2018/01/212 Shares

繰上返済で借入期間が10年未満になっても住宅ローン控除はできますか?

この記事では、住宅ローンの繰上返済(期間短縮型)をする際の住宅ローン控除に関する注意点についてわかりやすく説明しています。

なお、「借換え」の場合は下記の記事を参考にしてみてください。

関連 借換えしても住宅ローン控除はできる?年末調整の手続きに注意!

繰上返済で「期間短縮型」を選ぶ人はここに注意!

住宅ローン控除の条件の1つとして、「住宅ローンの借入期間が10年以上かどうか」というものがあります。

  • 借入期間が10年以上⇒OK
  • 借入期間が10年未満⇒NG

では、当初の借入期間が「15年」で、3年後に繰上返済(期間短縮型)をがんばった結果、繰上返済したあとの残りの借入期間9年になったら、もう住宅ローン控除はできないのでしょうか?

繰上返済1

正解は、「できる」です。

「トータルの借入期間」が大事!

ここが非常にわかりづらいところですが、住宅ローン控除が受けられるのは、「トータルの借入期間」10年以上の場合です。

ここで、「繰上返済後の残りの借入期間」が10年以上かどうかを聞いているわけではない点に注意して下さい。

例えば、トータルの借入期間が10年で住宅ローンを組んだ方がいるとしましょう。

繰上返済をしなくても、2年目には残りの借入期間が「9年」となります。

では、住宅ローン控除は2年目以降、できなくなるのでしょうか?

そんなことはないですよね。

トータルの借入期間は「10年間(つまり10年以上)」ですから、2年目だろうが、9年目だろうが、住宅ローン控除を受け続けることができます。

つまり、繰上返済(期間短縮型)をした結果、「トータルの借入期間」が10年以上になっているかどうかをチェックすべきということです。

【事例1】3年後に繰上返済をして残りの借入期間が9年になった場合

例えば、当初のトータルの借入期間が15年(10年以上)だったとします。

3年後に繰上返済をして、残りの借入期間は「9年」になりました(3年間の期間短縮)。

さて、繰上返済後のトータルの借入期間は何年でしょうか?

繰上返済2

3年(返済完了期間)
+9年(残りの借入期間)
12年(繰上返済後のトータルの借入期間)

そうです。12年なので「10年以上」ですね。

この場合には、住宅ローン控除は今後も受け続けることができます。

繰上返済後の残りの借入期間が9年だとしても気にしなくていいのです。

参考 国税庁:繰上返済等をした場合の償還期間

繰り上げて支払ったことにより償還期間が短くなったとしても、当初の契約により定められていた最初に償還した月から、その短くなった償還期間の最終の償還月までの期間10年以上であれば、本年以後も住宅借入金等特別控除を受けることができます。

国税庁も「契約の当初償還月(最初の返済月)」から「短くなった後のさいごさいごの償還月(繰上返済後の最後の返済月)」の期間が10年以上かどうかで確認するとあります。

【事例2】3年後に繰上返済をして残りの借入期間が6年になった場合

一方、まとまったお金が入ったので、3年後に繰上返済をして、残りの借入期間が「6年」になったらどうでしょうか(6年間の期間短縮)。

繰上返済3

3年(返済完了期間)
+6年(残りの借入期間)
9年(繰上返済後のトータルの借入期間)

今回は、繰上返済後のトータルの借入期間が9年で「10年未満」になってしまいましたね。

この時点で、住宅ローン控除が受けられなくなります

もちろん、繰上返済を積極的に行うことによって支払うはずだった利息が大幅に削減されるメリットもあるので、住宅ローン控除ができなくなるからといって損をするかどうかはケースバイケースです。

特に現在は超低金利ですから、「繰上返済(特に期間短縮型)による利息軽減効果」と「住宅ローン控除の減税効果」をシミュレーションによって比較検討することをおすすめします。

例えば、10年~15年間くらいの住宅ローンであれば、超低金利の現在は、変動金利で1%未満は当たり前なので、あえて住宅ローン控除(最大で借入残高の1%相当)を受け続けるのもアリだと思います。

もう1つの落とし穴:2つのローンを組んだ場合

さて、ごくたまに、2つのローンを組んでいる場合に落とし穴にはまることがあります。

  • 1つ目:先に取得した「土地」に対するローン(当初の借入期間10年間)
  • 2つ目:「建物」に対するローン(当初の借入期間10年間)

もし、建物に対するローンの方が金利が高くてこっちだけ繰上返済をしたとしましょう。

この場合、建物に対するローンのトータルの借入期間が「10年未満」となってしまうため、住宅ローン控除が受けられないことは、先ほど説明した通りです。

しかし、実は、土地に対するローンも住宅ローン控除が受けられなくなります

▼建物のローン
⇒繰上返済後のトータルの借入期間10年未満
⇒NG

▼土地のローン
⇒トータルの借入期間10年(何もしない)

⇒NG

・・・あれ? どうして? って思いますよね。

土地のトータルの借入期間は当初のままで10年以上あるのに、って。

これは、そもそも住宅ローン控除は

10年以上の借入期間の「建物」に対するローンがあること

が大前提だからです。

つまり、土地に対するローン「だけ」がトータルの借入期間で10年以上あっても意味がないのです。

あくまで土地に対するローンは、建物に対するローンとセットの場合に住宅ローン控除が受けられます。

建物に対するローンについて住宅ローン控除の条件を満たしていない場合には、住宅ローン控除自体が受けられないのです。

あんまり土地と建物でローンを分けて組むことは少ないかもしれませんが、実際にこれで失敗している人がいるので、参考までにご紹介します。

まとめ

いかがでしたでしょうか。

繰上返済で期間短縮型を選ぶときには、必ず住宅ローン控除への影響も同時に考えましょう。

>>>2年目の住宅ローン控除の必要書類と住宅借入金等特別控除申告書の書き方の見本

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