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同居老親等(父母・祖父母)の老人扶養控除をする場合の注意点と所得の見積額【平成30年版】


同居している親や別居している親に仕送りをしている場合は、扶養控除(老人扶養控除)で節税できる場合があります。

この記事では、特に「年金をもらう親」を扶養にしている場合について条件をご紹介します。

また、入社時や年末調整で提出する「平成30年分 扶養控除等(異動)申告書」の書き方もあわせてご紹介します。

控除対象扶養親族

自分の親が扶養控除の対象になる「控除対象扶養親族」に該当するかどうか、ご確認ください。


年金をもらう親がいたら扶養控除が使えるかも!

年末調整で「扶養控除」を受ける場合には、16歳以上の子どものほか、自分の親や祖父母を扶養にできる場合があります。

特に両親が年金をもらっている年齢の場合、他に収入もなければ扶養控除の条件である「生計を一」かつ「所得38万円以下」に該当するケースが多いです。

<扶養控除の2つの条件>

  • 条件1:生計が一であること
  • 条件2:所得38万円以下であること

【条件1】扶養親族になれる「親」と生計を一にしているかの判断

(1) 同居して同じ財布で生活しているならOK

1番わかりやすいのは一緒に住んでいる場合ですね。

一緒に住んでいるといってもそれぞれが独立して暮らしているような場合は「生計が一」とはいいがたいので、生活費を一緒に出している場合になります。

(2) 別居している地方に住む両親でも仕送りしていれば可能!

別居している場合でも、例えば毎月、仕送りをしているような場合には、同じ財布で暮らしていることになります。

国税庁「地方に住む両親を扶養控除の対象とする場合」では、

  • 常に生活費、療養費等の送金が行われているなど「生計を一」にしていることが必要
  • これを証明する書類等を勤め先に提出する必要はない

意外なことに「いくら」仕送りしたらOKという金額的な基準はありません

これは、生活の状況やどこに住んでいるかによって仕送りの金額は一律に決められないからです。

ただし、明らかに別々に独立して生活していると認められる場合には扶養控除の対象外です。

地方に住む両親を扶養控除の対象とする場合」では仕送りの事実を確認するために銀行通帳で振込みの事実を確認するのがベターとあります。

年末調整については、勤め先の指示に従ってください。

【条件2】扶養親族になれる「親」の年収と所得の見積額の計算

(1) 年金収入のみ

親を扶養して扶養控除を受けるためには、所得が38万円以下である必要があります。

「平成30年分 扶養控除等(異動)申告書」の「平成30年中の所得の見積額」の欄を書くときにも、38万円を超えるようであれば、その人は扶養控除の対象外です。

所得の見積り額

「所得38万円」というと「年収38万円?」と思うかもしれませんが、全然違います。

生計を一にしている年金収入のみの親が扶養控除の対象になるのは、次の場合です。

  1. 65歳未満の親:年金収入108万円以下
  2. 65歳以上の親:年金収入158万円以下

なお、もらっている年金が遺族年金や障害年金の場合は、所得税が非課税のため、扶養控除の判定上、上記の収入に含みません。

例えば、自分の母親が「父親の遺族年金」と「母親自身の年金」で暮らしている場合には、母親自身の年金だけで確認してみてください。

※よくわからない場合は、あらかじめ税務署に確認することをおすすめします。

※「健康保険」の計算では遺族年金も収入とみなされるため、税金と社会保険では異なる点、ご注意ください。

(2) 年金収入と給与収入が両方ある場合

例えば年金のほかにパート収入がある場合はどうでしょうか。

  • 年金収入は30万円の見込み
  • 給与収入は100万円の見込み

年金収入は65歳未満なら70万円を、65歳以上なら120万円を引いで考えます。

・65歳未満

30万円-70万円<0円 よって所得0円

・65歳以上

30万円-120万円<0円 よって所得0円

今回は「30万円」なので、いずれにしても年金に対する所得は「0円」です。

また、給与年収103万円以下の場合は、65万円(給与所得控除)を差し引きましょう。

100万円-65万円=所得35万円

そして、この2つを合算します。

年金所得0円+給与所得35万円=所得35万円≦38万円

所得が38万円以下なので扶養控除の対象となります。

扶養控除申告書の「所得の見積額」には、「35万円」と記載します。

年金収入と給与収入がある場合には、それぞれ「差し引き」して、合計38万円以下がどうかで判定します。

逆に言えば、次の場合は扶養控除の対象外となります。

  • 65歳未満で年金収入が108万円超
  • 65歳以上で年金収入が158万円超
  • 給与収入が103万円超
  • 年金収入(70万円または120万円控除後)と給与収入(65万円控除後)の合計額が38万円超




