2018/11/130 Shares

【年末調整】配偶者控除の判定で生命保険料控除や基礎控除を考慮するのは間違い!

配偶者控除と配偶者特別控除は、配偶者に所得制限があります。

  1. 配偶者控除:所得38万円以下の配偶者
  2. 配偶者特別控除:所得38万円超123万円以下の配偶者

この「所得」を計算するときに、

をあらかじめ引いておくことはできるのでしょうか。

ギリギリ所得が38万円を超えそうなときには使えたらいいのにと思いますよね。

結論から言うと、配偶者控除・配偶者特別控除の判定生命保険料控除や基礎控除を考慮してはいけません

この記事では控除における「所得」の考え方について説明します。

説明上、配偶者控除・配偶者特別控除を受ける人を「夫」、配偶者を「妻」とします。

※他にもいくつか条件がありますが、詳細は下記の記事をご覧ください。

関連 配偶者控除と配偶者特別控除の条件と違いは?妻や夫を扶養にして節税しよう!

関連 共働きでも産休・育休中は扶養に入れる!配偶者控除・配偶者特別控除で節税しよう!


1.103万円の壁や201万円の壁がある理由

所得は「収入」から「必要経費」を引いて計算します。

ただし給料をもらっている人は「給与所得控除」を引きます。

所得=給料収入-給与所得控除(最低65万円)

給与所得控除は次のように給料収入に応じて異なります。

給料収入 給与所得控除
162万5千円以下 65万円
180万円以下 給料収入×40%
360万円以下 給料収入×30%+18万円

例えば妻の給料収入が103万円なら所得は38万円です。

103万円-給与所得控除65万円=所得38万円

給料だけの場合、年収103万円以下なら所得38万円以下で配偶者控除の対象になるので「103万円の壁」と呼ばれます。

妻の給料収入が105万円なら所得は40万円です。

105万円-給与所得控除65万円=所得40万円

所得38万円を超えますが、所得38万円超123万円以下のため配偶者特別控除の対象です。

配偶者特別控除は、給料だけの場合には年収201万6,000円未満のときに所得123万円以下になるため「201万円の壁」と呼ばれます。

配偶者控除と配偶者特別控除

年末にもらう源泉徴収票を見ると「給与所得控除後の金額」という欄があります。

源泉徴収票3

この「給与所得控除後の金額」の欄に記載される金額が配偶者控除や配偶者特別控除の判定に使われる「所得」の金額です。

他に収入がある場合は、それぞれ所得を計算して合算することになります。給料と年金がある場合は次の記事をお読みください。

関連 パート収入も年金もある場合も配偶者控除・配偶者特別控除はできる?




2.生命保険料控除や基礎控除は配偶者控除の判定では関係ない!

さて、ここで納得いかない方もいることでしょう。

給与所得控除後の金額の横、「所得控除の額の合計額」欄を見ると「404,000円」とあります。

源泉徴収票4

「所得控除の額の合計額」は、基礎控除38万円と生命保険料控除・地震保険料控除などで控除できる金額の合計額です。

しかし残念ながら、「所得控除」の金額は配偶者控除の判定では無視されます。

控除できるのは給料のみなら「給与所得控除」だけです。




3.フリーランスは売上103万円以下でも配偶者控除の対象外になる場合も!

もう1つよくあるのが

「フリーランスにも103万円の壁、201万円の壁がある」

という誤解です。

フリーランスには給与所得控除という考え方はありません。

控除できるのは実際に支払った「必要経費」だけです。

例えば売上が103万円以下でも、必要経費を引いた後の所得が38万円を超えることはありえます。

売上60万円-必要経費10万円=所得50万円

この場合は配偶者控除の対象になりませんが、所得38万円超123万円以下なので配偶者特別控除の対象になります。




4.年末調整で生命保険料控除をしても意味がないの?

生命保険料控除は「夫の配偶者控除・配偶者特別控除の判定」では意味がありません。

しかし、妻自身の税金の計算をするときには重要です。

妻の年収が105万円だったとしましょう。

  • 年収105万円-給与所得控除65万円=所得40万円
  • 所得40万円-生命保険料控除2万円-基礎控除38万円=課税所得0円
  • 課税所得0円のため、所得税は0円

※課税所得は税率をかける前の金額

もし、生命保険料控除をしていなかったら、

  • 年収105万円-給与所得控除65万円=所得40万円
  • 所得40万円-基礎控除38万円=課税所得2万円
  • 課税所得2万円×税率約5%=所得税約1,000円

となります。

したがって、年末調整で妻自身が生命保険料控除を受けるのは重要です。

なお、生命保険料控除・地震保険料控除は「保険料を支払った人」が控除を受けられる制度です。

妻名義の保険料を「夫」が支払った場合は「夫」が控除を受けて節税になります。

  • 妻が支払う場合:妻が生命保険料控除
  • 夫が支払う場合:夫が生命保険料控除

参考:妻名義の生命保険料控除証明書に基づく生命保険料控除

まとめ

  • 夫が配偶者控除・配偶者特別控除を受けられるかどうかの判定→生命保険料控除・基礎控除は考慮しない
  • 妻自身の税金の計算→生命保険料控除・基礎控除は考慮する

このように、場面によって考慮するかどうかが異なります。

この2つを分けないで考えるためによくわからなくなるケースが多いように感じます。

 

なお、年末調整で配偶者控除・配偶者特別控除を受ける場合には、次の書類の提出が必須となります。

関連 平成30年分配偶者控除等申告書の具体的な書き方と記入例を徹底解説

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