2018/01/2213 Shares

住宅ローン控除の条件は?新築・中古住宅購入で減税を受けるための12のポイント


住宅ローンを組んだら、誰でも確定申告をして「住宅ローン控除」を受けられると思っているかもしれません。

しかし、住宅ローン控除には細かい条件がたくさんあって、1つでも満たさなければ受けられません

しかも住宅ローン控除を使えるかどうかの落とし穴は、住宅ローンを組むときからポコポコあるので、あなたが穴に落ちないよう、この記事で12のポイントをご紹介します。

なお、平成29年に家を買って初めて住宅ローン控除をする方のために簡単な確定申告の書き方や必要書類を別の記事で紹介しています。こちらもあわせてご利用ください。

関連 わかりやすい住宅ローン控除の確定申告書の作成方法【平成29年分】

関連 写真でわかる住宅ローン控除の確定申告の必要書類一覧


1.新築住宅の住宅ローン控除の条件

新しく家を建てたり、分譲住宅・マンションを手に入れたりする場合です(中古住宅は後でご紹介します)。

(1) その住宅は「自分」で住みますか?

住宅ローン控除は、住宅ローン控除を受けたい人自身が住むことを大前提にして、その人が支払う税金を少なくする制度です。

そのため、「誰かに貸す賃貸用の住宅」や「別荘」は、対象となりません。

ワンルームマンション投資は「賃貸」なので、もちろんダメです。

転勤などで家族そろって引っ越して、その間、誰かに貸している場合も住宅ローン控除の対象外となります。

(2)「12月31日まで」にその家に住んでいますか?

新築した日または購入した日から6か月以内に住んで、住宅ローン控除を受けようとする年の12月31日まで引き続き住んでいることが条件となっています。

例えば、「2月」に住宅を購入して「5月」に住む場合は、購入日から6か月以内に居住しているので1つ目の条件を満たします。そして、そのまま12月31日まで引き続き住んでいれば2つ目の条件も満たします。

住宅ローン控除の居住要件

住んでいるかどうかは、基本的には「住民票」で判断されます(年末の引渡しで住民票を移すのが間に合わない場合は、電気代やガス代などの請求書で実際に住んでいるかを確認することもあります)。

そのため、家の引渡しを平成29年12月に受けたけれど、「実際に住む」のが翌年の平成30年1月や2月になるような場合には、今回の平成29年分の確定申告ではなく、翌年の「平成30年分の確定申告」で住宅ローン控除を受けることになります。

年末ギリギリに引渡しを受ける方は、2つ目の条件に注意しましょう。

(3) 住宅ローンの借入期間は「10年間以上」ですか?

「住宅ローンを組めば必ず住宅ローン控除ができる」という誤解があって、借入期間が10年間未満だったためにこの条件が満たせなくて住宅ローン控除が受けられないという話をよく聞きます。

  • 借入期間10年間以上⇒対象
  • 借入期間10年間未満⇒対象外

例えば借入期間15年間なら10年間以上なので住宅ローン控除の対象ですが、9年間だと10年間未満なので対象外です。

住宅ローン控除の条件2
なお、今後の話ですが、「当初は10年間以上だったのに、繰上返済をがんばりすぎて気づいたら途中でトータルの返済期間が10年間未満になって、その年から住宅ローン控除が受けられなくなる」といったことがよくありますので繰上返済のときにも注意が必要です。

関連 繰上返済で借入期間が10年未満になっても住宅ローン控除はできますか?

(4) 「勤務先」から0.2%未満の利率で借りていませんか?

勤め先から「無利子(0%)」や「超低金利(0.2%未満の利率)」で借りる場合には、住宅ローン控除が受けられません。

なお、これはあくまで「勤務先からの借入れ」の場合だけですので、「銀行」で0.1%などで借りる場合は問題ありません。

(5)「親族からの個人的な借入れ」ではありませんか?

両親など親族からの個人的な借入れについては、住宅ローン控除は受けられません。

そもそも住宅ローン控除の趣旨が、「銀行などから長期(10年間以上)にわたって借入れをすると、利息の負担が大きいので、それを国が一部肩代わりするよ。だから、どんどん持ち家を購入してね」というものです。

そのため、短期(10年間未満)で借入れをしたり、銀行以外から借入れをする場合には、この制度の趣旨に反するので対象外としています。

(6) 床面積の合計は50㎡以上ですか?

登記事項証明書で確認しよう!

住宅の床面積の合計が50㎡(平方メートル)以上かどうかは、不動産登記簿(建物の登記事項証明書)を見ればすぐわかります。

住宅ローン控除の確定申告25

坪数でいえば約15坪以上ですね。 一戸建ての場合は超狭小住宅でない限り、たいてい条件を満たしていると思います。2階建てなら、1階と2階の床面積を合わせたものとなります。

マンションは落とし穴に注意!

意外と落とし穴にはまるのは、「マンション」の場合です。

階段や通路など共用部分は床面積に含めずに、登記簿上の専有部分の床面積だけで判断します。

住宅ローン控除の面積の判定

マンションの床面積の表記方法には、「内法(うちのり)面積」と「壁芯(へきしん)面積」の2つがあります。

  1. 内法面積:実際に使用できる部分の面積だけ
  2. 壁芯面積:壁の中心線で囲まれた部分の面積。内法面積より大きい

不動産業者のチラシなんかを見ると、当然、大きく見せたいので、「壁芯面積」で表示します。

一方、登記簿上の専有部分の床面積というのは何かといえば、「内法面積」のことです。

例えば、チラシには52㎡とあっても、これは壁芯面積のことなので、判定するための内法面積にすると50㎡を下回ってしまいます。

つまり、住宅ローン控除は受けられません。

特に最近は、東京都内の独身者向けのワンルームマンション・コンパクトマンションで50㎡未満のものが増えています。

このとき、面積によって住宅ローン控除の優遇が受けられないことをご存じない方がたくさんいます(登録免許税や不動産取得税、贈与税の特例も受けられなくて落とし穴がいっぱいです)。

2人以上で共有するときでも「全体」で判定!

