この記事では
- 住宅ローン控除の還付金が振り込まれる時期
- 還付金が「思ったより少ない」理由
- きちんと控除されているかの確認方法
を解説します。
- 確定申告の還付金は1か月から1か月半後に振り込まれる
- 思ったより還付金が少ないときは住民税が減る可能性が大
- 住民税の決定通知書で住宅ローン控除を確認しよう!
年末調整で住宅ローン控除をしたときの「所得税」の還付金については次の記事をお読みください。
もくじ
住宅ローン控除の還付金は1か月~1か月半後に振り込まれる!
国税庁の「還付金はどのくらいで還付されるのですか」によれば、
- おおむね1か月から1か月半程度
- e-Taxの還付申告なら3週間程度
で還付されるそうです。
例えば3月上旬に確定申告書を提出すれば、4月中には還付されるわけですね。
還付の処理が完了すると税務署から「国税還付金振込通知書」というハガキが届いて、その4~5日後くらいに入金されます。
関連 10年使える住宅ローン控除のための確定申告用ファイルの作り方
あくまで目安なので、処理状況によっては5月に還付されるケースもあります。
過去にあった事例では
- 確定申告書に書いた「還付口座の口座番号」が誤っていた
- 「本人以外の家族」名義の口座だった
ことで振込みが遅れたケースもありました。
もし4月中に振り込まれていなくて不安な方は税務署に直接電話をして確認してみましょう。
住宅ローン控除の還付金が少ない理由は住民税のせい?!
「住宅ローン控除で住宅ローンの年末残高の0.7%相当が還付されますよ」
とハウスメーカーから言われて期待していたのに、いざ振り込まれた金額を見てショックを受けていないでしょうか。
そのとき考えられるのが、住民税の減額です。
(1) 住宅ローン控除の還付金は「天引きされた所得税」が限度!
住宅ローン控除で還付されるお金というのは、実は毎月の給料から天引きされている所得税です。
例えば、1年間で12万円の所得税が天引きされたとします(年末調整は考慮済)。
住宅ローンの年末残高が3,000万円あれば、住宅ローン控除は計算上
- 3,000万円×0.7%=21万円
となるはずです。
でも「21万円還付されるぞ!」と思っていたら・・・なんか少ない。
確定申告で還付されるのは、天引きされた所得税が限度だからです。
今回の例でいえば、天引きされた「12万円」までしか還付できません。
(2) 所得税で控除できない場合は住民税で控除が可能!
「21万円が還付されると思ったら、12万円。残りの9万円は還付されないの!」
実はこの話には続きがあります。
所得税で控除できない場合には、住民税で最大97,500円まで控除されます。
したがって、残りの9万円は住民税から控除されます。
確定申告をしていれば、自動的に税務署から自分が住んでいる市町村に情報が行きます。
その情報を受けて市町村では住民税を計算するときに減額してくれるので、特別な手続きをする必要はありません。
※97,500円を超える部分については、残念ながら住民税からも控除できません。
(3) 住民税の還付金がない理由
「じゃあ、住民税の還付金が来るんですね」
と思う方がほとんどだと思いますが、実は普通に確定申告をした場合には、住民税の還付金はありません。
住民税の減額です。
所得税は毎月の給料からその年の税金を天引きしているので、天引きしすぎた分は住宅ローン控除によって「還付」することができます。
一方、住民税は前年の所得を基に計算された「後払い」です。
そもそも住民税はあらかじめ天引きされていないので、還付しようがないということですね。
いやいや、住民税は給料から天引きされているよ、と思うかもしれませんが、それは1年前の住民税です。
- 所得税:令和6年中の毎月の給料から天引き←これが還付される
- 住民税:令和7年6月~令和8年5月頃の給料から天引き←これが減額される
※住民税は給料の支払時期によって1か月ズレる場合があります。
つまり、これから払う住民税が住宅ローン控除によって減るわけです。
住民税の決定通知書で住宅ローン控除を確認しよう!
ちゃんと住宅ローン控除が行われたかどうかは
「住民税の決定通知書」
で確認します(名前は市町村ごとに異なります)。
(例)住民税特別徴収税額の通知書
会社員や公務員の場合、「住民税の決定通知書」は直接各市町村から自宅に送られてきません。
「勤め先」から毎年5~6月頃にもらうことができます。
この中に住民税から控除される住宅ローン控除の金額がふつうは記載されているので確認しましょう。
ふるさと納税もしている方は次の記事も参考にしてください。
関連 ふるさと納税で住民税が還付されるのはいつ?税額控除を確認する簡単な方法
まとめ
所得税の住宅ローン控除の還付金は分かりやすいですが、住民税はわかりづらいですね。
住民税が減額された分だけ「給料の手取り」が多くなっています。
その分は生活費として使うのではなく、
- 固定資産税の支払い
- 繰上返済の原資
にするのがおすすめです。