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【年末調整】年金収入の親も扶養控除を!老人扶養親族の条件と申告書の書き方

親の扶養控除

子どもだけでなく親や祖父母扶養控除の対象にすることができる場合があります。

同居はもちろん、別居している親に仕送りをしている場合も節税できます。

  • 23歳以上70歳未満の親族:控除額38万円
  • 70歳以上の親族(老人扶養親族):控除額48万円(同居58万円)

所得税・住民税を合わせて5万円~10万円の節税になります。

5年間なら25万円~50万円の節税ですからバカにできませんね。

この記事では、

  • 親が扶養控除の対象になる条件
  • 入社や年末調整のときに提出する扶養控除申告書の書き方

を中心にご紹介します。

なお、祖父母も含めて「親」として説明します。


1.親が扶養控除の対象になる条件

親の扶養控除

扶養控除は、次の2つの条件を満たす場合に利用できます。

  1. 生計が一であること
  2. 所得38万円以下であること

それぞれ条件を確認しましょう。

1-1.親と生計を一にしているか?

(1) 同居して同じ財布で生活しているなら可能

1番わかりやすいのは一緒に住んでいる場合ですね。

一緒に住んでいるといっても生活費を一緒に出しているのが条件です。

(2) 別居している親でも仕送りしていれば可能

別居していても、毎月仕送りをしているなら同じ財布で暮らしていることになります。

  • 常に生活費、療養費等の送金が行われているなど「生計を一」にしていることが必要
  • これを証明する書類を勤め先に提出する必要はありません(ただし、勤め先が念のため銀行通帳などで振込みの事実を確認する場合もあります)

出典 国税庁「扶養控除(Q3.地方に住む両親を扶養控除の対象とする場合)」

仕送りを受けている大学生が親元を離れていても扶養扱いになるのを同じですね。

意外なことに「いくら」仕送りしたらOKという金額的な基準はありません。

生活の状況やどこに住んでいるかによって仕送りの金額は一律に決められないからです。

ただし、明らかに別々に独立して生活している場合には扶養控除の対象になりません。

1-2.親の所得は38万円以下か?

2つ目の条件は平成30年分の親の所得が38万円以下であることです。

「『年収』38万円以下?」と思うかもしれませんが、年収と所得では意味が全然違います。

  • 年収:1年間の収入
  • 所得:1年間の収入から必要経費(公的年金等控除・給与所得控除)を引いた金額

これだけだとわかりづらいので、「年金のみ」と「年金と給料がある場合」に分けて具体的に説明します。

(1) 年金のみ

年金収入から所得を計算するには65歳未満なら70万円を、65歳以上なら120万円の公的年金等控除を引いて考えます(マイナスの場合は0円)。

公的年金等控除とは、国が決めた概算の経費のことを言います。実際に使っていなくても経費としてみてくれるので税金の対象になりません。

そのため、年金のみの親の所得が38万円以下になるのは、次の場合です。

  • 65歳未満の親:年金収入108万円以下
  • 65歳以上の親:年金収入158万円以下

なお、もらっている年金が遺族年金や障害年金の場合、判定上含めません(所得税では非課税のため)。

  • 老齢年金⇒含める
  • 遺族年金・障害年金⇒含めない

例えば、自分の母親が「父親の遺族厚生年金や遺族基礎年金」だけをもらっている場合、所得38万円以下になります。

出典 国税庁「扶養控除(Q6.非課税所得(遺族厚生年金)と扶養控除)

※「健康保険」の扶養の判定では遺族年金も障害年金も収入とみなされます。税金と社会保険では扶養の考え方が異なるのでご注意ください。

(2) 年金と給料がある場合

例えば年金のほかにパート収入があったらどうでしょうか。

  • 年金収入は30万円の見込み(64歳)
  • 給料は100万円の見込み

年金収入から所得を計算するには65歳未満なら70万円を、65歳以上なら120万円の公的年金等控除を引いて考えます(マイナスの場合は0円)。

給与年収103万円以下の場合は、65万円給与所得控除を引いて考えます(マイナスの場合は0円)。

  1. 年金30万円-70万円(65歳未満)=△40万円⇒所得0円
  2. 給料100万円-65万円=所得35万円
  3. 合計:所得35万円

結果、所得が38万円以下なので扶養控除の対象となります。

(参考)親の所得が38万円を超えるパターン

次のいずれかに当てはまる場合は、扶養控除の対象外となります。

  • 65歳未満で年金収入(※)が108万円超
  • 65歳以上で年金収入(※)が158万円超
  • 給料が103万円超
  • 年金収入(※)(70万円または120万円控除後)と給料(65万円控除後)の合計額が38万円超