夫婦で共有登記している場合であっても、あくまで「建物全体の床面積」で判定します。

例えば、床面積が90㎡で自分の持ち分が50%だとしても、「90㎡」で判定します(90㎡×50%=45㎡ではないということです)。したがって、50㎡以上をクリアできるのでご安心ください。

なお、共有登記をする時には、「持ち分」をどうするかを考えないと夫婦間(または親子間)で贈与になってしまう場合もあるので、次の記事もあわせてお読みください。

関連 やってはダメ!家の持ち分を夫婦平等に分ける前に知っておきたい贈与税の知識

二世帯住宅は税金的なメリット・デメリットが複雑!

二世帯住宅の場合には、親子で住宅ローンを借りて「共有登記」または「区分登記(親世帯と子世帯で別々に登記)」になります。

登記の方法によっては住宅ローン控除を受けられるかどうか、相続の時に相続税の金額がどうなるかが変わってくるのでとても複雑です。

不安な方はあらかじめ税理士に相談すると良いでしょう。

(7) 床面積の1/2以上は「居住用」ですか?

ふつうは全部を「居住用」としているのでこの条件を満たしていると思います。

しかし、自営業の方のように店舗や事務所と一体として住宅を建てた場合には、1/2以上を居住用にしている場合だけが対象になりますので注意が必要です。

もともと住むための家の取得を促進するために優遇しているのに、事業を行う店舗や事務所がほとんどだと制度の趣旨に合わないということですね。

(8) その年の所得金額が3,000万円以下ですか?

この条件はたいていの方が満たしていると思いますが、一応、住宅ローン控除には所得制限もあります(いわゆる年収ではなく、所得ベースで判定します)。

年収が多い方(例:開業医)で住宅ローン控除を受けられないということは実際にあるのですが、さすがに所得金額3,000万円を超える方は会社員・公務員ではまずいないので、この条件は気にしなくて大丈夫です。

(9) 居住の年を含む前後5年内に「優遇措置」を受けていませんか?

初めて家を買ったり建てたりする方は、この条件はまず関係ありません。

しかし、そのために今住んでいる家を売った方は注意が必要です。

居住した年の前後各2年間(合計5年間)に、もともと住んでいた家を売るなどして「3,000万円の特別控除」や「10年超保有の税率の軽減」などの他の税金の優遇措置を受ける場合には、住宅ローン控除が併用して受けられないからです。

例えば平成29年に住むのであれば、平成27年から平成31年までの5年間に他の優遇措置を受けると、住宅ローン控除は使えません。

金額的に大きな違いが出ることもあり、どの優遇措置を使えばいいのか、簡単には判断できないため、税理士に相談することをおすすめします。

関連 税金に関する相談は税理士または最寄りの税務署へ

2. 中古住宅の住宅ローン控除の条件

中古住宅の場合には、上記の新築住宅の9つの条件に加え、次の条件も「すべて」満たしている必要があります。

(10) 次のいずれかに該当しますか?

イ.マンションなどの耐火建築物※

25年以内に建築されたもの

ロ.耐火建築物※以外の建物

20年以内に建築されたもの

ハ.「イ」で25年超、ロで20年超の建物

平成17年4月1日以降に取得し、一定の耐震基準に適合するもの

※「耐火建築物」とは?

その建物の主な部分の構成材料が石造、れんが造、コンクリートブロック造、鉄骨造(軽量鉄骨造を除きます)、鉄筋コンクリート造または鉄骨鉄筋コンクリート造のものです。

建物の不動産登記簿(登記事項証明書)に記載された建物の構造によって判定します。

一方、耐火建築物に該当しない代表選手は「木造」です。

大事なのは「イ」と「ロ」に出てくる「年数」の条件です。

特に昭和50年代より以前の住宅の場合、いずれも年数の条件を満たさないため、「一定の耐震基準に適合するもの」かどうかが重要となります。そのため、住宅ローン控除が使える物件か、買う前から、不動産業者によく確認をしましょう。

(11) 親族などから購入していませんか?

身内名義になっている家を住宅ローンを組んで買ってあなたの名義にしても住宅ローン控除を受けられません。

・・・そもそも住宅ローン自体が組めるかどうか怪しいところですが。

(12) 贈与によって取得していませんか?

「贈与」による中古住宅の取得も除かれています。

家を贈与する行為自体は「贈与税」がかなりかかるため、おすすめしません。

まとめ

住宅ローン控除の条件は、以上のとおりです。

資金計画を考えたり、物件を探したりするときから気をつけなければならない条件もあるので、「確定申告をするときでいいや」ではなく、あからじめ確認した上で住宅購入をすすめていきましょう。

関連 わかりやすい住宅ローン控除の確定申告書の作成方法【平成29年分】

関連 写真でわかる住宅ローン控除の確定申告の必要書類一覧

※住宅ローン控除に関する具体的な相談は、税務署または税理士にしましょう。

関連 税金に関する相談は税理士または最寄りの税務署へ

最後までお読みいただき、ありがとうございました^^ この記事はお役に立てましたでしょうか。感想や質問、お気づきの点があれば、「お問い合わせフォーム」やコメント欄からお気軽にご連絡ください。なお、コメント欄は私の承認後に表示されます。税金計算や具体的な有利不利の判断についてはこちらから

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