2018/05/052 Shares

繰上返済で借入期間が10年未満になっても住宅ローン控除はできますか?


住宅ローンを組むとなるべく早く繰上返済をした方がいいんじゃないかと思いますよね。

でも実は、繰上返済によってその後の住宅ローン控除が受けられなくなる可能性があります。

この記事では、住宅ローンの繰上返済(期間短縮型)をする際の住宅ローン控除に関する注意点についてわかりやすく説明します。

※住宅ローンを「借換え」した場合の住宅ローン控除については次の記事を参考にしてみてください。

関連 借換えしても住宅ローン控除はできる?年末調整の手続きに注意!


繰上返済で「期間短縮型」を選ぶ人はここに注意!

住宅ローン控除の条件の1つとして、「住宅ローンの借入期間が10年以上かどうか」があります。

  • 借入期間が10年以上⇒OK
  • 借入期間が10年未満⇒NG

例えば、当初の借入期間が「15年」で、3年後に繰上返済(期間短縮型)をしたとしましょう。

この結果、繰上返済した後の残りの借入期間「9年」になった場合、住宅ローン控除はできないのでしょうか?

繰上返済1

正解は、「できる」です。




「トータルの借入期間」が大事!

住宅ローン控除が受けられるのは、「トータルの借入期間」10年以上の場合です。

「繰上返済後の残りの借入期間」が10年以上かどうかを聞いているわけではない点に注意して下さい。

例えば、トータルの借入期間が10年で住宅ローンを組んだ方がいるとしましょう。

繰上返済をしなくても、2年目になれば残りの借入期間は「9年」です。

では、住宅ローン控除は2年目以降、できなくなるのでしょうか?

そんなことはありません。

トータルの借入期間は変わらず「10年間」ですから、2年目だろうが、10年目だろうが住宅ローン控除を受け続けることができます。

つまり、繰上返済(期間短縮型)をした結果、「トータルの借入期間」が10年以上になっているかどうかをチェックすべきということです。

【事例1】3年後に繰上返済をして残りの借入期間が9年になった場合

例えば、当初のトータルの借入期間が15年(10年以上)だったとします。

3年後に繰上返済をして、残りの借入期間が「9年」になりました(3年間の期間短縮)。

さて、繰上返済後のトータルの借入期間は何年でしょうか?

繰上返済2

3年(返済完了期間)
+9年(残りの借入期間)
12年(繰上返済後のトータルの借入期間)

そうです。12年なので「10年以上」ですね。

この場合には、住宅ローン控除は今後も受け続けることができます。

繰上返済後の残りの借入期間が9年だとしても気にしなくていいのです。

出典 国税庁:繰上返済等をした場合の償還期間

【事例2】3年後に繰上返済をして残りの借入期間が6年になった場合

一方、まとまったお金が入ったので、3年後に繰上返済をして、残りの借入期間が「6年」になったらどうでしょうか(6年間の期間短縮)。

繰上返済3

3年(返済完了期間)
+6年(残りの借入期間)
9年(繰上返済後のトータルの借入期間)

今回は、繰上返済後のトータルの借入期間が9年で「10年未満」になってしまいましたね。

この時点で、住宅ローン控除が受けられません

もちろん、繰上返済を積極的に行うことによって、支払うはずだった利息が大幅に削減されるメリットもあります。

住宅ローン控除ができなくなるからといって損をするかどうかはケースバイケースです。

特に今は超低金利ですから、「繰上返済(特に期間短縮型)による利息軽減効果」と「住宅ローン控除の減税効果」をシミュレーションによって比較検討することをおすすめします。

超低金利の現在は、変動金利だと金利1%未満で借りることができる場合もよくあります。

次の記事では繰上返済と住宅ローン控除について比較しているので、参考にしてみてください。

関連 住宅ローン控除ができる当初10年間は早く繰上返済した方が本当に得?金利1%未満なら損かも




2つのローンを組んだ場合の繰上返済の注意点!

2つのローンを組んでいる場合、ごくたまに繰上返済の落とし穴にはまることがあります。

  • 1つ目:先に取得した「土地」に対するローン(当初の借入期間10年間)
  • 2つ目:「建物」に対するローン(当初の借入期間10年間)

「建物」に対するローンの方が金利が高くて、こっちだけ繰上返済をしたとしましょう。

この場合、建物に対するローンのトータルの借入期間が「10年未満」となってしまうため、住宅ローン控除が受けられないことは先ほど説明した通りです。

しかし、実は土地に対するローンも住宅ローン控除が受けられません

▼建物のローン

⇒繰上返済後のトータルの借入期間10年未満

⇒NG

▼土地のローン

⇒トータルの借入期間10年(何もしない)

⇒NG

・・・あれ? どうして? って思いますよね。

そもそも住宅ローン控除は

10年以上の借入期間の「建物」に対するローンがあること

が大前提だからです。

つまり、土地に対するローン「だけ」がトータルの借入期間で10年以上あっても意味がないのです。

土地に対するローンは、あくまで建物に対するローンとセットの場合に住宅ローン控除が受けられます。

建物に対するローンについて住宅ローン控除の条件を満たしていない場合には、住宅ローン控除自体が受けられないのです。

土地と建物でローンを分けて組むことは少ないかもしれませんが、実際にこれで失敗している人がいるので、参考までにご紹介します。




まとめ

繰上返済で期間短縮型を選ぶときには、必ず住宅ローン控除への影響も同時に考えましょう。

関連 住宅ローン控除ができる当初10年間は早く繰上返済した方が本当に得?金利1%未満なら損かも

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