金融機関によっては住宅の購入価格に加えて諸費用も含めて融資をする「オーバーローン」があります。
例えば、住宅の購入価格3,300万円と諸費用100万円の合計3,400万円の住宅ローンを借りるケースです。
この場合、住宅ローン控除はどうなるのでしょうか。
この記事ではオーバーローンの場合の住宅ローン控除の方法についてご紹介します。
なお、住宅ローン控除の確定申告書は国税庁の「確定申告書等作成コーナー」を利用して無料で作成することができます。
関連 住宅ローン控除の確定申告書の具体的な書き方・添付書類と申請方法を徹底解説
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単独債務の場合
住宅ローン控除は「住宅ローンの年末残高」の1%相当が減税の対象になります。
しかし、住宅ローンの年末残高のうち、住宅の購入価格(取得対価の額)を超える部分については適用できません。
- 住宅の購入価格:3,300万円
- 住宅ローン(当初):3,400万円
- 住宅ローン(年末残高):3,376万円
この場合は住宅の購入価格の方が小さいので「3,300万円」が上限となります。
もともと住宅の購入資金を借りる支援をして国民が持ち家を買いやすくする目的で住宅ローン控除があります。
そのため、住宅の購入価格を上回る部分までは優遇しない仕組みだからです。
自分だけで借りている場合の確定申告書の書き方については、次の記事のとおり国税庁のホームページを利用して入力すれば無料で作成できます。
関連 住宅ローン控除の確定申告書の具体的な書き方・添付書類と申請方法を徹底解説
連帯債務の場合
「連帯債務」で借りているときも住宅の購入価格(取得対価の額)を超える部分については適用できない点は同様です。
これに加えて確定申告書の作成方法に注意が必要です。
下記の記事のとおりに入力していると、途中で「連帯債務による借入金に係る各共有者の負担割合と年末残高」で手が止まります。
関連 住宅ローン控除の確定申告書の具体的な書き方・添付書類と申請方法を徹底解説
(中略)
- 住宅の購入価格:3,300万円
- 住宅ローン(当初):3,400万円
でオーバーローンになっている場合です。
負担割合合計が100%未満になっています(図中では「97.06%」)。
これを調整して「100%」にする必要があります。
単独債務と違って、連帯債務の場合には住宅ローン自体を各人が何割負担しているかを考慮する必要があります。
負担割合が変わると減税額も変わるからです。
そこで住宅ローン控除の申告書を作成するにあたり、「各共有者の自己資金負担額」で調整します。
ふつうはこの金額はプラスで調整しますが、オーバーローンの場合は「マイナス」で調整します。
今回は次の「共有割合」に合わせるように計算しています。
- 本人:4/5(80%)
- 財務花子:1/5(20%)
住宅の購入価格3,300万円に対して住宅ローン(当初)3,400万円が100万円多い(オーバーローン)ので、この100万円を2人で配分するわけです。
- 本人:100万円×4/5(80%)=80万円
- 財務花子:100万円×1/5(20%)=20万円
住宅ローン3,400万円のうち100万円は多くて、それは本人に80万円、財務花子が20万円もらったと表現します。
まとめ
まあ、言われてみればたいしたことないと思われるかもしれませんが、毎年この質問が結構多いので記事にしました。
住宅ローン控除の作成方法の詳細については次の記事をお読みください。