2018/03/317 Shares

住宅ローン控除の対象になる「取得対価の額」とは?マンションは要注意!


住宅ローン控除の確定申告書の作成方法については「わかりやすい住宅ローン控除の確定申告書の作成方法【平成29年分】」にまとめていますが、その中でわかりづらいものの1つが、住宅や土地の「取得対価の額」です。

自分が負担した住宅や土地に関する代金が「取得対価の額」に該当するかどうかで、住宅ローン控除の対象になるかどうかが決まります。

住宅ローン控除の確定申告24

では、よくあるものについてそれぞれ取得対価の額に含まれるかどうかを見ていきましょう。


「住宅の取得対価の額」とは?

1.分譲住宅(一戸建て・マンション)

まず、分譲住宅であれば「建物の売買契約書」に書いてある「住宅の購入代金」が「住宅の取得対価の額」に該当します。

消費税の記載がある場合には、「税込みの金額」を探しましょう。

ただし、マンションの場合には少し注意が必要で、売買契約書を見ると「住宅」と「土地」の値段がしっかりと区分されていないものも多いのです。

例えば、

総額:25,800,000円

内訳:

物件価格:25,000,000円

消費税:800,000円

手付金:1,250,000円

内入金:1,250,000円

と売買契約書に書いてあったらどの金額を「住宅の取得対価の額」や「土地の取得対価の額」に入力したらよいでしょうか?

実は土地部分は消費税が「非課税(課税されない)」なので、「消費税800,000円」から消費税率8%で逆算すれば住宅部分がわかります。

つまり、

  1. 800,000円÷0.08=10,000,000円(住宅の税抜き金額)
  2. 10,000,000円×1.08=10,800.000円(住宅の税込み金額)
  3. 25,800,000円-10,800,000円=15,000,000円(土地の金額)

よって、

  • 住宅部分:10,800,000円
  • 土地部分:15,000,000円

となります。

また、マンションの共用部分についても自分の持分相当については取得対価の額に含まれます。

国税庁|家屋等の取得等の対価の額と共用部分の取得対価の額

例えば、1棟の家屋で、その構造上区分された数個の部分を独立して住居その他の用途に供することができるものについてその各部分を区分所有する場合には、階段や廊下などのように区分所有者の全員又は一部の者が共有する部分(共用部分)のうち、その者の持分に係る部分の取得等の対価の額を含めることとされています(租税特別措置法関係通達41-24)。

2.注文住宅(一戸建て)

注文住宅については「建物の請負契約書」から建物の「請負建築代金(税込み金額)」を探せばOKです。

追加工事などをしている場合は「追加工事について支払った金額」を当初の金額に加算し、逆に「値引き」があった場合は当初の金額から減らしします。

「土地の取得対価の額」とは?

1.「土地の購入代金」は対象

先に土地を買って後から注文住宅を建てるような場合など、土地についても住宅ローン控除の対象とする方が多いと思います。その場合には、「土地の取得対価の額」についても金額を調べる必要があります。

こちらも住宅と同様に「土地の売買契約書」に書いてある「土地の購入代金」が該当します。

なお、土地については「一定の条件」があるので詳しくは次の記事をご覧ください。

関連 土地を先に買って家を建てた場合の住宅ローン控除の条件

2.土地の造成費用・改良費用は対象

土地について埋立て、土盛り、地ならし、切土、防壁工事その他の土地の造成又は改良のために要した費用は、対象となります。

根拠:租税特別措置法関係通達41-25(敷地の取得対価の額の範囲)

「敷地の取得対価の額」には、次に掲げる金額を含むものとする。

埋立て、土盛り、地ならし、切土、防壁工事その他の土地の造成又は改良のために要した費用の額

3.古家の解体費用も対象

土地と一緒に「古家」を取得した場合、その建物を取り壊しますが、土地を買ってからおおむね1年以内に取壊しに着手するなど、最初から建物を壊して新築することが明らかな場合は、その解体費用も対象となります。

根拠:租税特別措置法関係通達41-25(敷地の取得対価の額の範囲)

「敷地の取得対価の額」には、次に掲げる金額を含むものとする。

土地等と一括して建物等を取得した場合における当該建物等の取壊し費用の額(発生資材がある場合には、その発生資材の価額を控除した残額。ただし、土地等の取得後おおむね1年以内に当該建物等の取壊しに着手するなど、その取得が当初からその建物等を取り壊して家屋を新築することが明らかであると認められる場合に限る。)

住宅や土地に関するその他の費用は?

