昨年10月に第1子を出産し、その後も育児休業を取得して会社を休んでいます。
今年3月に念願のマイホームを購入し、夫婦連帯債務で住宅ローンを組んで返済中です。
ハウスメーカーの担当者からは
「来年の確定申告で住宅ローン控除の申告をすると税金が戻ってきますよ」
と言われましたが、今年は職場復帰する予定がないので給料は0円です。
【質問1】
この場合、住宅ローン控除は受けられないのでしょうか。
育児休業給付金はもらっているので収入はあります。
【質問2】
また、今年6月に市から住民税の納付書が届いたので、住民税を払いました。
この住民税は住宅ローン控除で還付されないのでしょうか。
【質問3】
来年から職場復帰予定ですが、職場復帰後は住宅ローン控除ができるということでよろしいでしょうか。
以上、3つの質問について、順番に回答していきます。
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注:この記事はよくありそうな質問と回答を一般化して記事にしています。特定の人に対する個別具体的な相談事例ではありません。
もくじ
(1) 育児休業中の住宅ローン控除
住宅ローン控除は
「自分が負担する税金」
を節税してくれる制度です。
つまり、その年に税金の負担があることが大前提になります。
質問のように「育児休業中でその年の給料がゼロ」の場合は
自分が負担する税金もゼロ
なので、住宅ローン控除はできません。
また、会社から給料をもらっていない場合、育児休業給付金をもらいますが、育児休業給付金には税金がかかりません。
やはり負担はゼロです。
結果、住宅ローン控除の期間が
- 10年の人:トータルで「9年間」
- 13年の人:トータルで「12年間」
と1年、住宅ローン控除で節税できる期間が短くなってしまいます。
残念ながらこれを後から取り戻すことはできません。
(2) 住民税と住宅ローン控除
次に今年支払った住民税です。
育児休業中で給料がない場合、給料から天引きできないので「自分」で支払うことになります。
そのため6月頃に住んでいる市町村から住民税の納付書が送られてきます。
税金の負担があるので住宅ローン控除ができそうに思いますが、残念ながらできません。
住民税は、「後払いの税金」です。
今年払う税金は、「昨年の給料」に対する税金です。
昨年の時点では住宅ローンを借りていないので、住宅ローン控除もできません。
(3) 職場復帰後の住宅ローン控除
今回は、育児休業中の年の税金の負担がゼロなので、残念ながら1年目の住宅ローン控除はできません。
翌年から職場復帰をしてまた給料をもらうようになると、税金の負担が発生します。
そのため、2年目以降は住宅ローン控除はできます。
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対策は夫婦の借入の割合を事前に調整するしかない
せっかくの住宅ローン控除ができないのはもったいないですよね。
対策としては
「夫婦の借入の割合」
を事前に調整しておくしかありません。
後で気づいても残念ながら遅いのです。
我が家も住宅ローン控除1年目はちょうど子どもの出産と重なりました。
そうすると「住宅ローン控除の期間」と「子育てで妻の収入が減る期間」が重なることはわかっていました。
そのため、夫婦の借入の割合を考えました。
「夫1:妻1」にしている家庭も多いかもしれませんが、我が家は「夫4:妻1」にしました。
妻の収入がゼロまたは減る期間があっても、住宅ローン控除ができない部分がそれほど大きくならない(全体の1/5)ためです。
- 夫1:「妻1」→1/2ができなくなる
- 夫4:「妻1」→1/5ができなくなる
なお、夫婦それぞれの収入や頭金と実態が合うように調整しましょう。
あくまでお金の出し方に応じて夫婦の割合を決めるのが前提で鵜s。
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