2017/12/144 Shares

電子交付された源泉徴収票は自分で印刷して確定申告で使っていいの?

答えは「ダメ」です。

ペーパーレス・コスト削減などの名目で上場企業などでは「給与所得の源泉徴収票」が電子交付される場合が増えていますが、確定申告ではあくまで「紙の原本」を提出するのでご注意ください。

電子交付

でも、会社から「電子交付された源泉徴収票は確定申告で使えませんよ」とわざわざ言われていても、「書いてあることは同じなのに!」と納得がいきませんよね。

この記事ではその根拠もご紹介します。


現在のルールは『原本』以外認めない!

平成19年(2007年)1月から、「給与所得の源泉徴収票」を紙にかえて、電子交付でもOKになりました。
源泉徴収票
上場企業などでは、経費削減のためにいろいろなものがペーパーレス化されていますが、給料明細や源泉徴収票も時代の流れで紙のものは廃止され、社内LANなどにアクセスして、自分専用のIDとパスワードを入力して閲覧する仕組みになっている場合もあるかと思います。

そのため、自分で印刷しないと給料明細すら手に入らない時代です。

・・・しかし、確定申告の時には給与所得の源泉徴収票の『原本』が必要です。

といっても電子化されているので、プリントアウトするしかありません。

さて、これは確定申告で使えるのでしょうか?

答えは、国税庁のQ&A(給与所得の源泉徴収票等の電磁的方法による提供(電子交付)に係るQ&A)にハッキリ「ダメ」と書いてあります。

(問15)

電子交付を受けた給与所得の源泉徴収票、退職所得の源泉徴収票又は公的年金等の源泉徴収票をプリントアウトして確定申告書に添付してもよいか。

(答)

確定申告書に添付する給与所得の源泉徴収票、退職所得の源泉徴収票又は公的年金等の源泉徴収票は、法令上、給与等、退職手当等又は公的年金等の支払者(交付者)から書面で交付を受けたものと規定されていますので、電子交付を受けた各源泉徴収票をプリントアウトして確定申告書に添付することはできません

このように、プリントアウトしたものを確定申告書に添付するのはダメとなっています。

勤め先から「紙」でもらうのが原則

紙の源泉徴収票

では、どうすればいいのでしょうか。

このQ&Aには続きがあって、

給与等、退職手当等又は公的年金等の支払者(交付者)から、書面により各源泉徴収票の交付を受けた上で、確定申告書に添付してください。

とあります。

書面というのは「紙」のことです。

つまり、確定申告のためには勤め先から改めて「紙」でもらいましょう、ということになります。

従業員から「紙でほしい」と言われたら会社は交付する義務があるので、少し時間がかかりますがもらえるでしょう。

ただし、給与所得の源泉徴収票等、退職所得の源泉徴収票等又は公的年金等の源泉徴収票等の電子交付について受給者(交付を受ける者)から承諾を得ている場合であっても各源泉徴収票等について書面による交付の請求があるときは、書面により源泉徴収票等を交付しなければなりません(所法226第4項ただし書、231第2項ただし書)。

国税庁「給与所得の源泉徴収票等の電磁的方法による提供(電子交付)に係るQ&A

実際には従業員から請求があっても拒否する会社もあるそうですが、法律に根拠がある行為なので、出さない理由はありません。

ちなみに、そういうやりとりを最初から避けるために、「毎月の給料明細」は「電子交付」でもらって、「給与所得の源泉徴収票」だけは「書面(紙ベース)」で交付する会社もあります。

これはこれで、従業員に対して親切なやり方だと思います。

※電子交付を受けた源泉徴収票でも、例外として、一定の条件を満たせば電子申告(e-Tax)の添付書類としてオンライン送信が可能となります。そのため電子申告をするのも1つですが、「電子申告(e-Tax)のメリットとデメリットは?私が郵送で提出をおすすめする理由」に書いたように、毎年確定申告をしないのであればあまりおススメしません。

税務署が受け付けてくれるのはなぜ?

さて、ここまで書いておきながら、税務署によっては、プリントアウトしたものを受け付けている場合があるとよく耳にします。

逆に、税務署によってはプリントアウトしたものに会社の印がないとダメという話も聞きます(なんだそりゃ!でも、法律上の根拠はないのに、ときどき言われます)。

・・・一体、何が正しいのでしょうか?

結論は、先ほど見た国税庁のホームページにも書いてあるように、公式見解では本来、プリントアウトしたものは受け付けてはいけないものです。

ただ、現場の税務職員の方が、この取扱いを知らないか、例えば、知っているけど確定申告で忙しい時期だから黙認しているとか、諸説あります。

しかし原則がプリントアウトNGとなっている以上、これから住宅ローン控除や医療費控除のために確定申告をする方は、最初から勤め先に「書面(紙ベース)」で給与所得の源泉徴収票をもらっておくことをおすすめします。

最後に

現在は源泉徴収票は「紙」が原則ですが、将来的には年末調整と確定申告はどんどん電子化が進んでいくので、原則は「電子交付」で、例外として「紙」を認める取扱いになる可能性もあります。

確定申告と年末調整の電子化

出典:政府税制調査会「第16回 税制調査会(2017年11月20日)資料」より抜粋

ただ、これから数年かけて少しずつ実現していく話なので、まずは、自分の勤め先が源泉徴収票を「紙」でくれるのか、それとも「電子交付」なのか確認して、電子交付の場合には、紙で源泉徴収票がもらえるように勤め先にお願いをしておきましょう。

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