2018/12/074 Shares

前に勤めていた会社から「給与所得の源泉徴収票」をもらえない場合はどうする?

年の途中で転職したら、「転職先の会社」で年末調整をします。

このとき、入社の際に前に勤めていた会社の「給与所得の源泉徴収票」を提出してくださいと言われます。

▼給与所得の源泉徴収票

源泉徴収票抜粋

しかし、前に勤めていた会社が小さな会社だったり、会社ではなく個人事業者だったりすると、「出してもらえない」なんてことが意外と起こったりします。

「もう12月なので提出してください」と給与計算をしている経理担当者から言われても、「それが、もらえなくて・・・」なんてことは実務上はよくあります。

ではどうすればいいでしょうか。

関連 年末調整の対象になる人と対象にならない人は?正社員パートアルバイトと退職者に分けて解説


1.前に勤めていた会社に直接請求する。

多くの場合はこれで1~2週間もあればもらえるはずです。

次の会社で年末調整で使うから下さいってことですね。

ルール上は退職後1か月以内ですが、年末調整の時期にまとめて「源泉徴収票」を作成する場合もよくあります。

そうすると「12月」に退職者の分をまとめて作成することになります。

本来、年の途中で退職した場合は退職後1か月以内に給与所得の源泉徴収票を会社が出すのが法律上のルールです。

こういう知識がないと「12月に作るのがふつうです」という言葉を真に受けてしまいます。

※仕事の内容から「給料」ではない場合には、源泉徴収票は発行されません。雇用契約だと思ったら実は業務委託契約や請負契約だったという場合もあるので確認しましょう。その場合は雑所得(または事業所得)となり、確定申告が必要となります。




2.源泉徴収票を出す義務があると前に勤めていた会社に伝える。

それでも「すぐには出せない」や「そんなもの、うちは出す義務はない」と言い始めるます。

実は給与の支払いをする会社は、源泉徴収票を作成し、年の途中で退職した人にはその退職の日以後1月以内に源泉徴収票を交付しなければならないとされています(所得税法第226条第1項)。

源泉徴収票を出す義務があることを伝えましょう。




3.税務署に請求すると前に勤めていた会社に伝える。

2番目の方法でもダメ・・・。

う~ん。困りましたね。

これだけは使いたくなかったのですが、「源泉徴収票不交付の届出書」というものがあります。
源泉徴収票不交付届出

これを出すと税務署からその会社に対して、「ちゃんと源泉徴収票を発行しなさい」と指導が入ります(税務調査とは別のものです)。

会社にとっては嫌ですよね。

だからこれをいきなり税務署に提出するのではなくて、まずは「源泉徴収票不交付の届出書を税務署に提出するよ」と軽くジャブを打つのです。

おそらく小さな会社ではそんな手続きがあることすら知らないでしょう。

でも「税務署」の名前を出されたら嫌ですよね。

ここで「分かった! 出す」となることもあります。




4.税務署に源泉徴収票不交付の届出書を出す。

3番目の方法でもダメですか・・・。

最終手段として、税務署に実際に届出書を提出すると、出すように指導が入ります。

源泉徴収票不交付の届出書」の書き方は税務署で聞いて下さいね。

給与明細書が保存されている場合は「給与明細書の写し」を添付書類として用意する必要があります。

それでももらえない場合・・・

4番目の方法で源泉徴収票がもらえるかと言えば、実はそうでもありません。

強制力が弱いので、指導が入っても源泉徴収票がもらえない場合もあります。

それでももらえない場合として、実務上行われているのは、

(1) 「前職分の給料明細」をかき集めて、それをもとに転職先の会社で年末調整してもらう。

→転職先の会社が大企業だとかなり厳しいです。

(2) 前職分は不明のまま年末調整(ただし還付・徴収はなし)をして、前職分の給料明細をもとに確定申告する。

→税務署で「源泉徴収票の原本だけしかダメです」と言われて確定申告を受けつけてもらえず税金の還付を受けられなかったケースもありますし、受理されたケースもあり、対応がバラバラです。

まとめ

源泉徴収票の発行は会社の義務ですが、「請求しづらい」とか「会社が倒産した」とか「社長が着信拒否で電話に出ない」とか、難しい問題を抱えています。

そのため転職を考えている年は「最悪の場合」に備えて給与明細だけは毎月分保管することをおススメします。

退職直前の給与明細をもらえなかったという話もありますが・・・。

退職の手続きの中で「源泉徴収票はいつ頃どうやってもらえますか?」と聞いておきましょう。

最終的にはあなた自身が損をするので、粘り強くがんばりましょう。

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