ボーナス(賞与)の明細を見た妻から
「どうして住民税は引かれてないの?」
と聞かれて、この記事を書くことにしました。
結論としては、所得税と住民税の天引きの仕方が違うからです。
- 所得税:ボーナスからも天引き
- 住民税:天引きなし(天引きは給料だけ)
- 社会保険料:ボーナスからも天引き
だから、ボーナスから住民税が「引かれていない」のが正しいです。
もくじ
所得税は「ボーナス」の天引きあり
所得税は、毎月の給料やボーナス(賞与)の金額をもとに計算した金額を「その月の給料」や「ボーナス」から天引きします。
夏や冬のボーナスをたくさんもらえると思ったら、天引きされている所得税も結構多くてがっくりした方もいると思います。
それはボーナスの金額に応じて所得税が決まっているからです。
<所得税>
- 毎月の給料⇒「今年の税金」をざっくり計算して天引き
- ボーナス⇒「今年の税金」をざっくり計算して天引き
- 最終的に年末調整(確定申告)で「今年の税金」を確定
住民税はボーナスから天引しない。
一方、住民税はボーナスから天引きしません。
住民税は「昨年の所得」をもとに税金を計算し、それを12分割して今年の給料から天引きするからです。
<住民税>
- 毎月の給料※:確定した「昨年の税金」を天引き
- ボーナス:何もしない
※正確には今年6月分~来年5月分の給料
住民税は「後払い」です。
その後払いの対象が、毎月の給料だけだったというわけです。
翌年のボーナスから天引きしないのは、翌年、ボーナスがもらえるかどうかは分からないため、確実に支払われる毎月の給料から天引きするからではないかと思われます。
ボーナスにも住民税はかかる。
さて、この話をすると
「住民税はボーナスにかからないから、給料よりボーナスでもらった方がお得だ!」
と誤解する方もいますが、そうではありません。
住民税は、「昨年の給料・ボーナスの合計」に基づいて計算しています。
支払方法を給料にしてもボーナスにしても、合計するので同じです。
ボーナスが「天引きの対象になっていない」だけです。
では「今年のボーナス」に対する住民税はどうなるかというと、「今年の給料」と一緒に年末調整や確定申告で計算されて、「来年の給料※」から天引きされます。
※正確には来年6月分~再来年5月分の給料
社会保険料も「ボーナス」の天引きあり
税金のほかにも、ボーナスの明細では、社会保険料も天引きされています。
- 厚生年金保険料
- 健康保険料(介護保険料)
- 雇用保険料
昔は、ボーナスには社会保険料もかかっていませんでした。
しかし、社会保険料を節約するために給料を減らしてボーナスを多く払う企業がたくさん出ました。
そこで平成15年(2003年)4月からボーナスも社会保険料を計算して、天引きされるようになりました。
所得税よりボーナスから天引きされる金額が大きいので、「うわっ」となってしまいますね。。。
まとめ
ボーナスと所得税・住民税・社会保険料の関係をまとめると次のとおりです。
- 所得税:ボーナスからも天引き
- 住民税:ボーナスから天引きなし
- 社会保険料:ボーナスからも天引き
なお、住民税については次の記事もあわせてお読みください。