扶養控除で節税できる金額は?

ここまで扶養控除の条件を見てきたので、実際に節税できる金額も確認しましょう。

親を扶養にして扶養控除を受ける場合、次の3パターンに分かれます。

(1) 老人扶養親族(同居老親等)

平成30年分では、昭和24年1月1日以前生まれ(70歳以上)の両親や祖父母等を扶養している場合で、かつ、同居しているときに、58万円の控除ができます。

所得税・住民税を合わせてざっくり8万円~10万円の節税です。

◎「平成30年分 扶養控除等(異動)申告書」の記載例

同居老親等

「老人扶養親族」には該当し、同居のため、「同居老親等」に「レ」をつけます。

なお、同居しているかどうかは住民票に名前が書いてあるかどうかというよりも、「実態」で判断されます。

国税庁の「「同居」の範囲(長期間入院している場合)」では、病気の治療のため1年以上入院していて別居している場合であっても同居に該当するとされています。

ただし、老人ホームに入所している場合は、老人ホームに住んでいるとみられるため、同居には該当しません。

例えば、最近、同居しはじめたものの、まだ手続きが遅れて親の住民票を移していないとしても、実際に「同居」しているのであれば、同居老親と言えるでしょう。

逆に、本当は同居していないのに、同居していると見せかけるために住民票を移すような行為は・・・ただの脱税ですよね?

(2)  老人扶養親族(同居老親等以外)

(1)と異なり、同居していない場合が該当し、48万円の控除ができます。

所得税・住民税を合わせてざっくり7万円~9万円の節税です。

◎「平成30年分 扶養控除等(異動)申告書」の記載例

別居の場合

「老人扶養親族」には該当しますが同居ではないため、「その他」に「レ」をつけます。

なお、病気の治療のために入院していることで別居している場合は、その期間が結果として1年以上といった長期にわたるような場合であっても、同居に該当するものとして取り扱って差し支えないとされています。

ただし、老人ホーム等へ入所している場合には、同居しているとはいえません。

(3) 一般の控除対象扶養親族

(1)・(2)以外の場合です。

平成30年分では昭和24年1月2日以後生まれの親族を扶養している場合に、38万円の控除ができます。

所得税・住民税を合わせてざっくり5万円~7万円の節税です。

◎「平成30年分 扶養控除等(異動)申告書」の記載例

一般扶養親族

「老人扶養親族」には該当しないので、「同居老親等」や「その他」をチェックする必要はありません。

扶養控除のその他の注意点

(1) 兄弟で母親を扶養することはできない。

兄と弟がそれぞれ別居している母親に仕送りをしても、扶養控除が使えるのは1人だけです(国税庁:兄弟で扶養している場合の扶養控除)。

どちらが扶養控除をするか事前に決めておきましょう。

(2) 障害者控除に該当するかどうかも確認を!

扶養控除の対象になる親や祖父母に障がいがある場合には、同時に障害者控除の対象になる可能性もあります。

この場合は、さらに扶養控除申告書の「C 障害者、寡婦、寡夫又は勤労学生」の欄に記載する必要があるので、ご注意ください。

障害者控除

この場合、身体障害者手帳のコピーなど障害者であることを証明する書類が必要になります。

まとめ

親に限らず、親族と同居していたり仕送りをしているような場合には、該当する可能性があるので、確認しましょう。

わからない場合は、税務署にあらかじめ相談することをおすすめします。

もし年末調整に間に合わない場合も確定申告(還付申告)をすることで取り戻せる場合がありますよ

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