?

単身赴任の会社員や実家を離れて下宿している学生さんは、「住民票の住所」と「実際の住所(単身赴任先や下宿先)」が異なることがあります。

住民票と住民税

住所が変わったときには、住民票を移すための届出の転入届と転出届は、住民基本台帳法という法律で提出が義務化されています(住民基本台帳法第22条:転入届)。

引越しをしたら「14日以内」に転入届をするように言われるのは、このためです。

もしウソの届出をしたり、理由なく届出をしない場合には、5万円以下のペナルティがあります(住民基本台帳法第52条:罰則)

ただし次のような場合には、住民票を移さなくても問題ないとされることがほとんどでしょう。

住民票を移さない方もたくさんいます。

  • 会社員が単身赴任の間、「家族がいる住所」に住民票がある場合
  • 学生で地方から東京にひとり暮らしをしている間、「実家の住所」に住民票がある場合

さて、税金の1つ「住民税」は住所がある自治体が税金をかけます。

勤め先やアルバイト先に対して「扶養控除申告書」という書類を書くのですが

  • 住民票の住所(家族がいる住所・実家の住所)
  • 実際に住んでいる住所

どちらの住所を書けばよいのでしょうか?

この記事では「住民票の住所」と「実際の住所」が異なる場合に「住民税」はどうなるのかについてまとめました。


住民票の住所と実際の住所が異なる場合の住民税

住民票と住民税

この問題について、回答を書いている市町村のホームページから拾ってみましょう。

Q4. 住民票を移さずに違う市区町村に暮らしている場合は?

質問

私は中野市から住民票を移さないまま、東京に住んで働いています。住民税はどこに納めればよいのか。

回答

住民税はその年の1月1日に居住していた市区町村で課税することになっています。1月1日に東京で居住していたということであれば東京の市区町村で納めていただくことになります。

出典:長野県中野市

次は

私は浦安市にある会社の寮から勤めに出ていますが、住民登録はB市にあります。会社から浦安市の「市県民税特別徴収税額の通知書」を受け取りました。浦安市に住民税を支払うのですか?

実際に居住し生活を営まれている場所へ住所異動の届けをしていないとしても浦安市(生活の本拠地)に住所があるものとして、B市ではなく浦安市で住民税が課税されます。もし浦安市とB市の両市から税額通知が届きましたら、市民税課までご連絡ください。

出典:千葉県浦安市

最後に

Q 住民票はA市にあるのですが、実際は四條畷市に居住している場合でも住民税はA市に納めるのですか。

A 個人住民税を納める必要がある人で納める市町村は、1月1日現在に住所を有する市町村とされています。

住所とは、一般的には住民登録地(住民基本台帳登録市)で課税されますが、生活の中心とされる住所地が住民登録地と異なる場合は、その旨を申告していただくことによって、申告書に記入された1月1日現在の住所地で課税されることになります。

住民基本台帳に記録されていない市町村で課税されることになった場合は、住民登録地の市町村にその旨を通知しますので、二重に課税されることはありません

出典:大阪府四條畷市
http://www.city.shijonawate.lg.jp/kurashi/kurashi/zeikin/1462178564661.html#zyuuminn

以上、3つの自治体を見ました。

表現はそれぞれ異なりますが、「住民票の住所」よりも「その年1月1日時点に実際に住んでいる住所」を重視していることが分かります。




1月1日時点の実際に住んでいる住所で住民税を課税

原則は住民基本台帳(住民票)がある市町村で住民税を課税します。

しかし他の市町村にその人が実際に住んでいる場合、他の市町村の住民基本台帳(住民票)に記録されている人ということにして、他の市町村で住民税の課税ができるようになっています。

住民票と住民税

このため住民票を移していないとしても、実際の住所で判断して住民税を課税していいとハッキリ書いているのです(地方税法第294条:市町村民税の納税義務者等)。




住民税は「地域社会の会費」みたいなもの

じゃあ自分が書いた住所で住民税が課税される市町村が変わるの?ということですが、そうなります。

住民票がある場所も実際の住所もどちらも間違いではありません。

しかし、少し考えると実際に住んでいる住所を書く方が自然だと言えます。

住民票と住民税

というのも、住民税は行政サービスを受けたことに対する代金です。

住民税は地域社会の費用について、住民がみんなで広く負担するための「町内会費」みたいなものです。

例えば単身赴任先や下宿先の自治体で「ゴミの回収」をしてもらうとします。

そのゴミの回収は一見すると無料で行われていますが、そこに住む住民が税金という形でみんなでお金を出し合っているからこそできることです。

住民票があろうがなかろうが、住んでいる人には住んでいる市町村に会費を払ってもらうのは自然ですよね。




最終的には勤め先にも確認を!

さて、いろいろ書きましたが、勤め先によっては

  • 「住民票の住所を書いてください」
  • 「そもそも住民票を移してください」

とか言われる可能性もあります。

年末調整の際に「扶養控除申告書」を提出する際に不安な場合は、勤め先とよくご相談ください。

関連 扶養控除申告書の書き方

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※税金計算や扶養に入れるかなどの具体的な有利不利の判断についてはこちらから

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