1.仲介手数料、不動産取得税、登録免許税・登記費用、契約書の印紙は対象外

住宅や土地を購入する場合には、仲介業者に仲介手数料を支払う場合がありますが、対象外です。

必ずかかる不動産取得税や登録免許税も、取得するときに必要な税金ではありますが、取得対価そのものではないため、対象外です。また、売買契約書や請負契約書に貼る印紙も同様に対象外です。

このほか、司法書士に登記を頼んだ時の登記費用対象外となります。

住宅取得等特別控除の対象となる家屋の取得の対価の額には、不動産仲介手数料や不動産登記費用等は含まれないとした事例(平成9年4月2日裁決

ある支出が「居住用の家屋の取得等に係る請負代金若しくは取得等の対価の額」とするためには、当該支出が居住用に係る構築物等の取得の対価の額に充てられることが一つの要件と解されているところ、仲介手数料等は、家屋と併せて同一の者から取得した対価の額に充てられたものでないこと、また、家屋と仲介手数料等とは実務的に区分計算が困難であるとも認められないから、仲介手数料等は家屋の取得の対価の額に含まれないと解するのが相当である。

2.住宅の設計料は対象

一方、建築の請負業者以外の建築士に設計料を払った場合であっても、その設計料は家を建てるのに必要不可欠で建物の本体価格を構成するので、対象となります。

もちろん、実際に建築した住宅に関する設計料に限られます。

3.住宅の設備関係は対象

家の新築や購入をする場合に、その家と一体として取得する次のような設備も対象となります。

  • 電気設備
  • 給排水設備
  • 衛生設備(トイレ・お風呂)
  • ガス設備

本来、住宅の新築等の対価とはいえないものですが、住宅本体の値段と区分するのが難しいので、対象となっています。

根拠:租税特別措置法関係通達41-24(家屋の取得対価の額の範囲)

「家屋の取得対価の額」には、次に掲げる金額を含むものとする。

その家屋と一体として取得した当該家屋の電気設備、給排水設備、衛生設備及びガス設備等の附属設備の取得の対価の額

4.インテリア・外構工事関係は相手次第

インテリア(照明器具、家具、カーテンなど)やエクステリア(外構工事)についてはどうでしょうか。

これらについては、原則として対象外なのですが、相手次第で条件付きで認められる場合もあります。

詳しくは、下記のそれぞれの記事をご覧ください。

関連 インテリア(照明・家具・カーテン)に対する借入金も住宅ローン控除できる?確定申告の注意点

関連 外構工事に対する借入金も住宅ローン控除できる?確定申告の注意点




ZEH補助金やすまい給付金は対象外

補助金や給付金が「もらえる部分」については、住宅ローン控除の対象となりません。

例えば、購入代金2000万円に対して100万円の補助金がもらえた場合は、100万円部分は対象外となるため、1,900万円が住宅ローン控除の対象となります。

例えば、ZEH(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)補助金など、国または地方公共団体から交付される補助金やすまい給付金が該当します。

確定申告書の提出時までに補助金が交付されない場合はどうするの?という疑問もありますが、これについては補助金の入金があったかどうかは問わないため、「見込み額」でとりあえず差し引いて提出するのが正解とされています。もし後日確定額と見込み額が異なる場合には、さかのぼって訂正することになります。

根拠:租税特別措置法関係通達41-26の3(補助金等の見込控除)

補助金等の交付を受ける場合において、当該交付を受ける額が措置法第41条の規定の適用を受ける確定申告書を提出する時までに確定していない場合には、当該交付を受ける額の見込額に基づいて同条の規定を適用する。この場合において、後日、当該交付を受ける額の確定額と当該見込額とが異なることとなったときは、遡及して当該控除の額を訂正するものとする。

まとめ

以上、記事にしてみると、意外と難しいなと思うところで、これはどうなの?と他にもわからないものがあるかもしれませんが、判断は結構難しいので、個別に税務署にご確認ください。

住宅ローン控除の作成方法については、こちらの記事をご覧ください。

次のページへ>>>わかりやすい住宅ローン控除の確定申告書の作成方法【平成29年分】

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