2018/07/0411 Shares

電子交付された源泉徴収票は自分で印刷して確定申告で使っていいの?

答えは「ダメ」です。

ペーパーレス・コスト削減などの名目で上場企業を中心に「給与所得の源泉徴収票」の電子交付が増えていますが、確定申告ではあくまで紙の「原本」を提出するのでご注意ください。

源泉徴収票

でも、「電子交付された源泉徴収票は確定申告で使えませんよ」と言われても、「書いてあることは同じなのに!」と納得がいきませんよね。

この記事ではその根拠もご紹介します。


現在のルールは「原本」以外認めない!

平成19年(2007年)1月から会社が従業員に対して「給与所得の源泉徴収票」を電子交付してもOKになりました。
源泉徴収票
ペーパーレス化の影響で給料明細や源泉徴収票も社内LANなどにアクセスして、自分専用のIDとパスワードを入力して閲覧する仕組みになっている企業も多いかと思います。

しかし、確定申告の時には給与所得の源泉徴収票の「原本」が必要です。

では電子化されているものをプリントアウトすればいいかというと、それもダメです。

実は、電子交付された源泉徴収票を印刷して使うのはダメと国税庁のQ&Aにもはっきり書いてあります。

国税庁「給与所得の源泉徴収票等の電磁的方法による提供(電子交付)に係るQ&A

(問15)

電子交付を受けた給与所得の源泉徴収票、退職所得の源泉徴収票又は公的年金等の源泉徴収票をプリントアウトして確定申告書に添付してもよいか。

(答)

確定申告書に添付する給与所得の源泉徴収票、退職所得の源泉徴収票又は公的年金等の源泉徴収票は、法令上、給与等、退職手当等又は公的年金等の支払者(交付者)から書面で交付を受けたものと規定されていますので、電子交付を受けた各源泉徴収票をプリントアウトして確定申告書に添付することはできません




勤め先から「紙」でもらうのが原則

源泉徴収票

ではどうすればいいのでしょうか。

このQ&Aには続きがあって、

国税庁「給与所得の源泉徴収票等の電磁的方法による提供(電子交付)に係るQ&A

(問15)

(省略)

給与等、退職手当等又は公的年金等の支払者(交付者)から、書面により各源泉徴収票の交付を受けた上で、確定申告書に添付してください。

とあります。

つまり、確定申告のためには勤め先から別途「書面(紙ベース)」でもらいましょう、となります。

従業員から「紙でほしい」と言われたら会社は交付する義務があります。

国税庁「給与所得の源泉徴収票等の電磁的方法による提供(電子交付)に係るQ&A

(問1)

給与所得の源泉徴収票等の電磁的方法による提供(電子交付)制度とは、どのような制度か。

(答)

(省略)

ただし、給与所得の源泉徴収票等、退職所得の源泉徴収票等又は公的年金等の源泉徴収票等の電子交付について受給者(交付を受ける者)から承諾を得ている場合であっても各源泉徴収票等について書面による交付の請求があるときは、書面により源泉徴収票等を交付しなければなりません(所法226第4項ただし書、231第2項ただし書)。

実際には従業員から請求があっても拒否する会社もあるそうですが、法律に提出の義務が書かれています。

なお、毎月の給料明細は「電子交付」をして、給与所得の源泉徴収票だけは「書面(紙ベース)」で交付する会社もあります。

※電子交付を受けた源泉徴収票でも、一定の条件を満たせば電子申告(e-Tax)の添付書類としてオンライン送信が可能となります。そのため電子申告をするのも1つですが、「電子申告(e-Tax)のメリットとデメリットは?私が郵送で提出をおすすめする理由」に書いたように、毎年確定申告をしないのであればあまりおススメしません。




プリントアウトしたものでも税務署が受け付けてくれたのはなぜ?

さて、ここまで書いておきながら、税務署によってはプリントアウトしたものを受け付けている場合があると耳にします。

逆に、税務署によってはプリントアウトしたものに会社の印がないとダメという話も聞きます。

・・・一体、何が正しいのでしょうか?

国税庁の公式見解としては、本来、プリントアウトしたものは受け付けてはいけないものです。

ただ、現場の税務職員の方が知らないとか、知っているけど確定申告で忙しい時期だから黙認しているとか、受付可能な理由は諸説あります。

しかし原則がプリントアウトNGとハッキリ書かれている以上、これから住宅ローン控除や医療費控除のために確定申告をする方は、最初から勤め先に「書面(紙ベース)」で給与所得の源泉徴収票をもらっておくことをおすすめします。




まとめ

将来的には年末調整と確定申告はどんどん電子化が進んでいくことが計画されています。

そのため、ゆくゆくは原則「電子交付」で「紙」の方が例外になっていく可能性もあります。

確定申告と年末調整の電子化

出典:政府税制調査会「第16回 税制調査会(2017年11月20日)資料」より抜粋

といっても今すぐではなくこれから数年かけて少しずつ実現していく話です。

そのため、まずは勤め先の源泉徴収票が書面交付なのか電子交付なのか確認し、電子交付なら「紙」で源泉徴収票がもらえるように勤め先にお願いしましょう。

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