※遺族年金や障害年金を除いて判定します。




2.入社時や年末調整で提出する扶養控除申告書の書き方

入社時や年末調整の際には、勤め先に対して「扶養控除申告書」を提出します。

親を扶養にする場合には、次の3パターンに分かれるので注意しましょう。

  1. 70歳以上で同居
  2. 70歳以上で同居以外
  3. 70歳未満

なお、そのほかの部分の書き方については次の記事をお読みください。

関連 【画像あり】平成30年分 扶養控除申告書の具体的な書き方を徹底解説

2-1. 70歳以上で同居(老人扶養親族かつ同居老親等)

平成30年分では、

  • 昭和24年1月1日以前生まれ(70歳以上)の親を扶養
  • 同居している

の両方を満たせば、58万円の控除ができます。

所得税・住民税を合わせて8万円~10万円の節税になります。

▼「平成30年分 扶養控除等(異動)申告書」の記入例

同居老親等

「老人扶養親族に該当」「同居」の条件を両方満たすため、同居老親等に「レ」をつけます。

なお、同居しているかどうかは、住民票に名前が書いてあるかどうかというよりも、「実態」で判断されます。

同居しはじめたものの、まだ手続きが遅れて親の住民票を移していないとしても、実際に「同居」しているのであれば、同居老親と言えるでしょう。

当然ですが、同居の実態がないのに書類上で同居していることにするのは問題があります。

2-2. 70歳以上で別居(老人扶養親族)

昭和24年1月1日以前生まれ(70歳以上)の親を扶養しているものの、同居していない場合が該当します。

48万円の控除ができます。

所得税・住民税を合わせて7万円~9万円の節税です。

▼「平成30年分 扶養控除等(異動)申告書」の記入例

別居の場合

「老人扶養親族」には該当しますが同居ではないため、「その他」に「レ」をつけます。

2-3. 70歳未満(一般の控除対象扶養親族)

3つ目は70歳未満の場合です。

平成30年分では昭和24年1月2日以後生まれの親族を扶養している場合に、38万円の控除ができます。

所得税・住民税を合わせて5万円~7万円の節税です。

▼「平成30年分 扶養控除等(異動)申告書」の記入例

一般扶養親族

「老人扶養親族」には該当しないので、「同居老親等」や「その他」をチェックする必要はありません。




3.親を扶養の対象にする場合の注意点

親の扶養控除の注意点

3-1.親が長期間入院している場合

病気の治療のため1年以上入院していても同居に該当するとされています。

出典 国税庁「「同居」の範囲(長期間入院している場合)

3-2.親が老人ホームに入所している場合

老人ホームに入所している場合は、老人ホームに住んでいるとみられるため、同居には該当しません。

3-3.兄弟で母親を扶養するのはNG

兄と弟がそれぞれ別居している母親に仕送りをしても、扶養控除が使えるのは1人だけです。

兄と弟のどちらが母親について扶養控除をするか事前に決めておきましょう。

出典 国税庁「扶養控除(Q5.兄弟で扶養している場合の扶養控除)

3-4.障害者控除に該当するかどうかも確認を!

扶養控除の対象になる親に障がいがある場合には、同時に障害者控除の対象になる可能性もあります。

この場合は、さらに扶養控除申告書の「C 障害者、寡婦、寡夫又は勤労学生」の欄に記載します。

年末調整では、勤め先に身体障害者手帳のコピーなど障害者であることを証明する書類の提出が必要になります。

関連 【画像あり】平成30年分 扶養控除申告書の具体的な書き方を徹底解説




4.扶養控除は確定申告でも申請が可能!

もし年末調整に間に合わない場合は翌年の確定申告で扶養控除を申請しましょう。

また、数年経ってから気づいた場合でも還付申告をすることで取り戻せる場合があります。

通常5年間さかのぼれるので、税務署に相談してみましょう。

次の記事もあわせてお読みください。

関連 過去の還付申告書を作成するための確定申告書等作成コーナーの使い方

まとめ

親と同居していたり、仕送りをしたりしているなら、扶養控除が使えないかどうか確認しましょう。

もし扶養控除が使えるかどうかがわからない場合は、税務署にあらかじめ相談することをおすすめします。

関連 税金に関する相談は税理士または最寄りの税務署へ

なお、親の医療費も払っていれば、合算して10万円を超えた分が医療費控除の対象になるので次の記事もあわせてお読みください。

関連 医療費控除の確定申告で還付するために気をつけたい12のこと

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