給与年収500万円以下なら税務署に源泉徴収票はいかない!源泉徴収票の提出範囲


源泉徴収の提出範囲

一般的な会社員の場合

  • 給与年収500万円超⇒税務署に提出
  • 給与年収500万円以下⇒提出不要

と、実は年収によって異なります。

 

一方、市町村へは住民税の計算上、「全員」提出です。

 

今回の記事は、源泉徴収票の提出範囲です。

 

令和9年からルール変更

令和5年度税制改正により、「令和9年1月1日以後に提出する源泉徴収票(=令和8年分)」からルール変更があります。

具体的には、企業が市町村に給与支払報告書を提出すれば、税務署に提出したことにする、というものです。

このルール変更に合わせて、源泉徴収票の提出範囲が給与支払報告書と一緒になりました。

つまり、ほぼ全員が源泉徴収票の提出対象者になります。

 

※源泉徴収票については、こちらの記事も合わせてお読みください。

関連 源泉徴収票のわかりやすい見方とチェックポイント

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関連 源泉徴収票の源泉徴収税額が0円になる理由と所得税・住民税の申告の必要性

税務署に提出する源泉徴収票の範囲

年末調整をした場合は、年収によって次の3区分に分かれます。

(1) 会社の役員は年収150万円超

会社の役員は、給与年収が150万円を超える場合に源泉徴収票を税務署に提出します。

取締役・監査役のほか、相談役や顧問といった方も含まれます。

(2) 士業は年収250万円超

あまりないですが、弁護士、司法書士、税理士等の士業は、給与年収250万円を超える場合に源泉徴収票を税務署に提出します。

※ふつうは「報酬」として支払うため、源泉徴収票ではなく「報酬、料金、契約金及び賞金の支払調書」の方を提出します。

(3) (1)(2)以外は年収500万円超

会社員の場合は、給与年収が500万円を超える場合に源泉徴収票を税務署に提出します。

逆に言えば、給与年収が500万円以下の場合には、提出不要です。

 

日本人の給与年収の平均は440万円くらいなので、実はあまり税務署に年末調整の結果が伝わっていないことになります。

年末調整をしていない場合

先ほどと異なり、年末調整をしていない場合は、次のとおりです。

  1. 扶養控除等申告書を提出し、退職した場合など:年収250万円超(会社役員は50万円超)
  2. 扶養控除等申告書を提出し、年収2,000万円超で年末調整をしなかった方
  3. 扶養控除等申告書を提出しなかった方(乙欄や丙欄):年収50万円超

 

源泉徴収票を税務署に提出するのは

「年末調整で税金の計算が終わらない可能性がある」

からです。

 

会社役員や退職者、乙欄適用者の下限が、一般の会社員に比べて低いですね。

これは、確定申告をする可能性が高い人ほど、下限を低く設定しているのです。




市町村に提出する給与支払報告書は原則全員

税務署のほかに、市町村にも年末調整の結果を伝えます。

これは市町村で住民税の計算をするためです。

源泉徴収票とほぼ同じ様式(フォーム)の「給与支払報告書」という書類を会社が作成して市町村に提出します。

 

提出対象者は

  1. 前年中に給与を支払った方
  2. 前年中に退職した方(支払金額30万円超)

です。

 

給与支払額の多い少ないは関係なく、アルバイト・パート・役員の違いも特にありません。

退職金については30万円以下なら提出不要ですが、これは入社して数日で退職するようなレアケースを想定しています。

 

ふつうに働いていたら、全員が提出対象者になります。

 

なお、市町村によってローカルルール(独自の基準)を設けている場合もあるので、必ず提出先の市町村のホームページなどでご確認ください。




まとめ

税務署の源泉徴収票と異なり、市町村の給与支払報告書は一般の会社員で年収500万円以下でも提出が必要です。

まとめると次のようになります。

<年収500万円以下の会社員>

  • 源泉徴収票⇒税務署に提出不要
  • 給与支払報告書⇒市町村に提出必要

<年収500万円超の会社員>

  • 源泉徴収票⇒税務署に提出必要
  • 給与支払報告書⇒市町村に提出必要

 

実は給与年収500万円以下の場合、税務署は年末調整の結果を知らないのですね。

 

源泉徴収票については、こちらの記事も合わせてお読みください。

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関連 パートやアルバイトで年収103万円以下で働く場合の源泉徴収票の見方

関連 源泉徴収票の源泉徴収税額が0円になる理由と所得税・住民税の申告の必要性

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40代共働き。書庫のある家に住んでます。お買い物情報やお得なポイント情報が好きです。年末調整や確定申告のやり方もご紹介⇒ 運営者詳細

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