平成31年4月1日以後の申告書の提出から「給与所得の源泉徴収票」の添付が不要になりました。
確定申告をするときも、源泉徴収票を添付しないのが常識になります。
確定申告書の「添付書類台紙」からも「源泉徴収票」の記載は消えて、マイナンバー関連だけになっています。
もともとペーパーレス・コスト削減などの名目で上場企業を中心に「給与所得の源泉徴収票」の電子交付が増えています。
平成31年3月31日までは電子交付の場合でも確定申告では紙の「原本」の提出が必須でした。
しかし、4月以降は提出不要のため事実上、紙で原本をもらう必要性がなくなりました。
このため紙の原本でもらおうが、電子交付でもらって自分でPDFで印刷しようが「提出しない」のでどちらでもよくなってしまいました。
参考 [PDF]平成31年4月1日以後の申告書について|国税庁
※源泉徴収票の見方については下記の記事をお読みください。
もくじ
確定申告に源泉徴収票は添付不要に!
平成31年度税制改正で主に次の書類について所得税の確定申告書への添付が不要になりました。
- 給与所得の源泉徴収票
- 退職所得の源泉徴収票
- 公的年金等の源泉徴収票
- オープン型の証券投資信託の収益の分配の支払通知書
- 配当等とみなされる金額の支払通知書
- 上場株式配当等の支払通知書
- 特定口座年間取引報告書
平成31年4月1日以後の「平成30年分以前の確定申告(還付申告・期限後申告・修正申告)」も同様です。
もともと「電子申告(e-Tax)」をする場合はデータ送信しているので源泉徴収票の提出は不要でした。
一方、自分で確定申告書を印刷して提出する「書面」の場合は源泉徴収票が必要でした。
~H31.3.31 | H31.4.1~ | |
電子申告 | 添付不要 | 添付不要 |
書面提出 | 添付必要 | 添付不要 |
今回の改正により、紙の原本でもらおうが、電子交付でもらって自分でPDFで印刷しようが「提出しない」のでどちらでもよくなってしまいました。
かつてあった紙の原本の提出の根拠は削除
以前は電子交付された源泉徴収票を印刷して使うことは「できません」と国税庁のQ&Aに書いてありました。
国税庁「給与所得の源泉徴収票等の電磁的方法による提供(電子交付)に係るQ&A」
(問15)※注:現在は削除
電子交付を受けた給与所得の源泉徴収票、退職所得の源泉徴収票又は公的年金等の源泉徴収票をプリントアウトして確定申告書に添付してもよいか。
(答)
確定申告書に添付する給与所得の源泉徴収票、退職所得の源泉徴収票又は公的年金等の源泉徴収票は、法令上、給与等、退職手当等又は公的年金等の支払者(交付者)から書面で交付を受けたものと規定されていますので、電子交付を受けた各源泉徴収票をプリントアウトして確定申告書に添付することはできません。
そのため3月までは確定申告のために勤め先から別途「紙の原本」をもらうのが正しい方法でした。
しかしこの記載は平成31年4月以降、削除されています。
確定申告書に源泉徴収票を添付すること自体が不要になり、そもそも源泉徴収票を会社から紙の原本で出し直してもらう意味がなくなったためと考えられます。
もともとペーパーレス化を進めてきているのに遅かったとも言えますが、ようやく変わりました。
源泉徴収票の添付不要でも確定申告書に記載は必要
源泉徴収票の添付は不要になりましたが、だからといって源泉徴収票自体が不要ということではありません。
確定申告をする際には源泉徴収票に記載された情報(給料の収入金額、源泉徴収税額、社会保険料控除・生命保険料控除・地震保険料控除などの金額)を記載(入力)する必要があります。
添付不要といっても捨てていいわけではないので確定申告書の控えと一緒に保管をしておきましょう。
また、税務署や確定申告相談会で確定申告書を作成する際にも源泉徴収票をもっていかないと情報の入力ができません。
電子交付されたPDFの源泉徴収票を印刷して持参しましょう。
※更正の請求
申告した税金が過大だった場合は還付してもらうために「更正の請求」という手続きが必要になりますが、この場合には根拠資料として源泉徴収票を添付する可能性があります。税務署にご確認ください。
まとめ
将来的には年末調整と確定申告はどんどん電子化が進んでいきます。
毎年少しずつルールが変わっていくので、このブログでも情報を更新していきたいと思います。
※源泉徴収票の見方については下記の記事をお読みください。